2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「ケアの絆」とShakespeareの「障害者にも“死の自己決定権”を」

以下、まだ全然、掘り下げられていなくて、 ただの思いつき程度の内容なのですが、 とりあえず自分自身のメモとして書いておきたいので。 マーサ・ファインマンが「ケアの絆」で力を入れて批判していた フェミニズムのジェンダー中立性重視というのは、たと…

2010年1月18日の補遺

Googleのサイトが中国で攻撃された件で、数日前にMicrosoftがInternet Exploreのぜい弱性が狙われたことを認めていたけれど、それを受けてドイツ政府がネット・ユーザーにIE以外のブラウザを使うように求めた。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/84635…

事故で重症障害負った息子を「悲惨から解放してやるため」ヘロインで殺した英国の母親

Thomas Inglisさん(22歳)は2007年7月に酒の上の喧嘩で怪我をし、 病院に運ばれる途中に救急車から飛び降りて(落ちて?)脳に損傷を負い、 生命維持装置と24時間の介護が必要な身となった。 脳圧を下げる手術の後で改善傾向も見られていたし 医師も回復する…

「自殺幇助は文化を変える、医療費削減とも結びつく」とVT州でW・Smith講演

自殺幇助合法化の動きとの闘いで第一線に立ち続けているWesley Smithが 16日、Vermont州Montpelieでのプロ・ライフ派の集会で講演。 集まったのは約400人。 「自殺幇助の議論とは、実際は文化の変容の話だ。 我々がお互いを人間として見る見方に大きく影響す…

2010年1月16日の補遺

Kevorkian医師の半生を描いた映画 “You Don’t Know Jack”この春に封切り。同医師を演じたアル・パチーノと共演のスーザン・サランドンらのインタビュー(会見?)。 http://latimesblogs.latimes.com/showtracker/2010/01/tca-press-tour-al-pacino-takes-on…

双極性障害で抗精神病薬を処方される2-5歳児が倍増

The Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatryに発表された 2000年から2007年のデータによる研究で、 米国で双極性障害と診断されて強い抗精神病薬を処方される2―5歳児の数が この10年で倍増していることが明らかに。 2007年の…

モンタナの自殺幇助問題 続報

モンタナ州最高裁の合法判決を受け、 自殺幇助合法化に反対運動を続けてきたthe Montana Family Foundation などは 議会による法的禁止を求めていく、と表明。 一方、FENの会長(?)Jerry Dincinは 今回の判決は米国人を「21世紀の最後の人権」に近付けたと…

Ouellette論文 4: Dr. Oの提言とspitzibaraの所感

こうした考察を経て、では、どういう規制が望ましいのか、について Dr. Oはだいたい、以下のような提言をしています。 障害者に健常者と同じ医療を保障するADA(米国障害者法)違反となるので これらの医療介入それ自体を法律で禁じることはできない。 そこ…

Ouellette論文 3:Aケース倫理委検討の検証と批判

前段で、Dr. Ouelletteは、 重症児への医療介入を家族のプライバシーだとする主張について 以下のような検討課題を挙げましたが、 1. Ashleyに行われた介入セットを州が法律で規制することは可能か。 2. Ashley事件の記録から、規制が必要だと考えられる…

Ouellette論文 2:親の決定権とその制限

Ouelletteが事件の概要をまとめた後で展開する、 親の決定権をめぐる現在の法律の考え方の整理はおおむね以下の通り。 子どもの医療に関する親の決定権は 合衆国憲法修正第14条のDue Process(しかるべきプロセス)条項で保護されており、 一部の例外を除き…

「倫理委の検討は欠陥」とOuellette論文 1

おととい、こちらのエントリーで触れた AJOBのDiekema&Fost論文については、 コメンタリーの募集で公開された掲載前のバージョン全文を読み、 当ブログでも6つのエントリーでいくつかの指摘をしています。 (文末にリンク。ただし指摘できるマヤカシは、この…

「収賄」を「税金の私的流用」と解説するZEROの不思議

日本のマスコミについては、日ごろから、 ある種類の海外ニュースについては報道しないなぁ……という不思議を感じていて、 たとえば、大晦日の米国モンタナ州の自殺幇助合法化なども、 現在、厚労省で終末期医療のあり方について懇談会が議論している最中でも…

2010年1月14日の補遺

これ、余裕があったら改めて読みたいのだけど、英国政府が「尊厳大使」にトークショーのホストMichael Parkinson氏を任命。尊厳ある介護への啓発活動の一環。 http://www.medicalnewstoday.com/articles/175749.php FDAが警告をつけることで高齢者への抗精神…

「成長抑制療法でAshleyの体重は抑制されていない」とSobsey氏

カナダ、アルベルタ大学のDick Sobsey氏がWhat Sorts ブログで 標題の通りの、たいそう面白い、そして極めて重大な指摘をしています。 06年のGunther&Diekema論文には乳房芽の切除が触れられていない点は 多くの人が指摘しているが、実はもう一つ、触れら…

NH州議会、自殺幇助合法化案を否決

Wesley Smithが個人的にゲットした情報で速報を流しています。 New Hampshire議会は 242 対 113 で 自殺幇助合法化法案を否決。 Smithは Washington、Montana、Oregonでも医療職の非協力で抵抗し、 一線を守り続けよう、闘いは続く……と。 New Hampshire Defe…

