「40過ぎたらガン予防で毎日アスピリンを飲みましょう」って

Lancet Oncologyに掲載された英国the Cancer Research UKの研究。

アスピリンを飲んでいる人は大腸がん、乳がん、その他のガンになりにくいという調査結果は
これまでにも出ていたけれど、

毎日アスピリンを飲むと消化器からの出血などの副作用があり、
がん予防のためだけに飲むのもいかがなものかといわれてきた。

しかし、前立腺、乳房、肺、大腸など一般的なガンの発症が多いのは60代であり、
その頃にアスピリンを飲み始めると内臓出血のリスクも高くなるが、

前がん状態は40代半ばから既に始まっているし、
40代からアスピリンを飲み始める方が
60近くなってから飲み始めるよりも副作用がおきにくい、と。

つまり、がん予防のために40になったら毎日アスピリンを飲みましょうね、と言うに等しい内容。

もちろん、
そんなに安易に勧めちゃいかんでしょう、
もっと安全性について臨床のエビデンスが必要だし、

今のままだと
ガンの発症率が高いのはどういう人か、ということも
アスピリンの副作用が起きやすい人と起きにくい人の違いも
アスピリンの適量すらも、
何も確認されていないのだから……という批判も。



ここで指摘されているように
対象者をもっと限定するなり、リスクと利益の詳細な検証へと研究を進めた上で
出てきたっていい話だと思うのだけど、

「みんなでこぞって飲みましょう」的にこういう情報が流れてくるというのが
なんだか、イヤ~な感じで、

諸々の詳細が確認されて対象が狭まらないうちに情報を流してこそオイシイ……という話なのか、
ブームやトレンドを作って薬屋を儲けさせるのが“予防医学”なのか……と勘繰ってしまう。

でも、その目論見どおりに踊ってしまって、
明日からアスピリンを飲み始める人、いるんだろうな。

アスピリンの売り上げも、上がるんだろうな。