2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

サプリでさんざん儲けた後で「やっぱりビタミンDの摂り過ぎはよくない」って

ここ数年、私がたまに目にしただけでも、 英語圏の“科学とテクノで簡単解決”文化は まず「ビタミンDで心臓病・脳卒中予防!」に始まって、 あれよあれよという間に「ビタミンDはほとんど万能!」騒ぎとなり、 「みんなビタミンDのサプリを飲もうぜい!」キャ…

英国上院に自殺幇助に関する検討委員会

【2012年10月22日 訂正】 当時の報道から、その辺りが曖昧だったために 上院の中に設けられた委員会だと思いこんでいましたが、 その後の報道から、この委員会は 合法化ロビー活動を熱心に行っている作家のPratchett氏が資金を提供し、 Falconer上院議員が委…

2010年11月29日の補遺

日本ケアラー連盟のブログができていた。 http://blogs.yahoo.co.jp/carer_jp スコットランドの自殺幇助合法化法案、水曜日の投票を前に提出者のMacDonald議員が最後のアピール。 http://news.scotsman.com/scotland/Last-minute-push-to-progress.6643394.j…

英国ケア・サービス大臣が今後の介護施策についてスピーチ

連立政権のケア・サービス大臣Paul Burstow氏が 介護者支援チャリティ Carers UKのカンファレンスで 連立政権の今後の介護施策のアウトラインについて講演。 全文が、自由民主党のHPに掲載されている。 Liberal Democrat Care Service Minister, Paul Bursto…

2010年11月26日の補遺

委員会の否決で不利になったスコットランドの自殺幇助合法化法案に、提出者のMacDonald議員は77%の国民が合法化を支持しているとの世論調査の結果を新たに発表。:もうすぐ投票。 http://news.stv.tv/scotland/211269-poll-shows-huge-public-support-for…

ミュウが号泣したワケ

この前、娘を園に迎えに行く途中、 事故で道路が渋滞して、いつもより20分も遅くなってしまった。 部屋に入ったら、 テレビの前で車いすに座っている娘は 鼻も目も真っ赤に泣き腫らしていた。 ミュウは金曜日には、どうかすると師長さんを大声で呼びつけて …

2010年11月25日の補遺

高齢者の認知障害アセスメントに16項目の新たなツール Sweet 16。:ダイヤモンドの指輪かと思ったよ。 http://www.medicalnewstoday.com/articles/208901.php ギリシア状態のアイルランド政府が財政立て直し案。大増税と福祉の大幅カット。:ネオリベ・グロ…

サンデル教授から「私の歎異抄」それからEva Kittayへ

前のエントリーで書きましたが、 サンデル教授の「これからの『正義』の話をしよう」を読みながら思い出されて、 本棚から引っ張り出したのが紀野一義著「私の歎異抄」。 (もう文庫しかないみたいですね。私のは93年の初版16刷ハードカバー。) 読み返すたび…

「これからの『正義』の話をしよう」メモ

だいぶ前から評判の、マイケル・サンデル教授の 「これからの『正義』の話をしよう - いまを生き延びるための哲学」を、やっと読んだ。 私は 何らかの体系的な学問とか知識があって、それを土台にAshley事件を考えているというのではなくて、 最初にA事件と…

2010年11月22日の補遺

Ashley事件の怪現象ふたたび。:まあね。HCRの成長抑制特集が出たばかりだしね。 http://www.drugrehabilitationspa.com/how-will-this-effect-her-coginitive-development 子どもの権利条約から21年。:アルベルタ大のSobsey氏は、”Ashley療法”はこの条約の…

欧州人権裁判所に「死の自己決定権」提訴(独)

2005年の2月にスイスのDignitasで幇助を受けて自殺したドイツ人女性の 夫であるUlrich Koch氏(67)が、ヨーロッパ人権裁判所に、 自殺幇助を違法としているドイツの法律は 個人のプライバシーと尊厳のある死の権利を侵していると訴えた。 Koch氏の妻は2002…

「成長抑制でパンドラの箱あいた」とEva Kittay氏

ClaireさんがHCRの成長抑制特集から 来日したばかりのEva Kittay氏の論文を取り上げている。 あまりコメントせず、引用中心のエントリーになっているのもありがたい。 The Best for Last No More Ashley X’s: Say NO to Growth Attenuation, November 20, 20…

重症障害児・者のコミュニケーションについて、整理すべきだと思うこと

このところ、Hastings Center Reportの成長抑制特集の論文について ずっと書いているClaire Royさんのブログが、その合間に、 テクノロジーの進歩によって重症障害者の意識が証明されたり、 これまで意思疎通不能だと思われていた人たちとコミュニケーション…

2010年11月20日の補遺

カリフォルニア州で、男児の包皮切除手術に反対する活動家intactivistsから、禁止法制化を求める動き。それに対して、現在方針転換を検討中の米国小児科学会の当該委員会を代表してA事件のDiekema医師が「かつて小児科学会は包皮切除は効果もリスクも不透明…

自立支援法一部「改正」法案に対する抗議行動

私は何もできないので、せめて転載を。 10.29全国大フォーラム実行委員会事務局長 太田修平 11月18日、衆議院本会議は自立支援法一部「改正」法案を審議なく可決しました。 私たちは断じてこれを許すことはできません。衆議院の暴挙に断固抗議します。 この…

