2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

この10年で医療を受けられない米国人が激増

オバマ大統領が作った医療制度改革法 the Affordable Care Act(ACA)に対する 最高裁の判決と次の大統領選挙の行方が注視される中、 Health Affairs誌に発表された Urban Institute研究者らの大規模な調査によって、 2000年から2010年の10年間に メディケイ…

WA州の高齢者施設経営者からMA州住民への手紙「PAS合法化したら滑ります」

来年、自殺幇助合法化に向けた住民投票を実現しようとの キャンペーンが着々と進むマサチューセッツ州で、 それに抗う運動をしている団体のサイトに、 住民投票によって尊厳死法を作ったワシントン州に住む 高齢者施設の経営者がBoston Globe紙に投稿した書…

闇の腎臓売買、1時間に1個のペースで

WHOの試算によると 闇での腎臓売買は年間10000件にのぼり、 1時間に1個が売買されている計算に。 世界中で糖尿病、高血圧、心臓病が増加していることなどを背景に、 移植用腎臓の需要は常に供給数を上回っていることから 中国、インド、パキスタンへ行って腎…

2012年5月27日の補遺

重症児の母親が医療系サイトに5年前の“アシュリー療法”論争について記事を投稿して、自分自身はやらないが利益があるのだからやろうと決断する親は責めるべきではない、と。:いかにも今さらだし、いかにも唐突。 http://healthmad.com/children/child-steri…

オトナの女

先週、この4月からミュウを担当してくださっている作業療法士さんから連絡があった。 年頃の女性なので、個別OTの時間に 化粧水をつけたり、ハンドクリームを塗って手をマッサージしたり、というのを やってみたいがどうだろうか、 合う・合わないがあるもの…

「現代思想」6月号に、カトリーナ安楽死・死の自己決定権、無益な治療論について書きました

【5月28日追記】 「現代思想」6月号が手元に届き、 私の記事に一か所だけ校正ミスを発見したので、以下に訂正を。 191ページ 4行目の 「14年間も寝たきりでなければ」 ⇒ 「14年間も部屋で寝たきりでなければ」 その2行後の 「何故この母子に14年間も部屋で適…

2012年5月22日の補遺

南アフリカで自殺幇助合法化に向けて活動家が運動を始める。:誰かと思ったら、Sean Davisonと言えば、06年にNZ在住の母親の自殺を幇助したとして、NZで有罪判決を受け(といっても自宅謹慎程度だった)、この前、自宅謹慎がとけたばかりの科学者さん。帰国…

Ouellette 「生命倫理と障害」最終章:障害に配慮した生命倫理に向けて

最終第8章の内容の大まかのところは、 以下のエントリーにある通り。 Ouellette「生命倫理と障害」概要(2011/8/17) 「うわわわっ! 」というほど驚いたのは、 あんなに「女性器切除と同じくらいの慎重なセーフガードを」と 09年の論文では徹底的に批判してい…

Ouellette「生命倫理と障害」第7章: 人生の終わり

Alicia Ouellette“Bioethics and Disability”最終の2章を読んだ。 読み始めたのが去年の夏だから、ほぼ1年かけて読んだことになる。 ほとんど内容を覚えていないはずだわ。エントリーにしておいて、よかった。 (これまでのエントリーは、次のエントリーの末…

2012年5月17日の補遺

英国で画期的な障害児医療と教育と社会ケアの統合支援策。特別教育予算枠で親が地元自治体のサービスと専門家の支援とを選べるように。 http://www.guardian.co.uk/education/2012/may/15/parents-special-educational-needs-budgets?CMP=EMCNEWEML1355 日本…

WA州尊厳死法報告2011

WA州保健省からの報告で、 2011年に尊厳死法を利用して死んだ人は70人。 ちなみに最初の年09年は36人で、10年が51人。 着実に増加している。 103人が致死薬の処方を希望し、 80人の医師が書いた。 その処方薬で死んだ71人(1人増加したのは?)のほかに、 薬…

オーストラリアでアシュリー事件の賛否を問うアンケートが仕掛けられている?

オーストラリアで学生生活を送っておられる日本人の女性のブログに アシュリー事件に関するアンケートのお願いという記事が出ているのだけれど、 (お願い)“アシュリー事件”生命倫理に関するアンケート 南十字星の下で☆☆オーストラリア的生活☆☆ (2012年5月9…

ツイッターをやめました

「施設解体」がしきりに言われている頃だったと記憶している。 ある男性と話をしている時に、 「施設解体のみが善だ」といった話の流れに違和感を覚えたので、 「でも、個々の親にとっては、自分たち親子が暮らしている地域に 現に今すぐ自分たち親子が利用…

精神障害者のケアラーの9割に心身への影響(豪の調査)

オーストラリアでWesley Mission により 精神障害のある人をケアする1000人のケアラーを対象とした調査結果が報告されている。 それによると 自身の心身の健康に有害な影響を報告したケアラーはほとんど90%で、 家族や友人との関係に悪影響があったとする…

最近のツイートから、「重症重複障害」と「支援」について

最近のツイートから、「重症重複障害」と「支援」について ウチの娘のけいれんは、眠っている間しか出ないのと小発作なので一緒に寝ていないと気付けず、昔から見たことがあるのは親(特に母親)だけで。昔の主治医とは信頼関係が良かったので、丸ごと信じて…

