2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「裁判所の命令なしに成長制限しない」との約束はここにある

こちらがWPASの調査報告書から 病院が裁判所の命令なしに成長を制限する医療介入を行わないことを明記した箇所。 (「成長を抑制する医療介入」とは、 ホルモンによる身長抑制のみでなく 子宮摘出と乳房芽野切除も含む意) In order to ensure that a court …

子ども病院は「裁判所の命令なしに成長抑制しない」と合意していた

WPASのCalson弁護士が成長抑制のワーキング・グループに入っているのを見てから ずっと気になっていて、 シンポのレポートを読んでからも 頭に噛み付いていたことを、前のエントリーを機に確認してみたら やっぱりそうでした。 2007年5月にシアトル子ども病…

Bad Crippleさんが戻ってきた(成長抑制批判)

2007年初頭の“Ashley療法”ニュースブレイクと同時に 説得力のある批判の記事を書いた中途障害者の文化人類学者 Bad Cripple こと William Peaceさんが 小山さんのWhat Sorts of People のシンポ報告を読んで、 さっそくブログに記事を書いている。 Ashley Tr…

EUがヤセ薬を解禁、「誰の最善の利益?」

ヤセ薬に関連して、これまで NHS新たにヤセ薬を解禁(2008/7/9) 6月解禁のヤセ薬、精神障害起こすと早くも販売中止(英)(2008/10/25) のエントリーで取り上げてきたのは rimonabantという薬で、 こちらは orlistat (商品名 Alli)という別の薬の話な…

寿司を安全に食べられるのは週に何回まで?

Ashley事件の新展開で頭がいっぱいで、 関連して読みたいものも書きたいこともいっぱいあるのに時間も頭も追いついていなくて 仕事でやらなければならないこともあれこれ気にかかってはいるのだけど、 タイトルが目に付いて、つい読んでしまって、あんまり可…

親と障害学の対立の構図で議論から締め出されている他の存在も見えなくなっている

今回の成長抑制シンポのレジュメを読んでいると、 改めて不快感を覚えるのは、 病院とAshleyの父親が当初から 「愛情に満ちた重症児の親」 vs 「政治的プロパガンダに満ちた障害者運動」という 対立の構図を描き続け、維持することに意を用いてきたという…

成長抑制は結局は3点セットの"A療法"になる?

これは、What Sorts of Peopleの小山さんの記事に対するコメントで カナダAlberta大学のSobsey教授が指摘している点でもあるのですが、 今回の子ども病院のワーキング・グループは成長抑制のみにフォーカスしたもので、 ホルモン投与による成長抑制のみが行…

Ashley父がA療法プロモのため作った概念図

これもまた、今とても重要な情報だと思うので 以下は去年5月16日の「Ashley療法概念図」というエントリーの再掲です。 現在も父親のブログにありますが、細かい部分に修正が行われているかもしれません。 この人の性格からして、逐次練り直して、改定して…

Ashley父の”A療法”プロモ計画

今、とても重要な情報だと思うので、 以下は去年1月21日のエントリー「父親がやりたいのは実験?」の再掲です。 Ashleyの父親のブログから”Ashley療法”を世界に広めるための計画を このエントリーの後半にまとめています。 彼は現在もAshleyに行われたのと同…

病院内倫理委員会の”利益の衝突”も申告を義務付けるべき

米国では現在、 民主党のGlassley上院議員らが行っている調査の結果が報告されて 医薬品や医療機器の研究や開発を巡って、 著名研究者らが関連業界からの金銭授受を 規定のとおりに正しく申告していなかった問題が 大きくクローズアップされ、 特に児童精神…

成長抑制一般化でA事件はめでたく幕引き:でもAshley父は「世界中に広めよう」と

今回の成長抑制シンポの詳細を読んで 私の頭に真っ先に浮かんだのは、 ずっとずっと懸念していたことが、 とうとう、やっぱり、ついに現実になってしまった……という思い。 シアトル子ども病院は、多くの重症児の尊厳と引き換えに これでAshleyケースという非…

重症心身障害児・者にはアドボケイトがいない、ということ

“Ashley療法”論争からずっと考えていることの1つは いわゆる重症心身障害のある人たちには 本当の意味でのアドボケイトがいないんじゃないか、ということ。 私は日本の事情しか分からないし 日本の事情にしても、ロクにまともに勉強したわけではなく 狭い範…

成長抑制を巡って障害学や障害者運動の人たちに問うてみたいこと

23日の成長抑制シンポで 会場の発達障害のある子どもの母親数人から以下のような発言があったとのこと。 子どもが成長して身長が伸びると父親にも抱き上げることが出来なくなり、 散歩にすらつれて行ってやることが出来ない。 移民の女性は、成人した障害の…

小山さんWhat Sorts ブログで成長抑制に議論呼びかけ

昨日、自身のブログに23日の成長抑制シンポの報告をアップされた小山エミさんが Alberta大学のSobsey氏らがAshleyケースを批判しているWhat Sorts of People ブログに登場。 シアトル子ども病院のワーキング・グループが 成長抑制の対象となる可能性のある重…

小山エミさんの成長抑制シンポ報告

Ashley事件を当初から追いかけてくださっていて 去年5月のWUのシンポにも行かれたOregon州在住の小山エミさんが 今回のシンポにも行かれ、去年と同様に会場から鋭い指摘をされたようです。 詳細な報告をブログにアップされています。 英語で相当な長文で、…

