2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2011年1月31日の補遺

ユタ州のサンダンス映画祭で“How to Die in Oregon(オレゴン州の死に方)” がドキュメンタリー部門で受賞。 http://www.reuters.com/article/2011/01/30/uk-sundance-awards-idUKTRE70T0A920110130 日本。小児科学会が終末期医療の指針案。 http://mainichi…

成長抑制WGの論文を読む 4

著者らは冒頭部分でWGメンバー内の重症障害についての意見概要をまとめてみせる。 メンバーの重症障害についての共通認識は、 ① 社会が重症児・者を価値の低い存在とみなしていること。 ② 医療・社会サービスの改善に投資することは優先事項である。 ③ 発達…

「死んだ」と偽り、医療職が組織的に新生児を売買(スペイン)

スペインで、とんでもないスキャンダルが浮上している。 医師や看護師が密かにネットワークを作り、 新生児を親から盗みだしては売りさばいていたとして、 産科クリニックの元従業員や違法な養子縁組をした親の証言を証拠として提出し、 スペインの病院で過…

2011年1月29日の補遺

州ごとにワクチン接種を記録して、接種時期が来たら医療機関からお知らせが届く制度をコロラド大学の研究者らが提案している。 http://www.medicalnewstoday.com/articles/214826.php 英国議会に提出されているNHSの改革に向けた「医療と社会ケア法案」。詳…

成長抑制WGの論文を読む 3

一般化の動きとシアトル子ども病院の切り離しが図られている――? 07年5月の成長抑制シンポジウムを、この論文は Benjamin WilfondとPaul Steven Millerとが開催したものだ、と整理する。 シアトルこども病院とワシントン大学は、それぞれの所属先として言及…

グローバル化が進む”代理母ツーリズム”

代理母と生殖子ドナーのグローバルなネットワークを作り 各国の法規制の網の目をくぐって安価に子どもを作らせてくれる 新たなビジネスが出現している。 Assembling the Global Baby WSJ, December 10, 2010 冒頭、紹介されるのは、 ベルギーからギリシャに…

OR州の2010年のPAS報告書 自殺者また増加

オレゴン州の昨年の自殺幇助報告書が保健局から出ています。 報告書そのものはこちら。わずか3ページです。 とりあえず、内容をかいつまんで解説してくれているLifeSiteのブログ記事から。 1年間の致死薬の処方件数は96件。 それを用いて死んだ人として報告…

双極性障害者の自殺希望に欧州人権裁判所「自殺する権利より、生きる権利」

1月21日の補遺で拾ったスイスの事件について、 詳細がありました。 提訴していたのは57歳のスイス国籍の男性、Ernst G. Haasさん。 20年間、重症の双極性障害に苦しんでおり、 もはや尊厳のある生を送ることができないとして 2回の自殺を試みるが、いずれも…

2011年1月27日の補遺

カリフォルニアの研究者らから、現在の事前指示書に関する法的規制は(例えば署名がないと無効とか、そういうことだと思われます)せっかくの患者の意思を生かせないので、もっとコミュニケーション主体の柔軟なものに、との声。:それって、モノが言えなく…

成長抑制WGの論文を読む 2

この論文は シアトルこども病院は裁判所の命令を取らないかぎり成長抑制はやらないとWPASと合意したが その他の病院はこの合意に縛られるわけではなく、そのような医師や倫理委が 「親たちの成長抑制の要望を受けガイダンスを熱心(eager)に求めている」と…

成長抑制WGの論文を読む 1

シアトルこども病院が組織した成長抑制WGの論文については 去年の11月、12月と既に非常に多くのエントリーを書いています。 その中から、論文そのものに対する疑問や、本文の内容について書いた主なものとしては まだ論文を読む前のものとして 成長抑制WGの…

フランス上院が自殺幇助合法化法案を否決

以下のエントリーで追いかけてきたフランスの自殺幇助合法化法案は 昨日、否決されたとのこと。 フランス上院、25日に自殺幇助合法化を審議(2011/1/13) フランスの安楽死法案、上院の委員会を通過(2011/1/19) 賛成 142 vs 反対 170 。 差が小さいのが気にな…

2011年1月26日の補遺

フランス上院に提出されている自殺幇助合法化法案に首相を始め政府要人は反対。 http://www.lifesitenews.com/news/french-government-opposes-bill-to-legalize-assisted-suicide/ オランダのthe Dutch voluntary euthanasia societyが来年、協力してくれる…

ベルギーの医師らが「安楽死後臓器提供」を学会発表、既にプロトコルまで

去年5月に以下のエントリーでとりあげた話題の続報。 ベルギーで2年前にロックトインの女性、「安楽死後臓器提供」(2010/5/9) Antwerp, Lerven と Liegeの大学病院の Dirk Ysebaert, Dirk Van Raemdonck, Michel Meurisseの3医師が 12月にthe Belgian Roya…

科学の学生必読の秀逸ブログ50選

その名も「修士号」というブログが 「科学の学生必読の秀逸ブログ50」を選んでいる。 50 Excellent Ethics Blogs Every Science Student Should Read Masters Degree, December 14, 2010 当ブログでも何度も取り上げているWhat Sorts of Peopleブログが入っ…

