2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Warnock, Finlay, Purdy他が自殺幇助で円卓討論

Guardian の日曜版 Observer誌が これまで自殺幇助合法化に関して積極的に発言してきた以下の5人を ラウンドテーブルに招いて討論を行っています。 Baroness Mary Warnock(哲学者) Baroness Ilora Finlay(緩和ケア専門の教授) Evan Harris(自由民主党議員…

Isaiah君の生命維持治療、当面続行

Michelle Crighton判事は 2月19日までIsaiah君の生命維持治療の続行を認めました。 その間に両親はIsaiah君を他の医師にみせて、 彼の今後についてセカンドオピニオンを聞く。 また弁護士らは事件の背景を調査することに。 Judge Rules Medical Care for Dis…

2010年1月29日の補遺

去年、米国Kansas州Whichitaで妊娠後期の中絶をやっていたTiller医師を銃で撃って殺したScott Roederが、裁判で子どもたちを守るためにやるべきことだと思ってやった、中絶を中止するために周到に準備してやった、と動機の正当性を主張。:殺人が裁かれるの…

Lantos医師「倫理委で何があったか誰にも分からない」

この度のAJOBのDiekema&Fost論文に「こんなの成長抑制じゃない、不妊手術だ」と 批判のコメンタリーを書いたJohn Lantos医師とのディベイトに Diekema医師ではなく、師匠のFost医師の方が出てきました。 (John Lantos医師は元シカゴ大学の小児科医・生命倫…

「私たちの自殺に愛する人が手を貸してくれるのは許されるべき?」と問いを立てる英国メディア

Should our loved ones be able to help us end our lives? 私たちの自殺に愛する人が手を貸してくれるのは許されるべきでしょうか。 ――こんな、あきれるほど不注意で大雑把な問いを立てているのはGuardian。 Guardian Daily: Assisted suicide and the law …

「Gilderdale事件はダブル・スタンダードの1例」とME患者

Gilderdale事件の実質無罪放免について報道が続いています。 インターネットに流れてくる情報を拾っていると、英国社会は 「美しい母の慈悲殺愛!」「自殺幇助合法化を!」という声で沸き返り、 まるで「よくぞ殺した!」とKay Gilderdaleを称賛するかのよう…

2010年1月28日の補遺

Google vs 中国のインターネット検閲問題でビル・ゲイツ氏がGoogleを批判。「その国で商売したいなら、その国の法律に従うのが筋」。ちゃんと読んでいませんが。 http://www.guardian.co.uk/technology/2010/jan/25/bill-gates-web-censorship-china 大統領…

イリノイ大学法学部ジャーナルで「成長抑制には裁判所の判断が必要」

Illionois大学法学部のジャーナルの1月号に Mary Kollという人が“Ashley療法”に関する研究ノートを書いており、 以下から全文が読めます。 Growth Interrupted: Nontherapeutic Growth Attenuation, Parental Medical Decision Making, and the Profoundly D…

英国の“慈悲殺”議論、カナダのIsaiah事件続報リンク

とても追い切れないし、まともに追っていると鬱になりそうなので とりあえず目に付いた続報や喧々諤々の中から いくつかを以下に拾っておくのみ。 【Inglis事件、Gilderdale事件、慈悲殺議論】 http://www.guardian.co.uk/uk/2010/jan/25/mercy-killing-kay-…

Bad CrippleさんがAshley父のアップデイトでエントリー

最初は重症児の母親であるClairさんが Ashley父のアップデイトを見つけて記事にしてくれました。 私はそれを読んで、日本語の記事を2つ、英語で1つ書きました。 英語のエントリーを書きながら、 きっと呼応してくれるだろうとひそかに期待していた、お馴染み…

2010年1月26日の補遺

先天性障害を回避するために3匹の生物学上の親を持つサルを作ったそうな。この技術が人間に応用されれば、どういう法的な問題が起きるのか、というNYTの社説。:ものすごく興味があって、読みたいのだけど、余裕がない……。 http://www.nytimes.com/2010/01/…

Gilderdale事件:こんな「無私で献身的な」母親は訴追すべきではなかった、と判事。

昨日のTimesの報道では、suspended sentence とだけで、 詳細が分からなかったのですが、 今日のTimesの記事によると、 Kay Gilderdaleの殺人未遂罪は陪審員の全員一致で取り下げられて、 自殺幇助罪によって執行猶予1年。 判事は殺人未遂罪を取り下げた陪審…

Gilderdale事件で母親に執行猶予

ったく、もう信じられない。 英国の尊厳死議論は、ゼッタイに、おかしい。 これまで3つのエントリー(文末にリンク)で追いかけてきたGilderdale事件で 自殺幇助と殺人未遂の罪に問われた母親に、執行猶予です。(年数は以下リンクには見つかりません) 私は…

Ashley父にメールで学会報告をした医師は Fost か Diekeman

Ashley父のブログ更新部分を読んで、 2008年の小児科学会の成長抑制パネルというのがとても気になったので、 ちょっと探してみたところ、 2008年5月3―6日にHawaiiの Honoluluで開かれた米国小児科学会のプログラムのうち、 5月4日分の資料がこちらにありまし…

個人的“Ashley事件”3周年

私がAshley事件について初めて知ったのは2007年1月5日のことだったので、 一昨年、去年と、1月5日には、日々のニュースを追いかける手をちょっと止めて、 “Ashley事件”や、その1年を振り返ってみる記事を書いてきました。 (文末にリンク) しかし2010年は …