2010年1月13日の補遺

ニュージャージー州が、がん、ASL、MS、エイズなどの慢性病患者を対象に、モルヒネなどの鎮痛剤と同じ扱いで、マリファナの処方を合法化。 http://www.nytimes.com/2010/01/13/opinion/13wed3.html?th&emc=th 過激なゲームはオンライのポルノよりも子どもへ…

AJOB が Diekema&Fost 論文とコメンタリーを掲載

以前、複数のエントリー(文末にリンク)で取り上げたDiekema & Fost のAshley論文は、 掲載予定の the American Journal of Bioethics誌が かねて広く一般からもコメンタリーを募集していましたが、 いよいよ12日付の1月号に、当該論文とコメンタリーが掲載…

FEN事件で精神障害者の自殺を幇助したボランティア、有罪を認める

去年の一連のFEN自殺幇助事件で、 特に以下のエントリーで紹介した事件の続報がありました。 精神障害者の自殺幇助で新たにFEN関係者4人を逮捕(2009/5/17) 2007年に米国PhoenixでFENの関係者、ボランティア4人が 会員だった Jana Van Voorhisさんの自殺を幇…

2010年1月12日の補遺

英国の名門公立学校で高1に週一回40分のメディテーションを導入。ストレス軽減のすべを学ばせる英国の学校で初の試み。 http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/education/article6984113.ece?&EMC-Bltn=9ALF52F 前立腺がんの検査で8人に1人は…

「ケアの絆 -自律神話を超えて-」を読む

「ケアの絆 - 自立神話を超えて」 マーサ・A・ファインマン 岩波書店 2009 厚くて私にはかなり難解で、どこまで理解できたか不安もあるのだけど、 余裕がある限りエントリーにしておかないと読んだことすら忘れてしまうので、 とりあえず自分用のメモと…

2010年1月11日の補遺

日本語情報。日本政府の「障害」定義、医学モデルから社会モデルに変換。:“Ashley療法”もその典型だけれど、英米を中心に“科学とテクノの簡単解決”が医学モデルを一層強化していっているように感じて懸念していたので、日本でこういう動きが出てくるという…

合法判断出ても医師ら自殺幇助の手続きには慎重(MT州)

最高裁が医師による自殺幇助は合法と判断したモンタナ州の医師らは、 この判決を受けて、自殺幇助に即座に乗り出すのではなく、 むしろ、しかるべき手続きを決めるべく、今後の医療界での議論も、 また議会で法的枠組みを作ることも必要だ、とのスタンス。 …

Wesley Smithの「この10年の生命倫理トップ10ニュース」

1. Terry Schiavoさんの脱水死 2. Bush 大統領による胎性幹細胞研究への助成禁止政策と、関連の議論 3. 生殖補助医療の無軌道 4. Dignitasへの自殺ツーリズム 5. 成人幹細胞研究における成功 6. Washington州での自殺幇助合法化 7. Obamaケア…

2010年1月9日の補遺

ゲイツ財団の私設WHOといわれるワシントン大学のIHMEのDr. Murray(DALYの提唱者)らが報告書を取りまとめ、米国の医療は世界で37位、と。現在議会で議論されている改革案では不十分で、何が必要かというと、予防可能なリスク・ファクター、地域による健康…

2010年1月8日の補遺

インディアナ州で自殺幇助事件。逮捕されて保釈中なのは38歳の男性Robert Crowさん。台湾の事件以上に詳細が不明なのだけど、警察が通報で駆け付けたら銃で負傷した男性がいて、その人がその後、死亡。捜査の結果、この人が男性の自殺を幇助したとして逮捕…

「自殺幇助合法化法案はヨーロッパ人権条約違反」とスコットランドの反対ロビー

去年、自殺幇助合法化法案が議会に提出されていて 今月にも審議が行われるスコットランドで、 この法案は、 国は国民の生存権(? the right to life)を守らなければならないと謳っている ヨーロッパ人権条約に違反しており、 議員には審議することはできない…

Dignitasでの自殺者、去年は89人。合計1041人

去年1年間にDignitasで幇助を受けて自殺した人は89人。 1998年の創設以来の合計は1410人となった。 アイルランド人で、これまでに会員登録をした人は29人。 そのうち、実際に自殺した人は 03,04年に1人ずつ。05年に3人。09年に1人…

2010年1月7日の補遺

モンタナの自殺幇助合法化判決の原告(というのか?)Baxter氏の娘さんから、喜びの声。Baxter氏が訴訟を起こすまでのことや死の前の様子など。それ以上には読んでいないけど、えらく長い記事なので、たぶん他にもあれこれ。 http://abcnews.go.com/Health/d…

立命館大学の生存学サイトにAshley事件のページが新規登場

大晦日、立命館大学のグローバルCOE生存学創成拠点のサイト arsvi.com に 研究員の堀田義太郎さんのご苦労で、Ashley事件の文献ページが新規作成されました。 http://www.arsvi.com/d/i012006a.htm これで日本でもAshley事件について広く知ってもらえると思…

「ケアホームのコスト削減で安易な胃ろうが強要されている」と英内科学会から指摘

英国中のケアホームで、特に認知症が進行した人に対して ケアの手間・コストをはしょる目的で入所者に胃ろうが強要されていて、 中には入所の条件にしているホームも多いが、 必要でもない場合に施設側の都合で安易に作られている、と 英国内科学会のワーキ…