2010年11月19日の補遺

昨日の、スコットランド議会の委員会の自殺幇助合法化法案に関する投票は、反対5vs賛成1だったとのこと。「法案の文言にミスリーディングな個所がある」といった指摘も。あちこちからリアクションが出ている。議会の投票は来週。 http://news.scotsman.com…

2010年11月18日の補遺

ずっと気になり続けているスコットランドの自殺幇助合法化法案、議会当該委員会から、合法化するに足りる議論にならなかった、との見方。BBCも委員会は支持しない見通し、と。廃案になるか――? ……その後拾ったstvの記事では、「委員会が議会に対して廃案を勧…

ダウン症らしいからと、依頼者夫婦が代理母に中絶を要求(カナダ)

たまたま昨日、「これからの『正義』の話をしよう」の 代理出産の契約は市場に馴染むか、という問題の下りを読んだばかりだった。 10月14日に標題の通りのニュースがあったらしい。 Abortion of surrogate fetus with DS sparks ethics debate Disability Ne…

Claireさんのブログ、今度は重症児の親の成長抑制批判論文

Claire Royさんが、Walker論文に続いて、 同じく重症児の母親の立場で成長抑制に反対するSwenson論文を取り上げている。 こちらはClaireさんも私も同じスタンスなので、 ちょっとお気楽に、論点のみを。 ① 冒頭、自分が重症児の親であり、 その介護が如何に…

2010年11月17日の補遺

豪・上院議会で労働党議員が「安楽死が合法化されると、貧困層が自殺幇助を強要されることになる」と。 http://news.smh.com.au/breaking-news-national/euthanasia-could-be-forced-on-patients-mp-20101117-17x10.html WHOとIHME他の共催で、明日、the Fir…

Claireさんの文章から、親と障害者運動について考えた

このエントリー、 前のHCRの重症児の親による成長抑制支持論文にClaireさんが見事な反撃の続きです。 私はもう長いこと、この人のブログを読んでいるけど、 Claireさんは、たぶんBill Peaceとの出会いあたりから、 ものすごい勢いで様々なものを吸収し、学ん…

HCRの重症児の親による成長抑制支持論文にClaireさんが見事な反撃

Bill Peace氏と並んでAshley事件・成長抑制一般化に反対し続けている重症児の母親Claire Royさんが、 Hastings Center Reportに掲載された重症児の親2人の論文のうち、 成長抑制をやりたいとの立場で書かれたSandy Walkerさんの文章を取り上げ、 その問題点…

2010年11月16日の補遺

自殺幇助合法化に向けた努力を公約に当選したVermont州の次期知事Peter Shumlin、どうやら本気。 http://www.onenewsnow.com/Culture/Default.aspx?id=1230492 チンパンジーの社会を50年間研究した学者さん。:この前シンガーらの「大型類人猿の権利宣言」を…

重症児の父親からの成長抑制批判と「親を指針とした医療職によるアセスメント」

多いときには1日に150回もけいれん発作を起こす重症児の息子Segevくんについて、 また重症児の意識や尊厳や、それから成長抑制療法について イスラエル在住のカナダ人で指圧と生体人間工学の専門家Erikさんが ブログで興味深いエントリーを書いている。 500.…

パレツキー「沈黙の時代に書くということ」

サラ・パレツキー「沈黙の時代に書くということ」を読んだ。 正直、期待はずれだった。 やっぱり小説家は小説で表現するのが仕事なんだなぁ……と 改めて痛感させられる散漫な容だったけど、 パレツキーさんにしてみれば、 小説では表現しきれないことを言わな…

2010年11月15日の補遺

11月12、13日に開催されたシカゴ大学での臨床医療倫理カンファで、Norman Fostが「新生児スクリーニングの未来」と題したプレゼン。グローバル・ヘルスが大きなテーマのカンファらしいことからしても、Fostが説く「未来」とは、Gates財団が力を入れるGAPPの…

自殺幇助合法化“すべり坂”のエビデンスを巡る議論

自殺幇助合法化の“すべり坂”のエビデンス云々という議論については 10月20日のエントリーでちょっと触れましたが、 2007年にJournal of Medical Ethicsに、オレゴンとオランダの実態調査を分析した結果、 “弱者”に特に悪影響が出るというエビデンスはない、…

2010年11月14日の補遺

Dr. Nitschkeの自殺幇助テレビCMの放送が、NZで承認されたそうな。:ったく……。 http://www.lifesitenews.com/ldn/2010/nov/10111205.html 第2次大戦後、米国はナチスの犯罪者をかくまっていたとの秘密文書? http://www.nytimes.com/2010/11/14/us/14nazis.…

「アシュリー事件から考える障害、医療、介護、人権そして『愛』」という文章を書きました

インパクションという雑誌の第176号に アシュリー事件から考える 障害、医療、介護、人権そして「愛」 というタイトルの、8ページの文章を書きました。 Ashley事件については、 07年の論争当時にリアルタイムで「介護保険情報」誌の連載で何度か取り上げまし…

2010年11月12日の補遺

豪のDr.DeathことDr. Nitschkeがカナダで自殺幇助のCMを流そうと企んでいるらしい。前にも企んで、あの時は阻止されていたけど。 http://www.ewtn.com/vnews/getstory.asp?number=108623 トルコでは医療サービスが不十分なために、法整備なしに消極的安楽死…