2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

2009年8月31日の補遺

去年12月に上級裁判所のMcCarter判事が医師による自殺幇助は個人の自由の範囲で合法とした判断に、モンタナ州が取り消しを求めている件で、MO州最高裁の聴取が今週水曜日に行われる。 http://www.greatfallstribune.com/article/20090830/NEWS01/90830001/10…

「自殺幇助規制緩和は高齢者の厄介払いに悪用される」と警察署長(英)

South Walesの警察署長 Barabara Wilding氏が (どうしてそれが大事なのか分からないけど 在職年数が最長の女性警察署長でもあると記事はことさらに強調している) 自殺幇助に関する法律を緩和すると、 今後、高齢化する社会において、 家族による高齢者の厄…

シャイボさんは「ターミナルでもないのに名ばかり夫に死なされた重症障害者」

シャイボ事件関連。 Terryさんの父親の死についてのメディア報道において Schiavo事件が正確に説明されていないことを指摘する記事が出ています。 AP Robert Schindler Obit Misrepersents Terry Schiavo Autopsy Results, Ignores Subsequent PVS Awakining…

シャイボさんの「生きる権利」求め戦った父親、死去

Terry Schiavoさんが脳に損傷を受けて15年間寝たきりとなり、 両親の抵抗にも関わらず「本人はこんな状態で生きることを望まないはず」との夫の申し立てを裁判所が認め 栄養と水分の供給を停止されて2005年3月31日に亡くなったシャイボ事件。 (テ…

2009年8月30日の補遺

英国では処方箋もなしに薬局で簡単に買えるヤセ薬 orlistat( 製品名 Alli)について、米国FDAから肝臓障害の副作用の懸念。製造元のGlaxoSmithKlineはそんなエビデンスはない、と。このorlistatが英国で今年1月に解禁された時に、当ブログでエントリー立てて…

イエスが守ってくれるから死なないと断食する統合失調症患者の栄養補給は「非人間的な無益な治療」(豪)

オーストラリアで今度は統合失調症の患者を巡る 「死の自己決定権」・「無益な治療」ケースです。 先日来、オーストラリアで 自殺希望の四肢麻痺男性に栄養と水分を拒否する権利が認められたRossiter事件を 3度のエントリーで追いかけたばかりですが、 (詳…

2009年8月23日の補遺

Guardianといえば2年前の秋にCraig Venterが人造生命を作るのに成功!……とフライング記事を流したところですが、今回はちょっと慎重なトーンながら「Venterの研究が成功すれば人類の未来に新たな希望」だそうです。 http://www.guardian.co.uk/commentisfree…

NBCキャスターがFost発言引き、終末期の治療停止「ちまちまと小銭をケチる」と

Obama政権の医療制度改革の“死の委員会”論争に 無益な治療論提唱者のNorman Fostが出てこないなぁ……と、 ちょっと不思議に思っていたのですが、 やっぱり出てきました。 といっても、 NBCニュースのDatelineという番組のキャスターChris Hansen氏のブログに…

Spitzibaraからパーソン論へのクレーム

前のエントリー森岡正博氏(29歳当時)による「パーソン論の限界」で取り上げた 森岡正博氏の「生命学への招待」は1988年に書かれたものだし (29歳ですでに生命学の構想にたどり着いておられたのですね……すごっ) 私は森岡氏のブログはともかく、著書はこの…

森岡正博氏(29歳当時)による「パーソン論の限界」

パーソン論というものを私はちゃんと勉強したわけではなく、 Ashley事件でPeter SingerがNY Timesで挑発的な口を挟んできたために 否応なしにSingerバージョンのパーソン論と出会ってしまったり、 同じく“Ashley療法”論争で擁護に出てくるケッタイな人たちの…

2009年8月21日の補遺

SSRIの副作用の攻撃性が自殺に結びついているとして、小児への処方が禁じられてから子どもたちの自殺件数は減っていない、との調査結果を受けて、この問題に関する長文の分析がNatural Newsというサイトに出ていて、以下はそのPartⅡ。PartⅠへのリンクは冒頭…

銃持ち「皆殺し」叫ぶ双極性障害者を射殺し「警察による自殺幇助」という新たな“すべり坂”

自殺幇助合法化議論の“すべり坂”で新しいパターンが報道されるたびに 「ああ、こういう方向にも行くのか」と、意表を突かれるけど、 今回の「警察による自殺幇助」という文字を見た時には まず、これは比喩、せいぜい揶揄・皮肉なのだろうと思い、軽い気持ち…

2009年8月20日の補遺

自分で判断して行動するロボットが医療、交通機関に導入される日が近いとし、そこに倫理問題、法律問題が生じる恐れがあると the Royal Academy of Engineering。機械の判断が間違った場合の責任は誰にあるのか、という話とか。:最近、この問題はよく指摘さ…

餓死する権利認められた四肢麻痺男性、Dr. Deathの指南で「やっぱりスイスへ行きたい」と

オーストラリアの Christian Rossiter氏(49歳)に関する続報。 (文末に、これまでのエントリーへのリンクがあります) ナーシングホームに入所しているRossiter氏は裁判所から 栄養と水分の供給を拒否して自殺する権利を認められたばかりですが、 その後…

Obama政権の医療改革案への誤解を巡る事実確認:AP記事

Obama政権の医療制度改革案を巡る賛否の議論が過熱している中、 反対派の指摘する問題点を挙げ、1つずつ事実確認で反駁する趣旨の記事がAPにあって、 それを読むと、 共和党をはじめとする国民皆保険化への抵抗勢力が何を気に入らないと言っているのか 箇条…

