2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2009年7月31日の補遺

Dignitasで揃って自殺した英国の著名指揮者夫妻の件で、スイスへ付き添っていった子どもたちに警察が事情を聞いているらしい。:昨日Debby Purdyさんの件で最高裁が法の明確化が必要との判断を下したけど、その明確化を行うのであれば、これまでDignitasで自…

被災地に”救助”ではなく“臓器狩り”に人が駆けつける“腎臓バザール”パキスタン

「介護保険情報」誌(社会保険研究所)に書かせてもらっている 「世界の介護と医療の情報を読む」という連載から 葬儀屋がホールの裏で遺体から組織を摘出してバイオ企業に流していた米国の事件を 昨日のエントリーで紹介しましたが、 ついでに、2007年1月号で…

Purdyさんの訴え認め、最高裁が自殺幇助で法の明確化を求める(英)

英国の裁判制度がよく分かっていないので 私は2月にDebby Purdyさんの件は片が付いたのだとばかり思っていたのですが、 2月は上訴裁判所の判断で、その後、最高裁に持ち込まれていたらしく、 昨日からメディアが、 まるで自殺幇助そのものが合法化されるか…

2009年7月30日の補遺:自殺幇助以外

ブリティッシュ・カウンシルが経費節減で行政職をインド人にアウトソーシング、批判が出ている。 http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article6731114.ece?&EMC-Bltn=HBJE4B 英国のColbyスチール工場が再開発された際に出た毒物による大気汚染が…

2009年7月30日の補遺(自殺幇助議論関連)

数日分、溜め込んでしまったので、 補遺を自殺幇助議論関連とそれ以外と2つに分けました。 ――――――――― Debby Purdyさんの裁判は2月にもうケリがついたのかと思っていたら、上訴していたのか、最高裁の最終判断が明日なんだそうな。どこのメディアも大騒ぎして…

バイオ企業と結託した葬儀屋が遺体から組織を採り放題

2006年、米国で大きなスキャンダルになった事件。 私が英語ニュースをチェックし始めたのは2006年6月のことでした。 USA Todayのこの記事に気づいたのは、その直後。まだ何も知らなかったので、 この奇妙なレントゲン写真は、一生、鮮明に記憶に残るほ…

脳死判定後に臓器摘出準備段階で意識を回復した米人男性のニュース(再掲)

大変な遅ればせで、自分でも、このトロさはどうにかならないかとは思うのですが、 7月の上旬に某MLで勧められていた小松美彦氏の「臓器移植法改定 A案の本質とは何か」(「世界」8月号)を 今頃になって、やっと読みました。 その中の 「08年の米国では…

米国小児科学会が「栄養と水分差し控え・停止は倫理的」:著者はDiekema医師

米国小児科学会の倫理委員会(新会長は、Ashley事件の、あのDiekema医師)が 一定の条件下で、栄養と水分の医療による供給の差し控え・停止は 倫理的に許容される、適切である、との声明として 前会長と現会長の共著論文を学会誌に発表。 Forgoing Medically…

自殺幇助問題で看護学会の転向受け、医療職に向け警告相次ぐ

英国看護学会が自殺幇助についての立場を反対から中立へとシフトしたことを受け、 医師や看護師・助産師の団体から、個々の医療職に向け警告の声が上がっています。 ①Do not discuss assisted suicide with patients doctors told The Telegraph, July 27, 2…

死亡患者の臓器を病院が無断で摘出・保存、その数2万(アイルランド)

病院で死んだ我が子の遺体から無断で臓器が摘出されていることに アイルランドの親たちが気づき、政府に調査を求めて行動を起こしたのは2000年。 このたび、患者の死後の処置に関する全国の病院への監査が終了し、 報告書がまとめられています。 まさに…

2009年7月27日の補遺

「我々は詳細な事実を知らないまま、自殺幇助の一線を曖昧にし、まるで夢遊病者のように一歩一歩野蛮な行いへと誘導されていく」「万人が漠然と持っている不安や恐怖が、法改正の動きを作るのに利用されている」と、Daily MailにMelanie Philipsのエッセイ。…

科学とテクノ・倫理委員会・法をぐるぐる考えてみる

Ashley事件から、医療と法の関係というのが、よく分からないままでいる。 分からないまま、このブログを通じて “科学とテクノによる簡単解決万歳”文化が世界中を席巻していく有様を眺めていたら、 医学を含めた科学とテクノと法の関係というのも気になってい…

英国で患者の自殺を幇助した医師が「証拠出すから逮捕にこい」と

7月19日のエントリーで 2007年に末期がんのパートナーに付き添ってスイスへ行き、 彼がDignitasで自殺するのを見ていたとして Alan Cutlkelvin Rees氏が逮捕されたニュースを取り上げましたが、 その続報が出ており、 この事件、妙な展開を見せてきま…

英国看護学会、スコットランドの自殺幇助法案提出議員と会談へ

これまで当ブログでもニュースを拾ってきましたが、 スコットランドではパーキンソン病を患っている Margo MacDonald 議員が 秋にも自殺幇助合法化法案を提出するべく準備を進めています。 2004年から自殺幇助には反対としてきたスタンスを中立に切り替…

生殖補助医療の“卵子不足”解消のため「ドナーに金銭支払いを」と英HFEA。

2005年に提供者の匿名制が廃止されたことと 金銭の支払いは上限250ポンドの必要経費のみと定めた2006年の厳格なルールとによって 2006年に卵子の提供を受けた不妊治療の件数は2004年の件数の30%もダウンし 生殖補助医療の危機を招いて…