最近のツイートから「虐待的な親」

最近のツイートから「虐待的な親」 ああ、これ、本当にそうですね。(虐待的な親とか社会は)「私に愛されるように行動しなさい」なんだわ。でも、子どもが誰にどう見えるかなんて意識にもないほど自分自身にとってオモロイことに熱中している姿とか、そうい…

今週のミュウ 6

園との連絡ノートより Y先生が来られて制作活動を行いました。 筆をしっかりと握って、 楽しそうに描いておられました。 特に、Y先生がミュウさんの方に近づいてこられると より一層、手を動かしておられましたよ。 「ステキな作品ね」と誉めてもらうと、 と…

2012年5月11日の補遺:自殺幇助以外

ダブリン市の「社会的包摂週間」 http://blog.templebar.ie/?p=5581 8月に英国ケンブリッジ・シャーで「ソーシャル・インクルージョン・カップ2012」開催。メンタル・ヘルスとホームレスの問題への包摂的アプローチが対象。 http://www.aboutmyarea.co.…

2012年5月11日の補遺:自殺幇助・尊厳死関連

アルゼンチンの上院が「尊厳死法案」を可決。安楽死は否定し、ターミナルと不治で不可逆な病気の人について事前指示書により手術、水分と栄養、蘇生、生命維持の拒否を認める。記事の一部に「ターミナルな人と永続的植物状態の人」との記述あり。反論も記載…

最近のツイートから「少数の個人の好みで富が再分配される慈善資本主義の世界」と「メディカル・コントロール」

1%に過剰に集中した富が、その1%個々人の好みや考え方に応じて恣意的にばらまかれるという形で分配されていく世界ができ上っている。公的機関は、そうしてばらまかれるカネに群がり、慈善資本主義の帝王たちの歓心を買い、彼らの望むマーケット創出に協力…

FBの臓器提供意志の掲載欄、1週間で6000人がドナー登録

米国と英国のFacebookが利用者に臓器提供意志の掲載を呼び掛け、 そのままドナー登録サイトへのリンクを設けたフォーマット変更を行ったことについては 以下のエントリーで紹介しました。 Facebookが臓器不足解消のため、英米の利用者に臓器提供の意思表示を…

スイスで「人生が嫌になった」高齢者の自殺幇助が増えている

スイス在住者を対象に自殺幇助を行っているExitからの報告で、 自殺幇助を選択しているフランス語話者の5人に1人、ドイツ語話者の3人に1人が 特に命にかかわる病気にかかっているわけではなく、 自殺希望の理由としては 健康問題のほかに「人生が嫌にな…

加藤太喜子「『医学的無益』はいかなる場面で有効な概念か」メモ

「生命倫理」VOL.21 NO.1 2011年9月に掲載の加藤太喜子さんの論文 「『医学的無益』はいかなる場面で有効な概念か」を、 とても興味深く読んだ。 シュナイダーマン、ヤングナー、ウィルソン、バーナット、ルビン、 トゥルオグ、バゲーリ、ブレット、ラン…

英国のケアラー実態調査:成人ケアラーの6割にメンタルヘルスの問題

英国のケアラー支援チャリティ the Carers Trustが ケアラー実態調査の結果を発表している。 なお、英国のケアラー支援の老舗、the Princess Royal Trust for Carers が 4月1日をもって Crossroads Careと合併し、the Cares Trust となった、とのこと。 こ…

ケアホーム入所者に無断でDNR指定、NHSトラストが家族に謝罪(英)

英国で一方的なDNR指定が問題化してきていることについては、 去年1年間だけでも、以下のエントリーで取り上げていますが ↓ 肺炎の脳性まひ男性に、家族に知らせずDNR指定(英)(2011/8/3) 「本人にも家族にも知らせず“蘇生無用”」はやめて一律のガイドライ…

「刑務所で認知症患者が増加、介護も囚人に(米国)/英国医師会か『「選択的人工呼吸』の提言」書きました

刑務所で認知症患者が増加、介護も囚人に(米国) 英語圏のニュースを拾い読みしていると、思いもよらない事態の出現に驚きつつも、「考えてみれば、こういうことが起こるのも必然だった」と深く納得させられることがある。そして「必然ならば、近く日本でも…

ベルギーで「知的障害者、子どもと認知症患者にも安楽死を求める権利を」

尊厳死が合法となっており、 すでに「安楽死後臓器提供」が行われているベルギーで The Belgian Liberal Humanist Association (HVV)という組織から 知的障害者、すべての子どもと認知症患者に安楽死を求める権利を認めよう、との声が上がっています。 HVV…

2012年5月2日の補遺

09年にFEN事件の舞台となり、その後FENが言論の自由訴訟を起こして勝訴し、メディアがまるでPAS合法化のように騒いだGA州でPASを違法とする法律が成立。:議会の対応は早かった。FEN事件については、こちらにリンク一覧。http://blogs.yahoo.co.jp/spitzib…

Facebookが臓器不足解消のため、英米の利用者に臓器提供の意思表示を呼び掛け

日経が早速に今日、記事にしたようですが、 フェースブックにドナー情報公開 い臓器移植を促進 まず英米で 昨日のNYTに、以下の記事があり、 SNSのFacebookが米国の利用者に臓器提供意志の表示を呼び掛ける、と。 Facebook Is Urging Members to Add Organ D…