WA州で「死の事務手続き」が始まろうとしている

Wesley SmithのブログSecondhand Smokeに
去年11月に住民投票で自殺幇助を合法化することが決まったWashington州での
合法化に向けた法的整備の準備について書かれており、
(実際の法整備検討書類へのリンクもあります)

自殺幇助を希望する患者から州の保健局への提出が求められることになる
申請書の案が掲載されています。

自己責任を非常に明確にしたものです。
(……というよりも、自己責任が形式さえ整えばいいといわんばかり?)

それぞれの文言が適切かどうかは、あまり吟味していませんが、
ざっと訳してみたものを以下に。

人道的で尊厳のある方法で私の命を終わらせるための投薬要望書

私(ここにサイン)は精神の健全な成人です。

私は(ここに病名を記入)を患っており、主治医はこの病気が不治で不可逆的な終末期であると診断しています。このことは、コンサルタントの医師によっても医学的に確認されています。

私は自分の診断、予後、この申請によって処方される薬の性格とその薬に伴うリスク、期待される結果についても、また緩和ケア、ホスピスケア、傷みのコントロールも含め実現可能な選択肢についても十分な説明を受けました。

私は主治医が薬を処方し直接出してくれるか、処方したうえで出してくれるよう薬局に電話をかけてくれることを求めます。その薬は私が自分で飲み、人道的で尊厳のある方法で私の命を終わらせます。

(次の中から1つを選ぶ)
私は私の決断を家族に知らせ、家族の意見を考慮しました。
私は私の決断を家族には知らせないことに決めました。
私には私の決断を知らせるべき家族はありません。

この要望はいつでも取り下げることができることを私は理解しています。私はこの要望の意味するところを十分に理解しており、処方される薬を飲めば死ぬことも分かっています。たいていの場合、死は3時間以内に起こるものの、私の場合にはそれ以上にかかる可能性があることを理解しています。その可能性については主治医からカウンセリングを受けました。

私は自分の意思によってこの要望を行うものであり、ためらいはありません。また私の行いの道徳的責任は全面的に私にあります。

署名、住居している郡、日付


The Death Bureaucracy Begins in Washington State
Secondhand Smoke: Your 24/7 Seminar on Bioethics and the Importance of Being Human
January 16, 2009/01/20


標題の「死の事務手続き」とは
Smith氏のブログエントリーのタイトルをそのままもらったものですが
原語のbureaucracyには「官僚主義的な」というニュアンスがあります。

この申請書を読むと、まさにぴったりの表現なので
つい、そのままパクらせてもらいました。

ごめんなさい、Smithさん。



その他、米国Oregon州や、
スイスのDignitasクリニックでの自殺幇助などに関するエントリーは
尊厳死」の書庫に。