死亡患者の臓器を病院が無断で摘出・保存、その数2万(アイルランド)

病院で死んだ我が子の遺体から無断で臓器が摘出されていることに
アイルランドの親たちが気づき、政府に調査を求めて行動を起こしたのは2000年。

このたび、患者の死後の処置に関する全国の病院への監査が終了し、
報告書がまとめられています。
まさに驚愕の内容。

アイルランドの36の病院と5つの大学病院とで
遺族に無断で死亡患者から取り出された可能性のある臓器が保存されており、
その総数、約2万1500。

しかも、そのうちの2274件は2000年以降のもの。

2000年以降の臓器の半数は the Rotunda Hospital が保管しているもので、

特に産科における、同意方針の脆弱、リーフレットでの情報誘導、
臓器や組織に敬意を払って埋葬する指示の不備など、
同病院は報告書で激しく非難された。

同病院の病院長は謝罪し、
2008年の監査以降、2度とこういうことが起こらぬよう改善を進めてきた、と。

同病院の改善の努力は報告書も認めているが、
保健子ども大臣 Mary Harney氏は

「医療サービスに求められるスタンダードの中核には
患者の安全と医療の質の保証、そしてオープンなコミュニケーションという文化が
なければならないという私の信条を、この報告書には再確認させられます」などと語り、

そうした文化を医療サービス全般に涵養すべく、
患者の安全と質の確保コミッションにさらに対象を広げた報告を出させることや
新たな規制を秋にも政府に提言することを考えている、と。

‘Thousands of organs’ being kept
Yahoo! UK & Ireland News, July 23, 2009/07/29



ずっと前に、確か
ベトナム戦争で使用された枯葉剤の影響で奇形が生じた胎児・新生児だと思うのだけど、
ものすごい数のホルマリン漬けの遺体が保管されている部屋の写真を
どこかメジャーな新聞の記事で見たことを思い出したのですが、

どうもエントリーとしては書いてないらしくて、
またウェブでのざっとした検索でも、すぐには見つかりませんでした。

その代わりにヒットしたのが、こちらの去年2月のエルサレムでのニュース。
これも、相当な話です。


エルサレムの墓地入り口に捨てられたバケツの中で胎児の遺体が見つかった。

自分で生んだ母親によって捨てられたものと当初は考えられたが
病院に運んで解剖し、その過程で両親が判明してみると、
なんと11年も前に出産途上で亡くなった赤ん坊の遺体だと判明。

両親は、当時、病院に遺体の埋葬を依頼しており、

病院が両親に無断で11年間も遺体をホルマリンに漬けて保管し、
研究利用していたものと思われる。

病院側は疑惑を否定。
また墓地に遺体を捨てたのが誰かも、この時点では不明。

保健省が調査に入る、とのニュース。