8つ子が生まれて「みんな元気」とは言うけれど

米国カリフォルニア州の8つ子の誕生については 夕方、日本のニュースでもやっていて、 私が見た「スーパーニュース」では 「3人は人工呼吸器が必要」「でも、みんな元気」だと言っていたけれど、 (「人工呼吸器が必要だけど、元気」というのにイマイチ引…

「医療の無関心が助かる知的障害者を死なせている」報告受け調査へ(英)

NHSは知的障害者に適切な医療を提供しておらず、 英国の医療は知的障害者を差別しているとして、 2007年には知的障害者のアドボケイト団体Mencapが 障害があるために本来受けられるべき医療が受けられずに 落とさなくても済んだはずの命を落としてしまった知…

米国優生運動の真実を暴く映画 “War Against the Weak”

Santa Barbara 映画祭で土曜日24日と今日月曜日26日に上映された 新作ドキュメンタリー映画 “War Against the Weak”(弱者に対する戦争)。 2003年に出版されたEdwin Blackの同名の著書が映画化されたもので、 ナチスの優生思想に基づく障害者の不妊手術…

「生殖の慈悲」と「親の決定権」THニストバージョン

Anne Cowin という女性トランスヒューマニストが2006年に自分のブログで Peter Singerやトランスヒューマニストらの優生思想を批判する文章を書いています。 その要旨の前半はざっと以下のような感じ。 トランスヒューマニストの哲学の中には あらゆる可能性…

祈りで治そうと糖尿病の娘死なせた夫婦、裁判へ

Wisconsin州で去年3月に起きた事件。 若年性糖尿病のKara Neumanさん(11)が 歩くこともしゃべることも出来ないほど弱っていたにもかかわらず 病気を治すことができるのは信仰の力だけだと信じる両親は病院へ連れて行くことをせず、 見かねた叔母からがシェ…

認知症患者介護する家族、半数以上が「虐待ある」(英)

フォーマルな介護サービスで高齢者を虐待から守るための セーフガードを検討中の英国で、 LondonとEssexで在宅で認知症患者を介護している家族介護者220人に 聞き取り調査を行ったところ、 52,3%が何がしかの虐待行為があると回答。 ひどい虐待があると回答…

Gates財団、ポリオ撲滅にも2億5500万ドル。

国際ロータリーは長くポリオ撲滅に力を注いでいますが、 2013年までに撲滅すべく6億3000万ドルを見込んだ活動が計画されており、 そこにGates財団から2億5500万ドルが提供されるのだとか。 国際ロータリーは今後3年間に会員から1億ドルを集める予定であ…

早くも米国で胚性幹細胞による脊損治療実験にGO

記事はObama大統領の就任とは無関係だと書いているけれど、んなわきゃぁ、ない。 あ~、やっぱり堰は切れたよ……。 後は一気に洪水なのかなぁ……。 米国連邦政府は先週、バイオテクノロジー企業 Geronに ヒト胚性幹細胞を使った脊髄損傷治療の臨床実験の許可を…

Obama政権の障害者施策方針

ホワイトハウスからObama政権の障害者施策方針が発表されました。 原文はこちら 冒頭で国連の障害者人権条約への署名・批准が謳われています。 またメディケイドによる給付を施設入所に限らず、 地域生活の支援サービスでも利用可能とするCommunity Choice A…

英国「NHS憲章」で患者・医療サイドの権利と責任を明確化

英国医療改革のポピュリズムのエントリーで書いたように 英国では去年、NHSが創設から60周年になるのを機に High Quality Care for All: NHS Next Stage Review final reportによって 今後10年間の医療改革の方向性が示されました。 その際、同時に提示され…

TX州、親の虐待で瀕死の乳児に「無益な治療」論適用か?

Texas州は 患者にとって無益と判断した治療を拒否する権利を病院に認める「無益な治療」法がある 米国のいくつかの州のひとつ。 そのTexas州 Dallas で 両親から凄まじい虐待を受け続けた結果 重症の脳損傷、数十箇所の骨折、無数の傷を負った 生後6ヶ月のD…

Obama大統領の医療改革は功利主義?

Obama大統領が就任演説の中で 現在の米国が直面している多くの問題をあげつらっていった箇所に、 「医療が高すぎる」というのがありました。 そして、ずっと後の方で 「テクノロジーによって医療の質を引き上げ、コストを下げる」という発言も。 高すぎる医…

大統領就任式でCNNキャスターが失言

ウルフ・ブリッツァといえば 去年の大統領選挙の特番シリーズも指揮していたCNNの超大物アンカーで、 だからキャスター総動員の就任式当日の長時間生放送で、 いよいよ就任式が近づいてきた時に 中心になってしゃべっていたのも彼だったのだけれど、 そのブ…

WA州で「死の事務手続き」が始まろうとしている

Wesley SmithのブログSecondhand Smokeに 去年11月に住民投票で自殺幇助を合法化することが決まったWashington州での 合法化に向けた法的整備の準備について書かれており、 (実際の法整備検討書類へのリンクもあります) 自殺幇助を希望する患者から州の保…

ワクチン問題で自閉症アドボケイト団体幹部が辞任

ワクチンの安全性は更に調査する必要があるとの主張を巡り、 自閉症アドボケイト団体Autism Speakで 広報を担当してきた副会長のAlison Tepper Singerさんが辞任。 Autism Speakの代表として委員を務めていた保健省肝いりの自閉症関連委員会が ワクチンの安…