2009-01-01から1年間の記事一覧

2009年12月31日の補遺

人間のDNAを“編集”して病気を撲滅しようという科学者。 http://www.nytimes.com/2009/12/29/health/research/29zinc.html?_r=1&th&emc=th 英国のGPのオフィスに癌の早期発見ソフトを導入するそうな。リスクファクターによって、患者個々がどの癌にどのくらい…

この10年の米国の生命倫理の流れを Caplanがまとめ「ハイテクよりも足元の問題を」

2000年当時、生命倫理界隈の最大の関心事といえば クローニング、ES細胞研究、それからバイオ・テロリズムだった。 その後の10年で、いろんなことがあった。 シャイボ事件もあった。 製薬会社と研究者の癒着もあった。 ハリケーン・カトリーナでは危機状態で…

02年から07年にかけてゲイツ財団から子ども病院に2000万ドル

整理しなければ、と思いながら 数ヶ月間フリー・メールの受信トレイに置いたままになっていた Ashley事件関連のいただきもの情報があって、 このままトレイのメールが溜まると消えてしまう可能性に思い至ったので、 取り急ぎ、メモ的に、以下に。 といっても…

障害関連ジャーナルが障害者の視点から「自殺幇助特集」(米)

The American Association on Health and Disability のジャーナル Disability and Health Journal が 医師による自殺幇助問題特集を組み、 自殺幇助と障害について、法的な問題、OregonとWashingtonの実情を検証している。 編集に当たったのは USC医学部の …

2009年12月26日の補遺

The American Association on Health and Disability の Disability and Health Journal が医師による自殺幇助特集を組んでいる。Not Dead Yet など、合法化に反対する障害者アドボケイトや学者による論文6本。:MNTの記事も、まだろくに読んでいないけど、…

2009年を振り返る:科学とテクノ・生命倫理関連

2009年を振り返る:科学とテクノ・生命倫理関連 1月 乳がん遺伝子ゼロ保障つき赤ちゃん 英国 http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/48184084.html 6人の子どもがいる母親に生殖補助医療で8つ子を生ませた病院 http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/48…

2009年を振り返る:英国以外の国の自殺幇助議論

2009年を振り返る:英国以外の国の自殺幇助議論 (英国の自殺幇助議論については別途ちらのエントリーにまとめました) 2月 イタリアで安楽死事件 http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/49299206.html FEN自殺幇助事件 http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/…

2009年を振り返る:英国の自殺幇助合法化議論

今年も残り少なくなってきました。 追加しなければならないような大きな出来事がもう起こらないことを祈って、 英国の自殺幇助合法化議論の、この1年間の動きをまとめてみました。 (英国以外での自殺幇助関連の動きはこちらのエントリーにまとめました) --…

2009年12月25日の補遺

英国で結婚しない人が増えている。保守党、影の内閣の閣僚の1人がGuardianのインタビューで、米国と同じく、特に貧困層が結婚しなくなっている、政治的な手を打たなければ、このままでは結婚は裕福なエリートの特権になってしまう、と。既婚のカップルでは第…

ハワイ州で末期の妻を殺そうとした男性が自殺、自殺幇助かどうか分からなくても議論は勝手に加熱

ハワイ州の Robert Yagi さん(71歳)が 病院で、入院中でターミナルな状態の妻 Leatriceさんに向けて発砲し、 自分も死のうとしたものの失敗。 Leatriceさんは軽い怪我のみだった。 Yagi氏は、12月10日に第2級殺人の罪を言い渡された後、 保釈されたが、そ…

2009年12月24日の補遺

UCLAに故レーガン大統領の名前を冠した医療センターがある。そこでは、患者を救うために、とにかく手を尽くすという方針で医療を行っており、しばしば改革派からの非難の的となっている。そこで病院側としてもデータをとってみたところ、どういう患者の場合…

2009年のまとめ:巨大製薬会社・”科学とテクノの簡単解決”文化関連

前のエントリーをきっかけに、今年1年間に当ブログで拾った 薬・製薬会社・“科学とテクノの簡単解決”の利権戦略などに関連と思われる エントリーを改めて拾い出してみました。 今年は、どちらかというと自殺幇助合法化の動きにもっぱら注目していたつもりな…

コラムニストがビッグ・ファーマにお勧めする「2010年・新年の誓い」

当ブログの米国での製薬会社のスキャンダルについての関心は、 去年に比べると、今年はちょっと鈍くなっていたのですが、 この記事によると、米国の巨大ファーマの周辺では、 今年もいろいろあったようです。 Eli Lilly社が Zyprexa の不当なマーケティング…

2009年12月22日の補遺

2002年から2007年まで知的障害のある人を雇用しサポートするプログラムについて、コスト効率を研究したところ、納税者のお金をそういうことに費やしてもコスト効率がよいとの結果に。:こういう調査をしてエビデンスを出さないと、世論が納得しない空気にな…

Campbellさん率いる障害者団体連合が自殺幇助ガイドラインを批判

DPPの自殺幇助ガイドラインのコンサルテーション最終日となった17日、 The Royal Association for Disabled People The UK Disabled People’s Council The National center for Disabled Living ほか 5つの障害者団体が連合し、公訴局長のガイドラインに抗…