2009年7月26日の補遺

英国看護学会が自殺幇助に中立へとシフトしたことに対して、キリスト教徒のナースの団体から批判。3ヶ月間の意見聴取に応じたのは会員のうちのごくわずかであり、必ずしもマジョリティが賛成したわけではないのに、中立に立場を変更することは弱者に対して…

NZのウツ病女性の自殺幇助で米女性を起訴か

2月にFENの違法な自殺幇助が問題になって以来、 そういえば、この人たちの話はどうなったんだろう……と時々頭に浮かんでいたのが、 去年、以下の2つのエントリーでとりあげたように “闇の安楽死”をビジネスにする米国人2人。 闇の安楽死つかさどる牧師 George…

英国看護学会が自殺幇助について反対から中立へスタンスを転換

5月にこちらのエントリーでお知らせしたように、 英国看護学会は、自殺幇助合法化について、かねて会員の意見募集を行っていましたが、 3ヶ月間にわたるコンサルテーションで1200人からの意見が集まり、 49%が自殺幇助に賛成、40%が反対だった、…

「英国人の74%が自殺幇助を支持」と、このタイミングで世論調査の作為

Times紙がPopulusを通じて行った世論調査で 7月17日から19日の間に18歳以上の1504人にランダムに 自殺幇助に関する聞き取り調査を行った。 ・ ターミナルな病状の人は医師によって幇助してもらって死なせてあげてほしいとする人が74%も。 ・ …

2009年7月24日の補遺

米国で消費される抗生剤の7割が家畜に用いられている。しかも長期に。その人間への害に、やっと目が向けられ始めたらしい。:このブログをはじめてから、スーパーで安売りの肉がアメリカ産だったら、そのきれいな肉の中にぶっこまれている大量の薬物のことを…

A事件が犯した最大の罪は障害者の間に線引きを行ったこと

今回の臓器移植改正法の成立は これまで障害児・者を巡って英語圏の医療で起こっていることを追いかけてきた私には 日本でもこれを境に、そちらに向かう「すべり坂」が始まるぞ、とのメッセージとして響きました。 それで、そういうことを、あれこれ考えてい…

Obama大統領、今日、国連障害者権利条約に署名

以下の The United States International Council on Disabilities(USICD) のリリースによると、 Obama大統領は大統領選挙での公約どおり、 24日にホワイトハウスで国連障害者権利条約(DRPD)に署名すると 月曜日に発表したとのこと。 大統領の署名後、上…

2009年7月23日の補遺

ついに出た。IHMEがかねて出すと言っていたグローバル・ヘルスの“成績表”。Financing Grobal Health 2009: Tracking Development Assistance for Health. これはゲイツ財団の資金でやられている研究なのだということを忘れないでおこう。 http://www.healthm…

ポニョ

連休最後の月曜日の夜。 夕食後に娘を園(重症心身障害児施設)に送っていった。 この時間はもう、みんな、それぞれベッドに入っている。 スタッフは順番におむつ交換をして回っていて大忙しの時間。 娘をベッドに寝かせ、オムツを替えていると 担当の福祉職…

「一筆ずつ描かれていく絵のように子は成長する」成長抑制批判

16日のエントリーで 障害当事者のBad CrippleことWilliam Peace氏による Diekema医師らの成長抑制論文批判のブログエントリーを紹介しましたが、 それを受けて、カナダの重症児のお母さんのブログに、 とても良いエッセイが書かれています。 Coming of Age a…

「いまや栄養と水分は無益な治療」とテリー・シャイボさんの弟

2005年に栄養と水分補給を断たれて餓死させられたTerry Schiavoさんの死後、 Terryさんの遺族は財団を作って医療現場での無益な治療停止の動きに抵抗していますが、 そのSchiavo財団の活動を中心になって担っている Terryさんの弟(兄かも)のBobby Schindle…

2009年7月21日の補遺

世界の人口のうち65歳以上の総数がついに初めて5歳以下の人口を上回った。 http://www.guardian.co.uk/world/2009/jul/20/census-population-ageing-global で、高齢化が最悪なのが日本で、65歳以上が総人口の22,5%。15歳以下の総人口比が最も小さくて13…

チューリッヒ市が自殺幇助に“規制強化”とはいうものの……

Dignitasに次いでスイスで2番目に大きな自殺幇助組織 Exit が チューリッヒ市当局と、一定の条件で合意したことは12日のエントリーで紹介しましたが、 チューリッヒ市では、こうした規制を秋にも法制化する予定。 かねて外国からの自殺ツーリズムの増加が問…

韓国、クローン麻薬探知犬をインチョン国際空港税関などに配置

韓国はインチョン国際空港ほか4箇所の税関に 優秀な麻薬探知犬である1匹のラブラドール・リトリーバーのクローン6匹を 麻薬探知パトロールさせるべく配置した。 2007年にクローニング技術によって7匹が誕生。 16ヶ月間の訓練の間に1匹がドロップアウトし…

認知症の介護心中までが自殺幇助合法化を求める声に繋がっていく

Oregon州でALSの妻を射殺して自殺幇助を主張した夫に 殺人罪が下されたことを前のエントリーで書いたばかりですが、 認知症の妻を殺して自分も自殺した夫のニュースでも 夫妻の娘さんから死の自己決定権を求める声が飛び出しています。 ――――― AtlantaのEdwar…