2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

2011年5月31日の補遺

ドイツが22年までにすべての原発を閉鎖する、と。 http://www.washingtonpost.com/business/economy/germany-to-close-all-of-its-nuclear-plants-by-2022/2011/05/30/AG0op1EH_story.html?wpisrc=nl_cuzheads 日本の地震と津波が、予想以上に米国経済の回復…

2011年5月30日の補遺

「人体の不思議展」問題で京都府警が立件を見送り。:「生命倫理」通巻20号(2009)に、福島県立医科大学の末永恵子氏が「『人体の不思議展』の倫理的問題点について」という論文を書き、種々の倫理問題があるが現在の法律では取り締まりは「不可能に近い」…

2011年5月27日の補遺

これ、まだ読めていないけど、この2日間で一番気になるニュース。先進国でショック症状を起こした子どもへの一般的な治療として大量の水分点滴などFeastと呼ばれる療法が行われているが、アフリカでの治験で死者が続出し、治療に大きな疑問符がついた。:気…

ノルウェイの高齢者介護、スウェーデン、オランダに次いで第3位。

何度か補遺でも拾っているけど、 OECDから先日、介護に関する報告書が出された。 予想に反して「高齢者への介護の提供」度で第3位だったことを寿ぐ ノルウェイの英語ニュースがあり、短いものでもあり、興味もあるので、 一応メモとして、内容を以下に。 ノ…

23歳ラグビー選手のDignitas死で、GPの「守秘義務」が論争に

英国の23歳のラグビー選手が事故で首から下が麻痺した状態となって絶望し 両親に伴われてスイスのDignitasで自殺した08年9月のDaniel James事件は 自殺幇助合法化議論で「すべり坂」の典型例として言及されることの多い事件ですが、 そのDanielさんの主治医…

2011年5月25日の補遺

HBOのテレビ映画“How To Die In Oregon(オレゴン式死に方)”がカンヌ映画祭に。:HBOと言えば、Kevorkian医師の半生記映画 ”You Don’t Know Jack”を作ったところ。 http://news.yahoo.com/s/nm/20110524/film_nm/us_assistedsuicide Bill Gatesが金持ち国は…

TX州の「無益な治療」法改正法案、“死す”

2009年の法案提出は当ブログでも拾っており、もう今回で3回目だったとのことですが、 またもテキサス州の「無益な治療」法改正法案は実らなかったようです。 2008年11月段階での米国の「無益な治療」法の状況は 以下のエントリーでざっと眺めていますが、 …

2011年5月24日の補遺

昨日の補遺で拾ったOECDの介護費用に関する報告書について、あちこちの反応。上が英アルツハイマー病協会からのもの。 http://www.alzheimers.org.uk/site/scripts/news_article.php?newsID=972 http://www.citywire.co.uk/money/oecd-paying-for-care-of-el…

亡き夫の精子は妻の“財産”(豪)

生殖補助医療で子どもを産もうと計画していた オーストラリア、ニューサウスウェールズ州のEdwards夫婦。 2人はIVF治療を始めることを決め、契約書にサインすることに。 ところがその前日、職場での事故で夫は死んでしまう。 夫の死の数時間後には妻は 夫の…

2011年5月23日の補遺

FEN事件の逮捕者の1人Egbert医師が自宅でインタビューに応えて、これまでに300人の自殺を幇助した、と。それ自体は逮捕時にも出てきていた情報だけど、「我々には、いつどのような死に方をする権利があるとWe believe」「犬は安楽死させるのに、自分の母親が…

Thaddeus Mason Popeの「無益な治療」訴訟一覧

いつもブログを覗かせてもらっているThaddeus Mason Pope氏のHPに、 「無益な治療」訴訟の資料一覧がありました。 これ自体、たいへん貴重な資料なので、なにはともあれエントリーに。 http://www.thaddeuspope.com/futilitycases.html 一番詳しいのはBetanc…

ドナー家族をレシピエントと対面させて祝福セレモニー:NYドナー・ネットワーク

去年3月、脳動脈りゅうの破裂で脳死になった男性Julio Garciaさん(38)の臓器は、 妻の決断によって7人のレシピエントに移植された。 このほど、NY 臓器提供者ネットワークが、 Julioさんをたたえ、家族に感謝するセレモニーを行った。 そのビデオがNYTに ↓…

2011年5月20日の補遺

Kevorkian医師、腎臓病が悪化して病院へ運ばれ、そのまま入院。肺炎も。 http://www.lifenews.com/2011/05/19/assisted-suicide-crusader-jack-kevorkian-hospitalized/ http://www.freep.com/article/20110519/NEWS03/110519029/Kevorkian-hospitalized-kid…

「お子サマに最適なスポーツと最適な訓練方法を」と“DNA霊感商法”

遺伝子からお子サマに最適のスポーツを診断! 遺伝子に資質が組み込まれていないスポーツでお尻を叩いても、 それは親御サマにとってもお子サマにとっても不幸というもの。 お子サマの遺伝子に応じた種目、練習の方法が見極められるよう、 さらには、練習中…

2011年5月19日の補遺

ジュネーブの第64回世界保健総会でBill Gatesが「“ワクチンの10年”やろうぜい」とガンガン檄を飛ばしている。 http://www.pharmatimes.com/Article/11-05-19/Gates_calls_for_%E2%80%9Cdecade_of_vaccinations%E2%80%9D.aspx その保健総会でアフガニスタンの…

