2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

自殺幇助容疑の1分とかからぬ裁判手続きに70人が傍聴席で支援をアピール(CA州)

2月のエントリー兄の自殺幇助でCA州の女性を起訴の続報。 脳卒中で車椅子生活になった兄の希望を入れて 12月にヘリウムでの自殺を手伝ったとして 妹の June Hartleyさん(42)が逮捕・起訴された事件で、 本人が裁判所に出廷したところ、 手続きそのも…

「40過ぎたらガン予防で毎日アスピリンを飲みましょう」って

Lancet Oncologyに掲載された英国the Cancer Research UKの研究。 アスピリンを飲んでいる人は大腸がん、乳がん、その他のガンになりにくいという調査結果は これまでにも出ていたけれど、 毎日アスピリンを飲むと消化器からの出血などの副作用があり、 がん…

2009年4月29日の補遺

ウィスコンシンの囚人による同房者自殺幇助事件の続報。公判。 http://www.wiscnews.com/bdc/news/448906 http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/04/29/AR2009042900579.html ヨーロッパの脳性まひ児、社会参加支援の施策が不十分。 ht…

アイルランドでも自殺幇助合法化を求める声、懸念する声

アイルランドの自殺学会の調査によると、 質問された人の48%が 不治の病に冒された人には尊厳のある方法で自殺することが認められるべきだと答えた。 フィナ・ゲール党の精神衛生スポークスマン Dan Neville氏は 安楽死や自殺幇助に対する国際的なリベラ…

妊娠中の薬物濫用の影響受けた新生児が40倍にも急増(豪)

オーストラリアの研究で、 重篤な退薬症状を示す新生児(妊娠中に母体を通じて薬物依存になっていた新生児)の数が 1980年の40倍にも達している、と。 毎年16,4%増加している計算になる。 Pediatrics誌の最近刊に掲載の論文で。 要因としては、総じて薬物…

国民データベース諦めて、代わりに「ネットと電話利用履歴みんな残せ」と英国政府

当ブログで追いかけてきたように 英国政府は、国民のDNAと通信情報を巨大データベースに集約する計画を進めていましたが、 欧州人権裁判所から人権侵害との判断を受け、断念。 その代わり、テロリストや異常者のトラッキングに必要だとして、 国民のインター…

2009年4月27日の補遺

(補遺に集めている記事は、ちゃんと読み込んだものではなく、 せいぜい斜め読みしたり、リード部分に目を通した程度のものです) スコットランドの自殺幇助合法化法案に支持議員がそろった件で、Scotsmanに寄せられた読者からの賛否。ここでは賛7に対して…

認知症が進んだ人の胃ろう、利益と害の検証が不十分

認知症が進行した人への胃ろうは 果たして利益と害のいずれが大きいのか、 この問題について書かれた医学論文を広範に検証した Cochrane レビューによると、 「認知症の進行した患者への経管栄養の 延命効果についてもQOLの改善効果についても 研究エビデン…

食事介助の時間短縮策としてのみ語られる胃ろう(Wilfond論文)4

シアトル子ども病院のBenjamin Wilfond医師は Hastings Center Report, 1―2月号に発表した論文で 医療上の必要やメリットが明らかでない重症児への手術を 親が社会心理的な理由で、または自分たちへのメリットのために望んだ場合には 親の選択権を尊重して親…

シアトル子ども病院が創作したオレオレ詐欺的物語

シアトル子ども病院が今年1月に行った成長抑制シンポジウムのWebcastから まず冒頭のWilfond医師の概要説明のプレゼンを聞いてみた。 これは詐欺師の話と同じだなぁ……と思う。 Ashleyケースについては当院では当初から public engagementを旨としてきました…

2009年4月26日の補遺

SPEEDY ベビー。通常よりも運動機能の発達が速い乳児で、言語が不明瞭になる原因不明の障害が増えている。後から運動機能の障害が出てくるが、多くの場合言語の障害と関連付けられていない。新しいタイプの発達障害? http://www.medicalnewstoday.com:80/ar…

植物状態の患者への栄養と水分供給停止を禁じる法案、上院を通過(伊)

今年2月のエントリー 伊の安楽死問題、首相に大統領に議会にバチカン巻き込み大騒動に 伊で安楽死の女性、死因は心臓発作 で取り上げた Eluana Englaroさんのケースを巡る議論を受けて、 3月末にイタリアの上院議会では 医療職に対して、植物状態の患者への…

スコットランド議会に自殺幇助合法化案、提出へ

22日のエントリー、スコットランドの自殺幇助合法化案に倫理団体が批判の続報。 Margo McDonald議員の End of Life Choices Bill(死の選択法案?)に 18人の議員の賛同が得られ、 今年のうちに議会の医療委員会に提出すべく McDonald議員は議会職員と法案の…

WA州の尊厳死法で2人に致死薬を処方

州の保健局のスポークスマンによると、 自殺を考えているという人2人に処方箋通りに薬が手渡されたことを 薬局からの報告で把握しているが、 今のところ3月に施行された尊厳死法で自殺した人についての報告はない。 その他に、1人から本人の自殺幇助申請書…

2009年4月24日の補遺

Biedermanスキャンダル関連。このスキャンダルは今や医師と製薬会社癒着の象徴という観。もう大筋見えた感じになってしまって、ちゃんと読む気力が沸かない。 http://www.health24.com/medical/MedsYou/777-786-787,50555.asp Annie Farlow事件。病気で障害…

