2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ミュウの”Nothing About Me Without Me”

本来なら、ミュウは昨日の朝から帰ってくる予定だったのだけれど、 おとといの晩に熱を出し、そればかりか喘息気味だとの診断で、 当面は外泊は見合わせ、とドクター・ストップがかかってしまった。 年末年始は、家でゆっくり過ごせる滅多にない機会なのに、…

2012年12月29日の補遺

米国精神科学会がこれまでの方針を転換し、「大切な人を失った喪の悲しみにも抗ウツ剤を使いましょう」。転換を誘導したパネリストらにはビッグ・ファーマとの金銭関係。:読みたいんだけど、長大な記事。 http://www.washingtonpost.com/business/economy/a…

選挙から元気をなくしている人にお勧めの映画『グレート・ディベーター』

私を含めて、 選挙からこちら、元気を出そうと頭ではあれこれ考えてみるものの、 どうにも気持ちが上向いてこない……という人が多いみたいですが、 そういう人にお薦めの映画を見つけました!! デンゼル・ワシントン監督・主演『グレート・ディベーター』。 …

ベルギーの安楽死10年のすべり坂: EIB報告書 2

5.法の執行状況のアセスメント 5.1: 委員会によるコントロールの不全 ・合法化の際には、秘密裏に行われている安楽死を明るみに出す必要があるとの主張が 推進派の主要議論だったが、法の遵守に関して委員会が十分に機能できないことは 委員会自身が報告…

ベルギーの安楽死10年のすべり坂: EIB報告書 1

ベルギーで安楽死が合法化されて今年5月28日で10年になるのを機に European Institute of Bioethicsから今年4月に出された ベルギーでのこの10年間の安楽死に関する報告書を読んでみました。 報告書の英語訳はこちら ↓ http://www.ieb-eib.org/en/pdf/201212…

ベルギーの2002年安楽死法の対象者要件

EIBの報告書(2012年4月)より抜粋 a) Patients who are conscious In the case of a patient in the final stages of his/her illness, euthanasia may take place if : • the patient is an adult or a minor who has been granted adult legal status and…

英国の自殺幇助関連 2012年のまとめ

例年なら1年間のまとめエントリーをせっせと作っている時期なのですが、 どうにも今年は気力が沸かず、サボっていたところ、 自殺幇助関連では英国を中心に、National Right to Life Newsがこの1年の動きを取りまとめてくれました。 CARE NOT KILLINGの立場…

84歳の男性が病院で餓死 (英国)

ずいぶん前から断片的に目にしていた 英国のNHS病院での高齢患者へのネグレクト問題。 英国の病院で高齢患者が食事介助をされず低栄養状態になっているとか、 自分の汚物にまみれたまま放置されているといった告発は 私が英語ニュースを読み始めた2006年から…

安藤泰至氏編著による『シリーズ生命倫理学 第4巻 終末期医療』刊行されました

去年、「『いのちの思想』を掘り起こす―生命倫理の再生に向けて」の書評を書かせていただいたのを機に、 今年1月、このブログにご訪問くださったことで御縁をいただいたのが 鳥取大学医学部の宗教学者にして生命倫理学者、安藤泰至先生。 その後、先生がお書…

古代の人たちが重症障害者を手厚くケアしたエビデンス

古代の人たちが重症障害者を手厚くケアしたエビデンスがある、という話は 高谷清先生の「はだかのいのち」で読んでいました。 これまで発掘された、そうした事例について 以下のNYTの記事から簡単に抜いてみます。 順番は発掘された順ではなく、 記事に紹介…

ベルギー社会主義党「未成年と認知症患者にも安楽死を」

同様の提言については、今年5月にも リベラル・ヒューマニスト・アソシエーションからの提言についてBioEdgeが書いていたけれど ↓ ベルギーで「知的障害者、子どもと認知症患者にも安楽死を求める権利を」(2012/5/5) 今回は社会主義党から 18歳以下の未成年…

2012年12月21日の補遺

フランスのオランド大統領は今年5月の大統領選の際の公約に自殺幇助合法化を謳っており、就任後に命じた報告書が出てきたのを受けて、来年6月に法案を提出する方向。ただ、記事によって例えばNYTも「医療的に幇助する自殺medically assisted suicide」という…

選挙の夜に

この前読んだ、姜尚中の「在日」の中にあった、 著者が市民運動の師と仰いだ、土門一雄牧師の言葉を――。 ……市民の運動はね、国家権力と対峙するとき、敗北するに決まっているんです。でもそれをただ敗北とだけ受け止める必要はないと思いますよ。負けて、負…

2012年12月15日の補遺

【明日の選挙関連】 CA州の判事が、レイプ被害者が性行為を望んでいなければ身体がシャットダウンして「レイプなど可能にならないはず」だから、暴行を受けている時に「抵抗しなかった」のだと発言したことで公的監督機関から叱責。:これと似たような論理で…

「生死の語り行い1」を読んだ

「生死の語り行い1 尊厳死法案・抵抗・生命倫理学 立岩真也・有馬斉著 生活書院 「尊厳死法制化を考える議員連盟」が2つの尊厳死法案を用意して 先の国会での成立を目指した動きを受けて、 立岩真也氏が、自身がこの問題について発言してきた内容と、 障害…

