2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【お知らせ】しばらくブログをお休みします

当ブログは2007年5月に アシュリー事件を追いかけるために立ち上げたものでした。 いつのまにかアシュリー事件からその周辺へと興味関心が広がり、 それから、ざっと6年あまりになります。 元より「世界ではいったい何が起こっているのか」 「こんなことが起…

シノドスの新刊著者インタビューのお知らせ

23日に刊行になった拙著 『死の自己決定権のゆくえ:尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』について シノドスに、新刊著者インタビューが掲載になりました。 http://synodos.jp/newbook/5404 タイトルは 共鳴する「どうせ」で、いのちの選別を行わないために…

2013年8月31日の補遺

カナダ、ケベック州の安楽死法案、議会へ。 http://www.nationalrighttolifenews.org/news/2013/08/quebec-euthanasia-bill-introduced/#.UiFrPD9AHct 【関連エントリー】 ケベックの法案は「医療的自殺幇助」という名の安楽死合法化法案(2013/6/14) ケベッ…

どんどん進化し「ビジネス・チャンス」を広げていく出生前・着床前遺伝子診断技術

5月にフィラデルフィアで誕生した Connor Levy君については 以下のエントリーで紹介しましたが、 全ゲノム読解で病気チェックした赤ちゃん誕生(米)(2013/7/11) その続報のような形で書かれたWPの記事があり、 こうした次世代シーケンシング(NGS)による着…

「重症化する患者を選別する」“患者管理”サービス、IT企業の「ビジネス・チャンス」

メディカル・コントロールと新・優生思想の周辺から出てくるニュースには それまで想像もできなかった形の科学とテクノロジーの応用に仰天すると同時に、 考えてみれば、いろいろ起こっていることの当然の帰結だなぁ、と 改めて納得させられる……ということが…

米国の「死ぬ権利」擁護派の生命倫理学者の夫、生命維持中止を希望し死去

ショックだ……。 1ヶ月前に何の前触れもなくPCがぶっ壊れて たまたま前の日に3本も書いて寝かせていたエントリーの原稿がオジャンとなる、 という悲惨な体験をした。 もちろん今さら、 その時のショックを書きたいわけではない。 一生懸命に書いたのに消え…

英国の保護裁判所、知的障害のある男性の不妊手術を許可

英国ロンドンの保護裁判所が 本人の最善の利益だとして知的障害のある男性に精管切除を認めた。 男性はDE。37歳で、 10年来のガールフレンドPQとの間に既に2010年に生まれた息子がある。 DE本人はこれ以上子どもを持ちたくないと考えているが 知的障害のため…

A・Owen教授らが論文を発表:「植物状態」の40%に誤診の可能性

ケンブリッジ大からカナダのウエスタン・オンタリオ大に招聘されたA・オウェン教授が 植物状態と診断された患者と脳スキャンを通じてコミュニケーションをとる方法を 研究していることについては以下のエントリーで触れてきましたが、 (23日に出た拙著『死…

2013年8月23日の補遺

今日はまず、 拙ブログで扱っているテーマに興味をお持ちの方に、ぜひとも訪問していただきたい 米国在住のえりさんのブログ「これからどうしようか」をご紹介。 えりさんには 13歳の重症障害のある娘さんを含め、3人の子どもさんがおありです。 重症障害児…

生命維持を中止するため、自己決定能力ある患者に代理決定者を求めた病院が敗訴(PA州)

生命維持続行を指示する患者本人の意思を無視するため、 意思決定能力のある患者に代理決定者を立てようとした ペンシルベニア州Allentownの St. Luke’s病院が敗訴。 裁判所は病院の訴えを認めなったばかりでなく、 こうした主張を行ったことに対して罰則を…

精神障害者への医療差別 (米)

これまで、障害者に対する医療差別の問題はいくつかのエントリーで拾っており(詳細は文末にリンク)、 その内容については今回の拙著『死の自己決定権のゆくえ』の第3章でも 「医療と障害のある人々」というセクションを設けて紹介していますが、 8月10日の…

『死の自己決定権のゆくえ』注:URLリンク一覧

『死の自己決定権のゆくえ』 注 各章の注に挙げられた URLリンク一覧はこちらです ↓ まえがき 注 第1章 注(1)~(38) 第1章 注(39)~(76) 第2章 注(1)~(36) 第2章 注(37)~(60) 第3章 注 注のURLについては 校正時にリンク切…

『死の自己決定権のゆくえ―尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』刊行のお知らせ

先月のエントリーでお知らせした拙著 『死の自己決定権のゆくえ - 尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』が 出来上がり、今日、手元に届きました。 (書店に出回るのは数日先になると思われます) 表紙には木漏れ日の写真が使われています。 キャンドルと水…

認知症の?高齢者をディグニタスへ連れて行こうとした妻と息子を逮捕(英)

数日前から多数の報道がある一方で、 詳細が出てこないので様子見をしていた たいそう気になる英国の事件。 西サセックス州、Chichesterの65歳の女性と25歳の息子が 71歳の夫(父親)をディグニタスへ連れて行こうと計画した容疑で逮捕された。 (その後、保…

2013年8月20日の補遺 (後)

