2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2010年12月29日の補遺

米国MO州の自殺幇助合法化議論で、誰かの命を維持するために公費から医療費が「浪費」されているという話がさんざん出ていることについて、それは要するに「医療費的に見て、アンタはカネがかかる人だから、そういう人はペットみたいに“始末”させてもらわな…

ADHD治療薬の“スマート・ドラッグ”利用を解禁せよ、とNorman Fost

ADHDの治療薬 Adderallが米国の大学生の間で 集中力を高める即効力のある“スマート・ドラッグ”として濫用されている。 地元紙の取材で、 Wisconsin大学Madison校のキャンパス内でも 闇で売っている学生から1錠5ドルで簡単に手に入ることが分かった。 長期…

2010年12月27日の補遺

カナダ、ケベック州で知的障害のある男性Stephan Dufour(31)が、車いす生活の叔父(41)に強要されて叔父の寝室に首を吊れるようなセッティングの手伝いをし、自殺幇助の罪に問われていた06年9月の事件の裁判の上訴審で、無罪判決。自殺幇助罪が成立するには…

2010年のまとめ:安楽死・自殺幇助関連のデータ・資料

【米国】 小児がんの終末期で親に頼まれた医師が「死を早めている」?(米)(2010/3/3) WA州とOR州の2009年尊厳死法データ(2010/3/5) OR州の「尊厳死」:97%にC&Cが関与、たった20人の医師がせっせと処方(2010/3/11) Montanaで最高裁判決後、少なくとも1人…

2010年のまとめ: 一般(A事件以外) 後半

7月 DignitasのMinelliが「求められれば健康な人の自殺幇助も」と、またBBCで(2010/7/3) 「ケアラー連盟結成宣言」(日)(2010/7/6) 「米国のワクチン不信と、そこから見えてくるもの」を書きました(2010/7/5) 豪タスマニア州が自殺幇助合法化法案を準備…

2010年のまとめ: 一般(A事件以外) 前半

複数のエントリーがあるものは、なるべく最新のエントリーにリンクしました。 その場合、たいてい文末に関連エントリー・リンク一覧があります……と思います。 1月 台湾で自殺幇助事件 NH州議会、自殺幇助合法化案を否決 カナダ、Isaia事件(無益な治療) 英…

Ashley事件リンク集 11: 2010年の動き

AJOB成長抑制論文 http://bioethics.net/journal/j_articles.php?aid=2118 http://whatsortsofpeople.wordpress.com/2010/01/12/ashley-revisited-american-journal-of-bioethics/(Sobsey) http://whatsortsofpeople.wordpress.com/2010/01/13/ashley-effe…

2010年のまとめ: Ashley事件 (資料性のあるエントリー)

【関連論文】 イリノイ大学法学部ジャーナルで「成長抑制には裁判所の判断が必要」(1/28) 「Ashley療法は身体の統合性を侵すため、親の決定権の外」とHealth Law Week(4/2) Cambridge医療倫理ジャーナルに“Ashley療法”のケーススタディ?(6/21) ソーシャルワ…

2010年のまとめ: Ashley事件(できごと)

2010年のまとめ:Ashley事件 には、 この「できごと」編の他に「資料性のあるエントリー」編を作りました。 また、別途、継続して作っている「Ashley事件関連リンク一覧」の一環として 「Ashley事件リンク集 11: 2010年の動き」を作りました。 1月 AJOBに成…

2010年12月23日の補遺

NYTの「写真で見る2010年」。ハイチの地震から。 http://www.nytimes.com/packages/html/photo/2010-year-in-pictures/?nl=todaysheadlines&emc=ab1#/0 同じくGuardianからも「2010年を振り返る」 http://www.guardian.co.uk/world/interactive/2010/dec/22/…

2010年12月22日の補遺

イラクとアフガニスタンに派遣される米軍兵士が、多数、脳に損傷を受けて帰還しているのに、軍がその面倒をちゃんと見ていないことが問題視されているけど、(米軍関係者にはTricareという医療保険があるが、こうした微妙な脳損傷とか精神障害など、現代の戦…

英国で初めて、“救済者兄弟”からの骨髄移植ファンコーニ貧血の姉に

IVFで「完璧なドナー」として選ばれ、 救済者兄弟として生まれてきた1歳の男児から ファンコーニ貧血の9歳の姉への骨髄移植が行われた。 6か月前に、Bristol Royal 病院で。 “救済者兄弟”フルコースが行われて治療に至った 英国で初めてのケースとのこと。 …

2010年12月21日の補遺

英国で第2のDebbie PurdyさんになろうとしているNicklinsonさん夫婦が「死なせないのは人権侵害」とIndependentの取材を受けている。 http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/i-love-my-tony-and-thats-why-i-need-to-kill-him-2164309.html 米国の…

Wilfondが「主治医論文も親のブログも、古い記憶で書いたものだから」と、ふざけた言い訳

これもまた、全文公開されていることに最近気づいた、07年のAshley論文。 シアトルこども病院Truman KatzセンターのDiekemaの同僚で 論争当初から、ちょろちょろしているWilfond医師の書いたものだけに、 ずっと読みたかったものです。 もちろん読んだからと…

「障害者運動は社会モデルのためにAshleyを犠牲にした」と非難する07年のHCR論文

前から存在は知っていたけど、是が非でも読みたいほどでもないから、とりあえず放置したり、 そのうちにすっかり忘れてしまっていた論文と、時間が経ってから何かの折にネットで再会してみると、 思いがけず全文公開されていた……という嬉しい発見が、たまに…