2011年1月25日の補遺

VT州の自殺幇助合法化法案のゆるさをWesley Smithが指摘している。その同じゆるさがOR州で既に違法な自殺幇助を現実にしている事実も。 http://www.firstthings.com/blogs/secondhandsmoke/2011/01/24/vermont-assisted-suicide-bill-the-usual-loophole-sca…

お茶

ウチの娘は強情だ。 飲み物にしろ食べ物にしろ、 「要らない」と言ったら絶対に口を開けない。 断固、ゼッタイに拒絶する。 でも、親としては、 どうしても、お茶だけは飲んでほしい時がある。 熱を出している時の水分補給はもちろんだけど、 夕食後の抗けい…

スコットランドでAshley事件に材をとった演劇

スコットランドの国立劇場が春に“Girl X”というタイトルで Ashley事件を題材にした演劇を上演する。 どういう立場の人か確認していないのだけど(脚本家?) 国立スコットランド劇場のブログ担当者のRobert Softley氏が 2007年の論争時にこれで演劇をとのア…

2011年1月23日の補遺

製薬会社から新薬が出てくる速度が遅すぎると、Obama政権が政府機関として新薬開発センターを立ち上げることを決めた。:いよいよ製薬業の国際競争が過酷になって、なにがなんでも勝者となるために米国はこういう手を打つ、ということ? で、そのマーケット…

2011年1月21日の補遺

シアトルの誰かの意を受けて、米国でワクチン拒否する親は裁判にかけろと息巻いているDiekema医師のことだから、まぁ、予想される行動と言えば言えるけど、BMJのサイトに18日付でアップされているのが、Diekemaら3人の論説。たぶん主著者も同じ所属。つまり…

日本での子どものワクチン副作用報告

20日の朝日新聞に「教えて! ワクチン助成」という記事があり、 副題に「Q副作用は? 深刻な事態に陥った報告はなし」とある。 その中に、報告された事例の件数が挙げられていたので、一応メモ。 ヒブ・ワクチンは 推定140万人が摂取して、44例。 小…

生命維持の中止まで免罪する「無益な治療法」はTXのみ

米国の「無益な治療法」といえば、 なんといってもテキサスの事前指示書法(別名:無益な治療法 1999)のようですが、 当ブログではこれまで、他にも少なくとも2州にあるとの断片情報を見つけており、 いったい本当のところ、どれだけの州に同様の法律があ…

レスパイト増を断られた重症児の母の嘆きの書き込みがネット世論うごかす(英)

英国Bristol在住の6歳の重症障害児の母親 Riven Vincentさんは、 地方自治体の社会サービスにレスパイト・サービスを増やしてほしいと要望していたが、 昨日20日に、これ以上のレスパイトは増やせないとの回答を文書で受け取った。 頭にくると同時にパニッ…

2011年1月20日の補遺

この動き、見逃していたけど、豪の首都特別区で出されていた自殺幇助合法化法案は否決される見通し。:いいね! http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/euthanasia-bill-bid-doomed/2052593.aspx?src=enews あれこれ気に入らない発言の多…

世界の「奴隷労働」を、拾った記事から概観してみる

昨日の補遺で、この日本で子どもたちが所在不明となっているニュースを取り上げた。 いつもお世話になっているガウタマ・シンラン・ソリドゥスさんが その話題でちゃんとしたエントリーを書かれているのを読ませていただいていたら、 確かに、ここのところ世…

2011年1月19日の補遺

各国から自殺希望者が押し掛ける「自殺天国」スイスの法務大臣が、ここまで自殺ツーリズムが繁盛してはまずいだろうと、規制を提案:ここ2年くらい、スイスのエライさんはずっと、こういうことを言いつつ、世論調査をやってみたりしては、また腰が砕けること…

フランスの安楽死法案、上院の委員会を通過

13日のフランス上院、25日に自殺幇助合法化を審議のエントリーで 紹介した件の続報。 25 vs 19の賛成多数で上院の委員会を法案通過。 13日の報道では2つだったし、バラバラだったけど、 社会党、UMP(国民運動連合)、Gauche(左翼急進党)から出た別々…

「植物状態にもなれない」から生還した医師の症例は報告されるか?

臓器移植法を問い直す市民ネットワークのHPからの情報。 食道がんの名医である加藤抱一氏(1944年生まれ、環境省・公害健康被害補償不服審査会会長、外科医)が、2010年10月25日発行の『日本臨床外 科学会雑誌』(第71巻10号)の編集後記に…

2011年1月18日の補遺

成長抑制WGの論文が出て2カ月近く。そろそろ真面目に論文を読みこんだ人たちからの反論が出始めるのかもしれない。障害当事者から批判のブログ・エントリーがあった。まとめるだけの余裕がないけど、なかなか鋭いところをいくつも突いている。大筋、WGは正面…

「製薬会社に踊らされて子どもの問題行動に薬飲ませ過ぎ」と英国の教育心理学者

教育と児童心理・年次カンファレンスでの 教育心理学者 Dave Traxson氏の13日の発表。 概要は NHS Business Service Authorityによると 1994年から2009年の間に子どもへのアンフェタミンの処方は120倍に急増し 教育関係者と児童心理学者の間で懸念されている…