2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2011年2月26日の補遺

ウィスコンシンの共和党優位の州議会で金曜日、州職員から団体交渉権をはく奪する法案が通過。51対 17。ここしばらく、同州はものすごい騒ぎになっている。:中東の国々を「民主化する」と言っている国で、こういうことが起こり始めている。 http://www.nyti…

豪のDr. DeathがBBCで“自殺装置”による“自殺指南”を正当化

ついこの前アイルランドにいたNitschke医師が そのまま移動したらしい英国で、ワークショップを相次いでキャンセルされている。 最後に一つだけCardiffで計画されていたワークショップに クエーカー教徒から非難声明が出され、Exit側が内容を変更した、との…

2011年2月24日の補遺

Dr. Nitschkeが英国に。ワークショップのキャンセルやクエーカー教徒からの非難声明を受け、BBCがインタビューしている。いつのまにかパソコンと注射器を使った自殺装置を考案していたみたい。すっかりKevorkianですね。:ずっと、この人の名前は発音が分か…

1歳児の「無益な治療」で両親が敗訴(カナダ)

昨日の補遺で簡単に拾ったカナダの「無益な治療」訴訟。 (Londonで英国だとばかり思い込んでいて、niniさんのご指摘でカナダだと気付き補遺訂正しました) なにより大事なこととして、今の段階でJoseph君はまだ生きている(!)のではないかと思えます。 ほ…

ロックトインの人の7割が「幸せ」と回答

このたびBMJに発表されたベルギーのLiege大学の調査で、 ロックトイン症候群の患者65人に質問し、瞬きや目の動きで回答を求めたところ、 72%が自分は幸せだと回答し、 68%が自殺を考えたことはない、と回答。 またロックトインになってからの期間が長いほ…

2011年2月23日の補遺

カナダの生後1歳1カ月の男児Joseph Maraachi君めぐる「無益な治療」訴訟で、両親が敗訴。人工呼吸器をずっとはずさないでくれというのではなく、Joseph君が助からないことは両親も受け止めて、せめて家に連れて帰って死なせてやりたいから気管切開をしてほし…

「現代思想2月号 特集 うつ病新論」を読む 3: 社会と医療の変容と「バイオ化」

この特集には、社会学者の樫村愛子氏のほかに、もう一人、 「安易な薬物療法」を取り上げ、その背景情報を詳細に調べて書いた人がいる。 もちろん精神科医ではなくジャーナリストの粥川準二氏。 「バイオ化する社会 うつ病とその治療を例として」。 これが、…

「現代思想2月号 特集 うつ病新論」を読む 2: 精神医療の変容と薬物療法

この特集で目からウロコだったのは、 斎藤環氏のいう「操作主義」が精神科臨床にまで及び診断文化そのものが変容している、と いろんな人がいろんな言い方で指摘していること。 その象徴として何人もが「操作的診断基準」と呼んで言及しているのが 米国精神…

「現代思想2月号 特集 うつ病新論」を読む 1: 社会の病理と精神医療の変容

この前、出張先でふらっと入った本屋で見つけて、なんとなく購入、 ホテルで読み始めたら面白くて、一気読みになった。 現代思想 2011年2月号 特集 うつ病新論 双極Ⅱ型のメタサイコロジー もちろん、デリダだハイデガーだフーコーだラカンだガタリだドゥルー…

2011年2月22日の補遺

毎分ごとにアップデイトされるGuardianのNZクライストチャーチの地震ニュース・サイト。 http://www.guardian.co.uk/world/blog/2011/feb/22/newzealand-natural-disasters Chicago Tribune誌に男児包皮切除論争の記事。去年の夏頃に出ていた話の繰り返しで…

「731部隊跡地での人骨発掘開始」ガーディアンでワールド・ニュースのトップに

これまでの経緯をまとめてくださっているブログはこちら ↓ 旧軍医学校跡を発掘へ 東京・戸山「七三一部隊の拠点」(朝日新聞から)] アジア・フォーラム東京三多摩 2011/1/6 で、いよいよ、その発掘作業が始まったというニュースが昨日あった ↓ 「新宿区戸山…

「ハイリスクの親」を特定することから始まる児童虐待防止プログラム:Norman Fostが語る「メディカル・コントロールの時代」:YouTube(2分半)

Norman Fost, MD, UW Health Child Protection Clinic びっくりするなぁ、もう。 障害児に対する嫌悪感・差別意識を露骨にむき出しにして恥じない、 Ashley事件では親の決定権がすべてという論陣を張り続けている あの Norman Fost が、Wisconsin大学の児童…

ドイツ医師会、自殺幇助に関するルール緩和し、判断を個々の医師にゆだねる

ドイツ医師会が17日、新たにガイドラインを発表し、 これまで医療倫理の明らかな侵犯としてきた患者への自殺幇助に関して、 幇助をするかどうかの判断を個々の医師の良心にゆだねる方向に方針転換。 医師会長は 「医師自身に良心の曇りがないなら、我々は非…

2011年2月19日の補遺

アイダホ州の、医師による自殺幇助を違法と明確に定める法案、16日に全会一致で上院の委員会を通過。:ニュースの中にちょっと気になる点として、この動きが中絶全面禁止などのプロ・ライフの運動と結びついていること。 http://www.spokesman.com/blogs/boi…

2011年2月16日の補遺

2月6日の補遺で拾ったミネソタ州Al Barnesさんの“無益な治療”訴訟で、人工呼吸器と栄養と水分停止を巡る判断が出ないうちに、呼吸器をつけたままBarnesさん死去。:Barnesさんの意識の有無については、妻と前妻の息子との間で意見が食い違っていたり、夫の事…