2009年12月21日の補遺

射水事件、不起訴。「延命治療とその中止に過ぎない」って……中止に過ぎない??? http://www2.knb.ne.jp/news/20091221_22432.htm 2人の癌患者さんそれぞれの遺伝子変異の完全なマップができた。2020年までには、すべての癌患者が自分の癌を分析してもらっ…

「医師の道徳的な義務とは自身に対して負うもの」と“Ashley療法”の線引きを突き崩すTan論文

11月号のMedical Ethics 誌に“Ashley療法”を論じた論文が掲載されています。 Agency, duties and the “Ashley Treatment” N. Tan, I. Brassington J Med Ethics 2009;35:658-661 リンクはアブストラクトのみですが、 この情報を教えてくださる方があり、ま…

新生児スクリーニングは「精神遅滞のような重大な問題や死」を防ぎ「これからの世代を助ける」ため

March of Dimes: A Parent's Guide to Newborn Screening March of Dimes によって作られた、 妊娠中の夫婦に向けた新生児スクリーニングの解説ビデオ。 それによると、生後2日以内に踵からの採血で行い、 疑いがある場合には、再検査を行うこととされてい…

新生児スクリーニング、去年から24の病気に(WA州)

Health Link: Genetic Kids Test シアトル子ども病院のサイトで確認したところ、 2008年7月26日の放送のようです。 去年7月まで、ワシントン州の新生児には 鎌状赤血球症や嚢胞性線維症など 10の遺伝性の疾患について遺伝子診断が行われていたが、…

「英国議員53%が自殺幇助を支持」のカラクリ

17日のエントリーで、 「英国下院議員の53%が自殺幇助合法化を支持」との調査報告を取り上げましたが、 そこでも書いたように、これ、な~んか、怪しげな調査だと思っていました。 そしたら、いかに怪しいかという話が、 やっぱり反対ロビーの方から出て…

「知的障害の遺伝子を特定、さぁ予防や治療の戦略を」と研究者

The American Journal of Human Genetics誌に発表された論文で、 別の病気や障害を伴う症候群型でない知的障害に関与する遺伝子を特定した、 この遺伝子TRAPPC9の変異が世界中の知的障害の50%の原因に関与している、と。 また、同誌上で他にも2本の論文…

ドナーカード保持者に臓器移植の優先権(イスラエル)

Lancet誌に発表された Sheba 医療センターの Jacob Lavee教授の論文によると、 http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(09)61795-5/fulltext http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(09)61520-8/fulltext…

立岩真也氏の「死の代わりに失われるもの」から、改めて「分かっている」の証明不能は「分からない」の証明ではないことについて

こちらのエントリーでお知らせしたように 明日18日、東京で日本宗教連盟の第4回宗教と生命倫理シンポがあります。 コーディネーターが東大の島薗進氏。 パネリストが立命館の立岩真也氏、日本尊厳死協会理事長の井形昭弘氏ほか、と もうゾクゾクするような顔…

「英下院議員の53%が自殺幇助合法化を支持」と、死の自己決定権ロビーが実施した調査

いろんな意味で、イヤ~なニュースだなぁ、これ……。 このたび、100人以上いる英国下院の議員さんたちから サンプルを抽出してインタビュー形式でアンケートをとったところ、 半数以上の53%が医師による自殺幇助の合法化に賛成だった。 この問題で議員さん…

2009年12月16日の補遺

英国議会に在宅個別ケア法案が提出されている。670万ポンドの予算で、40万人の在宅ケアを賄う、というもの。 http://www.medicalnewstoday.com/articles/174118.php 英国の、1日につき上限75ポンドの介護者手当ては、果たして妥当なのか、という議論。 htt…

「脳が不変だから子どもも不変」の思い込みで貫かれている……A療法の論理に関する重大な指摘

ここしばらく、とても熱っぽい“Ashley療法”批判を展開してくれるブログがある。 ブログ主はカナダの重症児の母親 Clairさん。 最近、Ashleyの父親のブログを最初からもう一度じっくり読み直してみたという 14日のポストが面白い。 Working Through Issues on…

発がんリスクが半減する薬だっていうのに、なんで飲まないの?

ねぇ。もしも……よ。もしも、誰かが、 癌になるリスクを半分に落とす薬を発明してくれたとしたら あなた、飲む? もちろん飲むわよね。 飲まない人なんて、いないわ。そうでしょ? その薬、実は、もうずっと前に出来ているのよ。 乳がんリスクを半分にする ta…

ゲイツ財団が「この国の官僚は役立たずだから」と中国で“エイズ検査でゼニあげるよ”キャンペーン

Gates財団が中国で始めたエイズ対策キャンペーンに批判が起きている。 感染率そのものは低いものの なかなか対策が進んでこなかった中国では去年から感染者が急増している。 官僚組織が機能しない中国でエイズの蔓延を食い止めようと Gates財団が中国の保健…

Ashley事件 年表

Ashley事件 年表 2007年末に作った年表に、何度か手を加えることを繰り返してきましたが、 改めてIHME関連やKatieケースの結末、2009年の出来事を加えて、年表を新しくしました。 2004年 初頭? 両親がGunther医師の元を訪れる。 2月 シアトル子ども病院、土…

2009年12月14日の補遺

米国上院で審議になっている医療保険制度に、介護保険を含めるかどうかが次の問題。故ケネディ議員や議員時代のObama大統領が作った案の通りに保険給付を保険料だけで賄えるのかどうかがポイント。 http://www.nytimes.com/2009/12/14/health/policy/14care.…