FENの自殺幇助ガイド養成マニュアル

違法な自殺幇助で幹部4人が逮捕されたthe Final Exit Networkが Exit Guide 養成のために使用していた マニュアルの内容がAPによって明らかに。 長文のマニュアルはガイドたちに 誰かが苦しみから逃れるのを共感と思いやりを持って手伝う“スペシャルな人間…

5月1日は「障害者差別反対ブログを書く日」(英語)

2006年に始まった試みのようですが、 世界中のブロガーがみんなで障害者差別に反対するブログ記事を書く日というのがあって、 今年は5月1日金曜日だそうです。 誰でも参加できます。 Blogging Against Disablism Day will be on 1st May, 2009 Diary of a Go…

2009年4月23日の補遺

インテリジェント住居とロボットの活用で高齢者と障害者の自立生活を支える、という話。いずれ、ちゃんと読み込みたい記事の1。ちょっと長い。 http://www.medicalnewstoday.com/articles/146360.php 高齢者の転倒防止でセンサー・ネットワークを開発。施設…

「臓器提供に家族の同意得るためには医師はコーディネーター伴って」

亡くなったばかりの患者さんの家族に、 死を告げるのと同時に臓器提供を打診するのは 同意をもらえる確率を下げるのでやめましょう。 死の告知と臓器提供への意思確認は 時間をズラせて。 それから 医師はおおむね対人スキルが乏しく微妙なコミュニケーショ…

子どもたちに経済不況の影響、深刻(米国)

1987年にNew York市に幼い子どもをつれたホームレスがあふれた時に、 サイモンとガーファンクルのPaul Simonさんが 資金を集めてホームレスの子どもたちに無料で医療を届けられるように 医療設備のついた車を購入し、子どもの健康基金(Children’s Health Fun…

米国CA州でも虐待児童保護の不備をLA Timesが指摘

英国では去年全国に衝撃を与えたBaby P 事件以来 各地方自治体の児童福祉システムの機能状況が再点検され、 具体的な指摘を受け改善を勧告される自治体が相次いで 大きな社会問題となっていますが、 どうやら米国でも同じ問題が浮き上がってきているようです…

4月22日の補遺

ドイツ人のいかにも貧しいカップルがイタリアに旅行して、ピザ屋に3人の子どもを捨て子。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/8011941.stm 去年、英国で乳がんで死亡する女性が12000人を割る。統計取り始めてから初。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/healt…

鎮痛剤の過剰処方で高齢入院患者が5人死亡、でも誰も罪に問われない不思議

90年代、英国 Hampshire の the Gosport War Memorial Hospitalで 92人もの患者が不可解な死を遂げて事件に。 警察の捜査が入ったが いまのところ、そのいずれも起訴には至っていない。 しかし、その92人のうち1996年から1999年の間に亡くなった10人について…

スコットランドの自殺幇助合法化法案に倫理団体から批判

スコットランドで無所属のMargo MacDonald議員が 今年のうちに尊厳死法案End Of Life Choices (Scotland) Billを議会に提出すべく 現在、準備中。(提出には18人の議員の賛同が必要) それに対して、the Scottish Council on Human Bioethics が 法案は「危…

「癌は遺伝子で決まる」なんて“神話”……と専門家

ちょっと常識的な人なら、 こんなこと、なにも専門家がデータを出してくれずとも 分かっていたこと……とは思うのだけれど、 癌になるかどうかは遺伝子だけで決まるわけではなく、 がん患者の中で親から受け継いだ病気の遺伝子のために癌にかかったという人は…

4月21日の補遺

時間があったらじっくりと読みたいし、 エネルギーがあったらエントリーにまとめたいと思いつつ、 なかなか果たせないので、メモ的に。 NY Cityの自閉症児教育費の問題 http://www.nytimes.com/2009/04/19/education/19autism.html?_r=4&ref=education 英国…

臓器移植めぐって世界で起こっていること

夕方のニュースで日本の脳死・臓器移植法改正の問題が取り上げられていたのを機に、 当ブログ開設からの2年間に取り上げた臓器移植関連の海外ニュースをまとめてみました。 日本ではあまり報道されることはありませんが、 世界では(といっても読んでいるの…

5歳にして既に重症の摂食障害(豪)

このたびThe Medical Journal of Australia に発表された研究で 摂食障害初期の5歳から13歳までの子ども101人を調査したところ、 78%が入院治療。 60%は命に関わる栄養不良状態だった。 また4人に1人は男児だった。 Severe eating disorders i…

「英国看護師の3分の2が自殺幇助合法化に賛成」とはいうけれど

英国の看護学会(the Royal College of Nursing)が 108人のプライマリーケアの看護師を対象に行った調査で 64%がターミナルな状態の患者が死を望んだ場合、 その患者に慢性的な痛みがあれば臨床家は自殺幇助を認められるべきだ、と答えた。 しかし、…

「てんかん手術はコスト効率よいから途上国で広めましょう」とLancetに

先月、「乳幼児にてんかん手術は安全かつ有効」という論文が出てきた時も なんだかイヤ~な話だなぁ……と思ったけど、 さらにイヤ~な匂いのする話が出てきた。 Lancet Neurology誌の5月号に発表された論文で、 無料で読めるのはアブストラクトだけですが、…