“A療法”すでに12人の男女児に実施……とAshley父のブログ

Ashleyの父親のブログに1月13日付のアップデイトが出ており、 その中で、これまでにAshley療法を我が子に行った12人の親から 報告をうけたことを明らかにしています。 広報上の懸念から公開はしていないが、 そのうちの1つのケースでは病院の倫理委員会が承…

たっちゃんが死んだ

22日の深夜、うちのミュウと、カナダのIsaiah君とというエントリーで 1週間前に行われた“たっちゃんの成人を祝う会”のことを書いた。 その、たっちゃんが、昨夜、死んだ。 1週間前の“祝う会”の時には、ものすごく元気で、 ずっと満面の笑顔だった……と誰もが…

“自殺ツーリズム”防止の罰金制度、スイスで11月に住民投票

Dignitasなどにおける海外からの“自殺ツーリズム”への憂慮の声が高まっているスイスで、 右派の政治家らが罰金制度を提唱し、今年11月28日に住民投票が行われることに。 提案されているのは、 少なくとも1年間スイスに居住している人以外に対して自殺幇助を…

うちのミュウと、カナダのIsaiah君と

夕方、ミュウを施設に迎えにいってくれた父親が帰ってくるなり 「ミュウと、これはお母さんに話さないと……といいながら帰ってきた」といって 聞かせてくれた話――。 ミュウを車椅子に乗せて出口に向かっていると、 廊下で、ずっと昔から馴染みのスタッフAさん…

「自立生活できない身障者も可」スコットランド自殺幇助合法化法案

Wesley Smithのブログによると、 スコットランド議会に提出された自殺幇助合法化法案の対象者要件は 大まかにまとめると(逐語訳ではありません) 1. 最初の公式申請時に16歳以上であり 2. それまでにスコットランドの医療制度に18カ月以上継続して登録…

英国内科学会がDPPのガイドライン案を批判

英国内科学会が英国検察局(? the Crown Prosecution Service)に抗議文を送り、 去年9月に出された公訴局長(DPP)の自殺幇助の法解釈ガイドラインを厳しく批判。 現在の案のままでは、 患者はターミナルだったと主張し訴追を免れるための免罪符とするために…

Gilderdale事件から、自殺幇助議論の落とし穴について

以下の2つのエントリーでフォローしてきた事件。 Gilderdale事件:「慈悲殺」を「自殺幇助」希望の代理決定として正当化する論理(2008/4/18) 慢性疲労症候群の娘を看護師の母親がモルヒネで殺したGilderdale事件(2010/1/19) 続報が以下に。 オーバードースの…

2010年1月21日の補遺

スコットランドの自殺幇助合法化法案は、党議拘束なしの議員それぞれの信条による自由投票で。法案を提出したMcDonald議員はパーキンソン病患者。 http://icrenfrewshire.icnetwork.co.uk/tm_headline=msps-vote-on-assisted-suicide-bill&method=full&objec…

Inglis事件の母親に殺人罪で終身刑

事故で重症障害負った息子を「悲惨から解放してやるため」ヘロインで殺した英国の母親の裁判の続報。 昨日、殺人未遂(07年9月の事件)と殺人罪(11月の事件)で 終身刑(最低でも9年間)が言い渡されました。 上記リンクの記事にはなかった情報として、 ・…

カナダの無益な治療訴訟Isaiah君ケースでSobsey氏がコメント

昨日読んだ記事には出ていなかった病院の手紙の内容として 「残念ながら、主治医は、積極的な治療の中止が医学的にも理にかない、 倫理的にも責にかなって妥当なものだとの結論に至りました。 我々は息子さんの利益を最優先しなければならず、 人工呼吸器を…

カナダで障害新生児めぐり無益な治療訴訟

Isaiah James May君が生まれたのは去年の10月29日。 40時間にも及ぶ難産で、無酸素脳症となったため ヘリでStollery 子ども病院に運ばれ、 呼吸器をつけNICU入院となった。 1月13日、両親のもとにAlberta Health Services(AHS)から手紙が届く。 (カナダの医…

「ワクチン拒否の親には他児に害をなす”不法行為責任”を問え」とDiekema医師

ちょうど1年前のMichigan Law Reviewという法律関係のジャーナルの特集で、 親の個人的な信条による子どものワクチン免除についての議論が行われています。 その誌上シンポジウムの趣旨によると、 現在、米国では医療上の理由によるワクチン免除はすべての州…

2010年1月19日の補遺

乳がんの死亡率が下がったのは治療法の進歩のためであり、乳がん検診で発見率が上がったためではない、むしろマンモグラフで間違って陽性と出て不要な治療を受けさせられている人が多い、との調査結果。コペンハーゲンの Nordic Cochrane CentreがNHSの乳が…

59歳がIVFで妊娠希望、医師ら年齢制限には反対(英)

Sue Tollefsenさんは59歳で ロシアでの生殖補助医療によって2年前に女児を出産している。 今回はロンドンのクリニックでのIVFを希望。 クリニックでは 夫の同意書と、主治医の支持を表明した文書 カウンセラーとの綿密な相談と、詳細な健康チェックを条件に …

慢性疲労症候群の娘を看護師の母親がモルヒネで殺したGilderdale事件:続報

去年4月18日のエントリーで紹介した Gilderdale事件の続報。 慢性疲労症候群(ME、筋痛性脳症)で17年間寝たきりだった娘Lynnさん(31)を 献身的に介護してきた母親(看護師)の Bridget Kathleen Gilderdale(55)さんが モルヒネの過剰投与で殺した、という…