「知的障害の遺伝子を特定、さぁ予防や治療の戦略を」と研究者

The American Journal of Human Genetics誌に発表された論文で、

別の病気や障害を伴う症候群型でない知的障害に関与する遺伝子を特定した、
この遺伝子TRAPPC9の変異が世界中の知的障害の50%の原因に関与している、と。

また、同誌上で他にも2本の論文が、それぞれに
この結果を裏付ける報告をしているらしい。

私はこの先を読んで、ものすごく心がざわめくのだけど、
それをどのようにして突き止めたかというと、

知的障害者が多い家系というものがある、遺伝が関係している、
特にいとこ同士で結婚する文化でそういう家系が多いという前提から
そのような遺伝子の特定には、一つの家系の遺伝子マップを作ることが不可欠と考え、

パキスタンの、少なくとも7人の非症候群型の知的障害者がいる一族の遺伝子を調べ、
さらにイランの一族でも同様の調査で確認した、という。

The Center for Addiction and Mental Health(CAMH)のDr. John B. Vincentは、
遺伝学によって、これまで分からないことの多かった遺伝タイプの知的障害に
関心が向けられるようになりつつある、

知的障害の治療の戦略の可能性を探るべく今後もチームの研究を続けて、
知的障害を理解し、診断し、予防し、治療するための、さらなる手がかりを
科学者たちに提供していきたい、と。



かつての優生学も、たしか、
カリカック家とかジューク家とかの家系研究から始まったんだった……。

そして、米国の知的障害者に対する断種(強制的不妊手術)は、

Three generations of imbeciles are enough.
「3世代も痴愚が続けば、十分」

一度聞いたら二度と忘れられない、こんな言葉で
合衆国連邦最高裁判所によって承認されたんだった……。


【19日追記】
その後、What sortsのほうで私の読み間違いを指摘されたので、ちょっと記事を訂正しました。

また世界中の知的障害の50%という点は、
もともと非症候群タイプの知的障害の割合が50%だとのこと。

CAMHは調査したわけではなくて、コメントしただけだったようでもあり、
一方、Vincent医師は別の病気に関してパキスタンの一族を調査しているようでもあり、
どうも、いくつもの研究や論文に関する情報が錯綜しているようなので、
このMNTの記事だけでは、なんともいえない部分があるかもしれません。