知的障害のある子どもへの不妊手術:06年オーストラリアの議論(資料)

昨日アップした英国の知的障害のある女性の不妊手術の件で あれこれ検索していた中で拾ったオーストラリアの情報。 2006年の秋にオーストラリア検察局から 知的障害のある子どもの不妊手術について全国一律に規制する法案草稿が発表され、 それについて広く…

「自分の“財団”作り、お好みの先に寄付すれば、あなたもビル・ゲイツ!」Givebackサイト

「タイガー・マスク」を気取ってみたいのは 日本の人たちだけじゃなかったみたい。 08年にオプラ・ウィンフリーの番組 Big Give(寄付額を競う番組?)の優勝者となった Stephen Paletta氏がその賞金で2010年に立ち上げた財団は、 その名もGive Back財団。 Gi…

「IQが低いからセックス禁止」英国の保護裁判所

地方自治体が供給するホームで暮らす男性Alanさん(41)は IQが48とされ、中等度の知的障害がある。 同じホームに暮らす男性Kieronさんと性的な関係にあり、 公共の場で子どもたちに性的なジェスチャーを見せることもある。 09年6月に地方自治体が Alanさん…

英国で知的障害女性に強制不妊手術か、保護裁判所が今日にも判決

プライバシー保護のため詳細は明らかにされていないが 知的障害がある女性が明日、帝王切開で出産することになっており、 今日の保護裁判所の判決によっては、 切開の際に卵管結紮による不妊手術が行われるとのこと。 今後の妊娠を防ぐため。 通常、保護裁判…

2011年2月14日の補遺

ななせたろうさんのブログに「湯浅誠さん~生活保護法の改定について」 Youチューブ:約10分。非常に分かりやすく説得力がある。「支援は良いことだから積極的にやるべきだ」というタテマエの陰で、実は福祉コスト削減の財源ニーズと、社会の弱者によるさら…

来月、生活書院から雑誌「支援」創刊

★「ニーズ」と眼差さず、「当事者主権」とまとめず、シノゴノ言いつつ、ジタバタやろう。新雑誌創刊! 「支援」編集委員会 = 井口高志・岡部耕典・土屋葉・出口泰靖・星加良司・三井さよ・山下幸子 「支援」編集委員会【編】 支援 Vol.1 特集=「個別ニーズ…

生まれた子どもの引き渡し拒否の代理母に、裁判所が「育ててよい」(英)

W夫妻と女性は09年にインターネットで知り合い、 女性がW氏を父親とする子どもの代理母となること、 生まれたら即座に夫妻に引き渡すことを非公式に合意。 しかし女性は妊娠中に気持ちを翻し、両者の関係は悪化。 女性は去年7月に生まれた女児Tちゃんの引き…

2011年2月12日の補遺

これ、すごくイヤ~なものを感じるニュースなんだけど、子どもの障害をチェックするための遺伝子診断で、思いがけず近親相姦で生まれた子どもが判明することが分かって、法的・倫理的な問題が指摘されている。Lancetの論文。 http://www.medicalnewstoday.co…

2011年2月10日の補遺

モンタナ州に自殺幇助合法化法案と自殺幇助禁止法案が提出されている。:今の米国内の議論を象徴するかのように。 http://www.ama-assn.org/amednews/2011/02/07/prsb0209.htm 【11日追記】 とりあえず、前者は委員会で否決。ただし7対5の僅差。 http://ww…

2011年2月9日の補遺

ビル・ゲイツがダボス会議でCNNの医療キャスター、サンジェイ・グプタのインタビューを受け、自閉症ワクチン犯人説を流したWakefield論文に憤りをあらわにしたらしい。「あの論文は何千人もの子どもを殺した」とか言って。:とっくに科学的根拠を否定された後…

Savulescuらが、今度はICUにおける一方的な「無益な治療」停止の正当化

麻酔学のジャーナルの電子版ページでの 印刷版が出るのに先立つアブストラクトの公開のようですが、 なにしろ、「臓器提供安楽死」を提唱した、あのSavulescuが 今度はICUにおける無益な治療の一方的な停止を一般化しようと 以下の文章を書いています。 共著…

今年のシアトルこども病院生命倫理カンファは、貧困層の子どもと知的・精神障害児の医療切り捨てを議論

シアトルこども病院は05年から毎年7月に 小児生命倫理カンファレンスを開催しています。 今年は7月22、23日で、第7回のテーマは Who’s Responsible for the Children? Exploring the Boundaries of Clinical Ethics and Public Policy 子どもたちの医療はだ…

Ashley事件関連リンク集 12: 病院・大学とゲイツ財団との関係

こちらのリンク集は大まかながら以下のエントリーとNO対応しています。 シアトルこども病院・ワシントン大学とゲイツ財団の密接な関係(2011/2/9) ① ゲイツ財団からシアトルこども病院へのグラント(1997-2004) http://www.gatesfoundation.org/Grants-1997…

シアトルこども病院・ワシントン大学とゲイツ財団の密接な関係:グローバルな功利主義・優生主義医療の動き

当ブログは、立ち上げ当初から一貫して Ashleyに子宮および乳房摘出手術と成長抑制療法を実施したシアトルこども病院とワシントン大学には ゲイツ財団との密接な関係があり、その関係こそが事件の背景では、と検証を続けてきましたが、 単にAshley事件の背景…

ハワイ州上院保健委員会が自殺幇助合法化法案を否決

2月4日の補遺で月曜日に審議というニュースを拾っていたので、 気になっていたハワイ州の自殺幇助法案ですが、 ヤッホー! なニュースです。 上院保健委員会が4時間半に及び参考人の意見を聞いた末、 全員一致で法案を否決。 参考人の発言は圧倒的に合法化反…