「寒い家」対策はエネルギー節減、温暖化改善、健康格差も改善……BMJに報告された調査

月刊「介護保険情報」誌3月号の連載で 「ヘルシー・ホームズ事業:英国リヴァプール」を書いた。 英国では「燃料貧困」「燃料プア」が社会問題化していて、 特に労働者が多いリヴァプール市がNHSトラストと手を組んで 健康で温かい住宅の実現を通じて健康格…

「生命維持停止に同意なんて医師の権威を損なう」Razouli裁判続報

うわぅ。 5月17日に以下のエントリーで紹介したRasouli訴訟ですが ↓ 「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所 なんと、病院側(医師2人)が上訴して、現在最高裁で審理されていました。 昨日、その上訴審で、医師側の主張が出てきたらし…

2011年5月18日の補遺

武田、ゲイツ財団医療支援分野トップを取締役に招へい(日経新聞 5月11日。一旦貼ったリンクがおかしくなったので、後で修正する予定):グラクソ経由。この人、たぶんこのエントリーの最後に触れているDr.Tanakaじゃないかと思う。そう言えば米国の国際…

小児科医療の「リスクvs利益」検討における「手術リスク」:Diekema医師の公式見解

Ashley事件におけるDiekemaらの正当化の中で私がずっと不思議だったことの一つに、 開腹手術のリスクが一切言われないことがありました。 これもまた偶然拾った“お宝”なのですが、 外科手術のリスクについて Diekema医師が法廷での証言で語っている資料を見…

2011年5月17日の補遺

夜の死体運び屋さんのブログに、コワい話が出てるんですけど。昨日、ある精神病院で亡くなった患者さんの「死後の解剖」に大学病院から医学生を呼び、遺族を待たせて延々と6時間。普通は1時間くらいで済むというんだけど。でね、最後に書いてあるのは「医…

「裁判所が医療に口を出すんじゃねぇ」「出すんだもんね~」と、08年のGolubchuk“無益な治療”裁判で

前のエントリーで読んだカナダのRasouli訴訟の判決文の中に、 08年に当ブログで追いかけたGolubchuk事件の審理に関する個所があり、 非常に面白い議論があったみたいなので、その部分を。 Golubchuk事件については以下のエントリーに ↓ 84歳患者巡る無益な…

「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所

【18日訂正】 今日朝まで、うっかり思い込んで「最高裁」としていましたが、 やっと気付いて、上位裁判所(高等裁判所?)と訂正しました。 カナダの移民男性に関する「無益な治療」訴訟 Rasouli v. Sunnybrook Health Science Centre における Ontario上位…

「OR州の尊厳死法は成功」と解説する「医学部学士編入コース」問題文の怪

今日の午後、スイスの住民投票の日本語ニュースを検索していた際に、 「妙なもの」というべきか「面白いもの」というべきか、 なにしろ「おや? おやおや、おや~ぁ?」と尻上がりに語尾が伸びそうな文書に 行き当たってしまいました。 インターネットってな…

チューリッヒの住民投票、“自殺ツーリズム”規制を否定

まだ暫定結果とのことですが、 今日の日曜日、スイスのチューリッヒ・カントン(州?)で行われた住民投票で 外国人への自殺幇助を禁止し、 一年以上、同カントンに居住している人に限る規制案は4分の3以上の反対で否決。 全面的な自殺幇助の禁止案は、さら…

2011年5月15日の補遺

スイス、チューリッヒ郡の「自殺ツーリズム」住民投票関連。 http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-13403074 http://www.bbc.co.uk/news/uk-13387444 http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5gp1sJkca80FkTaraH-8Ni30sNxhw?docId=CNG.4432ee…

1つの病院で141人に無用な心臓ステント、500人に入れた医師も

当ブログでもいくらか追いかけてきたように 米国上院のGrassley議員率いる調査はこれまでに 製薬会社と精神科医や研究者らとの恐るべき癒着ぶりを暴きだしてきましたが、 (詳細は文末にリンク) 今度は医療機器メーカーの怪しげなお金の動きをターゲットに…

「Dignitasで死んだ人の遺灰がどこでどうなっていようと別に」とDr. Death

英国のDr. Deathと呼ばれるDr. Irwinについては 以下のエントリーで追いかけてきましたが 英国で患者の自殺を幇助した医師が「証拠出すから逮捕に来い」と(2009/7/28) 英国で、自殺幇助容疑で元GP逮捕へ(2009/9/28) 自殺幇助ガイドライン後、初の起訴か(英…

「1つの流れにつながっていく 移植医療、死の自己決定と”無益な治療”」を書きました

一つの流れにつながっていく移植医療、死の自己決定と”無益な治療” 英語圏の医療に関するニュースを漠然とでも毎日眺めて何年か経つと、最初はバラバラに見えたニュースが、線や面に繋がったりクラスターを形作ったりして、全体から1つの大きな絵が浮かび上…

2011年5月13日の補遺

日本で子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)なるものが行われているそうな。ご存知でした? 狙いとか概要が分かりやすいのはこちらの中心仮説。 http://www.env.go.jp/chemi/ceh/about/index.html 介護保険制度、ついに軽度者の完全切り捨て…

またも“脳死”からの回復事例(豪)

オーストラリアで 脳卒中で「脳死」と診断された女性が2週間の意識不明状態から 車いすで病院内を動き回れるほどに回復を遂げている。 その2週間、夫はずっと医師らから呼吸器取り外しへの同意を求められたが 信仰心の篤いカトリックである夫は抵抗を続け…