美しい文章 5: 姜尚中「在日」と「あくび」を巡る奇遇

「在日」 姜尚中(集英社文庫) 姜氏の文章についてのみ言えば、 冒頭の深い思いをこめて書かれている個所は魅力的だけれど、 定型句的な湿度の高い形容を伴って平板に書き進められていることも多く、 氏の文章そのものを特に「美しい」と感じるわけでもない…

裁判所、最少意識状態での「無益な治療」拒否を認めず:David James事件(英)

このニュース、 治療の差し控えが認められなかったという点よりも、 植物状態から最少意識状態まで「無益な治療」論の対象は拡大してきているのか、という点で戦慄……。 David Jamesさん(68)は5月に便秘で入院し、肺炎を起こして重症に。 Jamesさんはこれま…

2012年12月12日の補遺

たまには救いのあるニュースから…… 英国のバス会社が路線バスの約70%で、失業者が無料で乗れるようにする計画があるらしい。対象者80万人。:これ、いい話だと思うなぁ……。 http://www.guardian.co.uk/society/2012/dec/10/unemployed-free-bus-travel 路上…

「障害はないにこしたことはないか」について、つるたさんのコメントを機に

9月に上梓した『新版 海のいる風景』を読んでくださったtu*a*さんから、 今日、とても嬉しいコメントをいただきました。 その中で、p.146の「障害はあるよりも、ない方がいいに決まっている」という個所について 違和感を指摘されているので、それについてお…

オランダの2011年安楽死報告書

オランダの2011年の安楽死についての報告書が出ている。 Regional euthanasia review committees Annual report 2011 報告書そのものはなかなか読み切れないので、 これについてのBioEdgeの以下の記事から。 2011年の安楽死は3695件で 前年よりも18%の増。 …

ベルギーの安楽死に関する報告書:BioEdgeのまとめ

昨日の補遺と今朝のエントリーで取り上げたベルギーの安楽死の実態報告書に関する BioEdgeの記事を読んでみました。 Michael Cookによると、 この報告書の中心テーマは安楽死監視評価委員会がまともに機能していない、という点。 10年間に約5500件の安楽死が…

ベルギーの安楽死報告書「結論」の全文仮訳

昨日の補遺で拾った European Institute of Bioethics のベルギーの安楽死に関する報告書、 読みやすそうなので、その内にはと思うものの、すぐには読めないので、 報告書のニュアンスがわかりやすそうな結論部分のみ、とりあえず全訳してみました。 報告書…

2012年12月9日の補遺

ベルギーの安楽死合法化から10年。この10年の同国の安楽死の実態についてEuropean Institute of Bioethicsから報告書。 http://www.ieb-eib.org/fr/pdf/dossier-euthanasia-in-belgium-10-years.pdf BioEdgeのCookによると、上記報告書では法のセーフガ…

カナダの“無益な治療”訴訟で「Owen教授のアセスメントを」

カナダのバンクーバーで 米国のシャイボ事件と似たような構図の訴訟が起きているのだけれど、 抵抗している家族から 当ブログでも追いかけてきたAdrian Owen教授の被験者に、という希望が出て Owen教授側も受け入れそうな気配。 妻から栄養と水分の停止を求…

2012年12月7日の補遺

当ブログでも追いかけてきたOwen教授の研究成果で、カナダの「無益な治療」訴訟が面白いことになってきた。7年前の交通事故から植物状態のKenney NG(57)の経管栄養の停止を巡る訴訟で、親族がOwen博士のアセスメントを求めている。これは必ずやエントリーに…

米国の国連障害者権利条約批准、共和党が阻止

12月4日に行われた上院議会での 国連障害者権利条約の批准を巡る投票で、 反対 61 vs 賛成 38 。 共和党の前大統領候補で第二次世界大戦で負傷し車いす使用者であるBob Doleや、 ヴェトナム戦争で負傷したJohn McCain(共和党)なども批准を強く呼び…

「尊厳死」を考える3日間の旅 2

前のエントリーからの続きです。 ④ 早稲田大学文化構想学部現代人間論系教授 村松聡さんのお話 ・法的に問題がないということは必ずしも倫理的に問題がないということを意味しない。 ・ドイツではリビング・ウィル法を通すのに10年も議論が続いた。 尊厳死…

「尊厳死」を考える3日間の旅 1

3日ほど出掛けていました。 その間に日本における尊厳死法制化の問題を考える集まり2つを覗いて、 多くの方のお話を聞き、共に語り、また多くの方々と新たな出会いをいただきました。 深く考えさせられるお話が多かったので、 まだ頭の中はぐるぐるしてい…

「英米でも深刻化する子どもの貧困」ほか書きました

英米でも深刻化する子どもの貧困 子どもの貧困が深刻だ。 ガーディアン紙は自社サイトの教師ネットワークを通じて全英591人の教師に調査を行い、その結果を6月に報じた。それによると、「朝の登校時にお腹をすかせている生徒がいる」と回答した教師は83%に…

2012年12月2日の補遺

イスラエルで、医師が終末期の娘を殺して自殺する事件があり、自殺幇助合法化議論に。 http://www.israelnationalnews.com/News/Flash.aspx/256438#.ULs4ZWejit0 HCRに女性器切除にはそれなりのメリットがあるとする論文が掲載になったらしい。:男児の包皮…