日本。福井公子さんの『障害のある子の親である私たち――その解き放ちのために』。生活書院から、まもなく発売。福井さんに関するエントリーは ⇒ 「行動する親」という呪縛(2013/1/9) http://www.seikatsushoin.com/bk/115%20shogainoarukonooya.html カナダ…

2013年8月20日の補遺 (前)

米ミシガン州で、末期患者に無用な抗がん剤治療を行ったとして、ガン専門医を起訴。過剰医療でメディケア費用を使わせた容疑。前にも似たような話が出ていたけど、「無益な治療」論の新たな方向性? http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/08/oncologist-…

世界医師会の安楽死に関する決議

世界医師会は 今年4月のインドネシア、バリでの第194回委員会セッションにおいて、 2002年10月の米国ワシントンDCでの第53回WMA全体会議で採択された 安楽死に関するWMA決議を再認した。 安楽死については Euthanasia, that is the act of deliberately endi…

佐々木千津子さんから山田嘉則氏のintegrityとセンシティビティへ

昨日、佐々木千津子さんの訃報を聞き、 その直後に久々にこのブログにコメントが入ったと思ったら それがなんと佐々木千津子さんのことを書いたエントリーだったという、 どこをどう押しても単なる偶然とは思えない不思議な出来事があって、 佐々木千津子さ…

伊藤比呂美『読み解き「般若心経」』を読んだ

『読み解き「般若心経」』 伊藤比呂美 朝日文庫 いや~、めっちゃ面白かった!! 表紙に「エッセイ + お経 + 現代語訳」とあるように、 カリフォルニア在住の詩人が熊本在住の老親の遠距離介護の生活の中から、 死について考え、そうした自分自身の必要か…

Savulescuによる「道徳エンハンスメント」論

Savulescuによる「道徳ピルのすすめ」プレゼンのビデオが BioEdgeのエントリーにあったので、 ざっと聞いてみた。 聞き取りには自信がないので かいつまんで概要のみ。 最初にSavlescuが自問自答してみせるのが 「地球温暖化を起こすのは? 二酸化炭素」 「9…

オランダのフリーゾ王子、死去

オランダのフリーゾ王子(現国王の弟)が昨年2月に オーストリアでの休暇中に雪崩に巻き込まれて意識不明となった事件については、 以下のエントリーで拾っていますが、 13日に亡くなったとのこと。 脳損傷で英国に運ばれたオランダの王子めぐり尊厳死議論(2…

『死の自己決定権のゆくえ』注: 第3章

(1)http://www.nbcnews.com/id/13302109/#.UYBqv0rOeJI (2)Science and Technology Options Assessment: HUMAN ENHANCEMENT STUDY, STOA(Science and Technology Options Assessment, European Parliament, May 2009) (3)http://blogs.yahoo.co.j…

『死の自己決定権のゆくえ』注: 第2章 (37)~(60)

(37)西村ユミ 2012「植物状態患者はいかに理解されうるか──看護師の経験から生命倫理の課題を問う」安藤泰至・高橋都責任編集『シリーズ生命倫理学 第4巻 終末期医療』91─107ページ。 (38)http://www.dailymail.co.uk/femail/article-2043981/Revea…

『死の自己決定権のゆくえ』注: 第2章 (1)~(36)

(1)Alicia Ouellette “BIOETHICS AND DISABILITY Toward a Disability-Conscious Bioethics”, CANBRIDGE UNIVERSITY PRESS, 2011; Jan Slater, “Managing Patients or Families Who Demand Medically Futile Care: Ethics and the Law” http://tvs-media-…

『死の自己決定権のゆくえ』注: 第1章 (39)~(76)

(39)http://www.massagainstassistedsuicide.org/2012/05/benedetto-letter-to-boston-globe.html (40)http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa1213398 (41)http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10334 (42)http://ww…

『死の自己決定権のゆくえ』注: 第1章 (1)~(38)

(1)http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002o6g6-att/2r9852000002o6kt.pdf (2)「終末期の医療における患者の意思の尊重にかんする法律案(仮称)に対する会長声明」。 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/12…

『死の自己決定権のゆくえ』注: まえがき

(1)http://usatoday30.usatoday.com/news/health/2006-06-11-tissue_x.htm (2)「世界の介護と医療の情報を読む」第5回 『介護保険情報』2006年11月号。

NDYのDian Colemanによる自殺幇助合法化批判

8月1日の補遺で拾ったNot Dead Yet のDian Colemanの自殺幇助合法化批判の論考が 同じ媒体で再掲されていたので、 暑いし(体を動かして何かをしようという気が起こらない)、 突然に時間がぽっかりできたので、気ままに訳してみた。 終末期の人への自殺幇助…

2013年8月11日の補遺 (後)

日本語。世界初の人造肉バーガー試食、「食感は悪くない」:このニュースを見た時、この研究はビル・ゲイツの「栄養強化バナナ」研究の路線とつながっている、と直感した。 http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE97500T20130806 そしたら、…

2013年8月11日の補遺 (前)

NYT.「出生時の終末期」と題し、新生児の終末期医療への議論を呼びかける論考。50年まえに未熟児で生まれて「英雄的な」救命治療が行われたにもかかわらず39時間でなくなったケネディ家の赤ちゃん、パトリック君への回想から、終末期医療について率直に議論…