Robert Truog「心臓死後臓器提供DCDの倫理問題」講演ビデオ(2009)

12月8日の補遺で拾った シアトルこども病院での去年のTruogの講演「心臓死後臓器提供DCDの倫理問題」を聞いてみました。 Ethical Issues in Organ Donation After Cardiac Death Provider and Nursing Grand Rounds Online Videos Seattle Children’s Hospit…

2010年12月19日の補遺

HCRの成長抑制WGの論文を持ち上げたBill Peaceが反省している。というか、彼は数ヶ月前に手術を受けて以来ずっと、ほとんど寝たきり状態になっているので、現在は一時的に自身の医療への不信が高まっていて、ちょっと落ち込んでいるところで論文を読みなおし…

米国神経学会「家族を苦しめないために(臓器生かすにもコスト減にも)脳死判定は1回に」

Medical News Todayから標題の通りのニュース。 Two Brain Death Exams May Be Pointless, Undermine Organ Donation, And Increase Family Anguish The MNT, December 16, 2010 上記MNTの記事では Neurology誌に報告された調査を行ったのも論文を書いたのも…

2010年12月17日の補遺

ヨーロッパ人権裁判所から、アイルランド政府が命の危険のある女性に中絶を認めないのは人権侵害、との判断。 http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/16/ireland-urged-reform-abortion-legislation?CMP=EMCGT_171210& 脳死判定の2度目のテストは、無意…

「功利主義は採らない」……南アフリカの人工透析患者選別委員会の模索

人工透析を必要とする患者なら誰でも公費で受けられる制度を持っているのは 米国と西ヨーロッパと日本で、その他の国の腎臓病患者の多くは受けられないでいるという。 その状況をWHOが2008年にまとめた論文がこちら。 とはいえ、米国でも人工透析が普及し始…

VA州の自殺幇助合法化求めるネット署名

ネット上に嘆願書を掲載して、 賛同する人がそこに署名を加えていくサイトGoPetitionに 13日付でVirginia州の自殺幇助合法化を訴える嘆願書がアップされている。 17日朝9時半時点で、署名者は2名。 Decriminalize Assisted Suicide in Virginia GoPetition…

2010年12月16日の補遺

Obamaの大統領生命倫理問題研究委員会(?)が初の報告書で、新薬開発だ環境浄化だ代替燃料だと何かと有望視されている合成生物学(synthetic biology)について、研究室で合成される微生物には思いがけない厄災を引き起こす可能性がないよう慎重に、と。 ht…

セルビア人を殺して採った臓器を密売、巨大犯罪組織のボスは現コソボ総理大臣

――ことの起こりは08年11月。 コソボの空港で搭乗を待っている間にトルコ人男性が気を失って倒れた。 男性の腹部には生々しい大きな傷が……。 翌日、コソボ警察はMedicusというクリニックで74歳のイスラエル人男性を発見する。 彼は誰かから盗んだものと承知で…

2010年12月15日の補遺

California Watchというサイトが成長抑制WGの論文を取り上げているのだけど、これもまた事実誤認だらけ。:カリフォルニアといえば、目下、自殺幇助合法化で最も熱心なキャンペーンが行われている州……。一見繋がっていないように見えるけど、実は繋がってい…

英国DPP、家族による自殺幇助すでに20件も不起訴に

自殺幇助合法化論者のFalconer卿がチェアを務める委員会のヒアリングで 昨日までに英国公訴局長DPPのStarmer氏が語ったところによると、 今年3月までの昨年度に送検された自殺幇助事件は19件。 そのうち17件が不起訴となり、1件は現在検討中。 1件は警察が…

「HCR成長抑制論文に激怒するヒットラー」YouTubeに

Hitler reacts to the Hastings report on growth attenuation.wmv これは、笑えます。 地図を指差して、非常に緊張した面持ちの部下が 「ここに安楽死ホスピスを作りました。 一応、念のために成長抑制センターのすぐそばです。 批判的なブロガ―たちが騒い…

「HCR成長抑制論文に激怒するヒットラー」YouTubeに

このエントリーは、以下のErikさんのブログから映像にゆけますが、 その後、YouTubeから映像を貼って同じ内容のエントリーを新たに立てました → こちら。 これは笑えます。 ドイツ映画「ヒトラー最後の12日間」の一場面に勝手な字幕をかぶせたもの。 11月16…

2010年12月14日の補遺

テキサス州の女性の自殺幇助裁判。Jerrfey Ostfeldがメキシコから獣医用のバルビルール系毒物を持ち込んでウツ状態の女性Jennifer Malone に飲ませた、というもの。 http://www.nrtoday.com/article/20101210/NEWS/101219990/1051&parentprofile=1055 製薬会…

2010年12月12日の補遺

ピッツバーグ大学の調査で、65歳以上で入院中に人工呼吸器を使って生還・退院した患者は、呼吸器を使わずに退院した患者よりも、長期に渡る障害を負う確率が高い、と。:臓器摘出のために人為的に心臓死を引き起こす「ピッツバーグ方式」の、あのピッツバー…

FENが「GA州法の自殺幇助関連規定は言論の自由を侵す」と訴訟

米国の「死の自己決定権」アドボケイト団体Final Exit Networkが Georgia州をはじめ、いくつかの州で相当数の人に組織的な自殺幇助を行ったとして 幹部らが逮捕された事件については、去年の2月から追いかけてきました。 詳細は文末の関連エントリー・リンク…