2009年8月19日の補遺

これ、地味な記事だけど、昨今どんどんビッグ・ブラザー社会化している英国では、とても今日的に本質的で重要な問題を含んでいると思う。狂牛病がひそかに蔓延して、実は多くの人が知らず知らずにかかっている恐れがあるため、どれくらいの人が目立った症状…

3医学会がHPVワクチン製造元の資金で学会員にワクチンを推奨

8月8日のエントリーで ヒト・パピローマ・ウィルスのワクチン Gardasil を巡っては 様々な疑念の声が上がっていることに触れたばかりですが、 今日のWPが更なる疑惑を取り上げています。 Medical Groups Promoted HPV Vaccine Using Funds Provided by Dru…

親が同意する前からDNR(蘇生拒否)にされていた Annie Farlow 事件(加)

ずっと前から一度まとめておきたいと思っていたカナダの事件。 2005年に亡くなったトリソミー13の Annie Farlow ちゃんを巡って、 トロント子ども病院(Toronto’s Hospital for Sick Children)は 重症障害があるというだけで、独断で救命治療を手控えたの…

2009年8月18日の補遺

米兵が精神疾患を発症するケースが相次いでいることから、米兵全員にメンタル・ストレス・トレーニングを行うことに。 http://www.nytimes.com/2009/08/18/health/18psych.html?_r=1&th&emc=th これさえ飲めば体がダイエットしているつもりになってくれる薬…

豪TVでも、DignitasでのALS患者の自殺映像放送へ

前のエントリーで取り上げたニュースに関連して、 今日になって、さらに気になるニュースが出てきました。 2006年にスイスのDignitasで米国人男性 Caig Ewert氏 が幇助自殺する模様を撮影したビデオが 今月末にオーストラリアのテレビで放送される予定だとの…

四肢麻痺のホーム入所者に栄養拒否で自殺する権利が認められる(豪)

8月7日のエントリーで紹介したケースの続報。 オーストラリア、パース近郊のナーシングホームに入所している49歳の男性Christian Rossiter氏が 四肢麻痺で生きるのは地獄だとして経管栄養を拒否したい意思を繰り返し表明し、 ホーム経営の法人が裁判所に判断…

Palin氏の“死の委員会”非難で“Obamaケア”から終末期相談料が消える

どんどん醜悪な様相を呈している米国の医療制度改革議論で、 アラスカの州知事を辞めたばかりのSarah Palin氏が Obama政権の医療改革案には 高齢者や障害者への医療を切り捨てる“死の委員会”条項が含まれている、と糾弾。 “死の委員会”という文言が独り歩き…

Purdy 判決受け、医師らも身を守るために法の明確化を求める

The Medical Protection Societyによると、 先般のPurdy判決を受け、GPらも、どういう行為が罪に問われるのかを明確に知りたがっている。 現在までに100人以上(たしか117人?)の英国人が自殺幇助を受けたスイスのDignitasでは 自殺希望者が不治の病…

「なぜ大国アメリカで?」と医師が憤る無保険者の実態

無料の移動医療を受けるため、 Los Angels郊外のInglewoodに殺到する無保険人々のレポート記事がNY Timesに。 (写真はこちらの記事から) Thousands Line Up for Promise of Free Health Care The NY Times, August 12, 2009 お盆休みとて、詳細に読んでま…

医療ツーリズムでMRSAより厄介な抗生物質耐性菌

医療ツーリズムで海外で整形手術や臓器移植を受けた患者によって ほぼ、すべての抗生物質に対しても耐性をもち MRSA以上に対処の難しい菌が何種類か英国に持ち込こまれ、 過去1年間に2人が死亡、18人が重態になっているとのこと。 イングランドとスコットラ…

2009年8月12日の補遺

Baby Peterが母親と恋人らからの虐待で死亡する5ヶ月前に、行政に危険性を伝えていたとして、Peterの父親が地方自治体Haringeyを訴える準備をしている。:昨日、母親らの名前が公開されたばかりだけど、何か関連があるのか? http://www.timesonline.co.uk/t…

Norman Fostが「ヒト対象実験の無意味な規制と手続きやめろ」

当ブログが Ashley事件においても、また米国の特に急進的な生命倫理の論客としても 要注意人物として注目してきたWisconsin大学の Norman Fost 医師が Yale大のRobert J. Levine 医師との共著でJAMAに発表した論文で ヒトを対象とした実験研究に対する規制が…

2009年8月11日の補遺

英国史上最悪の児童虐待 Baby Peter事件で、殺人罪に問われた母親と恋人、同居していた恋人の弟の名前が公表された。:何で今頃わざわざ? と思わないでもないけど、改めてこの長い記事で事件の概要を読むと、この恋人の男性の嗜虐性と狡猾さは普通じゃない…

米国には体罰を禁止していない州が20もある

えっ……? 本当に声が出てしまった。 米国で体罰を禁止していない州が、まだ20もあるんだそうな。 アラバマ、アリゾナ、アーカンソー、コロラド、フロリダ、ジョージア、アイダホ、 インディアナ、カンザス、ケンタッキー、ルイジアナ、ミシシッピ、ミズーリ…

Picoult作品のモデル、NH州のロングフル・バース訴訟

前のエントリーで取り上げた Jodi Picoultの作中新聞記事で言及されていた 2006年のNew Hampshire州でのロングフル・バース訴訟最高裁判決について、 以下の記事を見つけたので、読んでみました。 Picoult作品のモデル(少なくともそのひとつ)と思われます…