2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「病院職員に脳死判定への圧力がかかっている」と元移植コーディネーターが提訴(米)

元空軍兵士でナース・プラクティショナー、 元UNOSの移植コーディネーターのPatric McMahonさん(50)が 米国の病院職員に対して、まだ救命可能性がある患者について UNOS(全米臓器配分ネットワーク)から「脳死」判定の圧力がかかっている、 ドナー登録し…

ベンゾジアゼピンに認知症リスク

The British Medical Journalに発表された論文で、 ベンゾジアゼピンの高齢者における認知症リスクが報告されている。 65歳以上でベンゾジアゼピンを飲んでいる人は飲んだことがない人に比べて、 その後の15年間に認知症を発症するリスクが50%増加したとい…

「NYT社説がメディケア拡大を呼び掛け・広がるdevalue文化に対峙する報告書」書きました

NYT社説がメディケア拡大を呼び掛け 米国では6月に、オバマ大統領の医療保険制度改革法に連邦最高裁が「合憲」判断を下したばかりだが、「オバマ・ケア」に対する保守層からの反発は相変わらず大きい。そんな中、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は7月17日と2…

気付き

去年のちょうど今ごろ、 ミュウは久しぶりに「今度こそダメかと思ったぁぁ」エピソードを更新した。 ディズニー・オン・アイスに行くことにしていたのだけれど、 酸素マスクにサチュレーション・モニター装着ではどうにもならない。 園に入所している方の中…

オランダで安楽死が急増、1年で559人も増。

オランダ政府の「安楽死委員会」への医師からの報告によると、 2010年から2011年でオランダでの安楽死件数は559件も増加。 全死者数に占める割合で言うと、 2.3%から2.7%への増加。 委員会の幹部は、 医師が合法的な安楽死を行ったかどうかを調査する機関…

2012年9月27日の補遺

ずっと気になりながら、まとめることができていないカナダのBaby M“無益な訴訟”事件。無益な治療の続行を望んだ親が、娘が植物状態になったのは親の暴行によるものとして罪に問われた。気になる。 http://medicalfutility.blogspot.jp/2012/09/baby-m-appeal…

今週のミュウ 9

園との連絡ノートより 今日の昼食後、更衣し、 ミュウさんとゴロゴロ(添い寝)しました。 TVをつけると右頬が下になり、 (塗ったばかりの)軟膏がとれるかと思ったので。 ミュウさ―ん! 「は―――い」 口パク&右手挙上。 ミュウちゃん 「は―――い」 口パクの…

「生命学に何ができるか」の「女性と障害者の共闘パラダイム」から「当事者と親の共闘パラダイム」へ 3

(前のエントリーの続きです) 私がこの問題にこだわらないでいられないのは、先に拙著からの引用部分に書いたように アシュリー事件という窓から私が今という時代の世界のありようを見てきたから。 そこに今という時代の底知れない恐ろしさを感じるから。 7…

「生命学に何ができるか」の「女性と障害者の共闘パラダイム」から「当事者と親の共闘パラダイム」へ 2

(前のエントリーからの続きです) 第6章の「障害者と『内なる優生思想』」では、 もう一度青い芝の会とリブとの衝突を振り返りつつ、 内なる優生思想問題が掘り下げられていくのだけれど、 青い芝の会の考え方が簡潔に取りまとめられている個所は、例えば以…

「生命学に何ができるか」の「女性と障害者の共闘パラダイム」から「当事者と親の共闘パラダイム」へ 1

「生命学に何ができるか 脳死・フェミニズム・優生思想」 森岡正博 勁草書房 2002 冒頭の脳死関連の章も大変面白いのだけれど、 今回はとりあえず、ウーマン・リブと障害者運動との間にあったことを知り、 そのうえで考えてみたいことがあってこの本を手にし…

2012年9月19日の補遺

lessorさんによる「障害のある乳幼児と母親たち―その変容プロセス」一瀬早百合著 生活書院の書評。 http://d.hatena.ne.jp/lessor/20120918/1347984805 lessorさんが最後に「この本を「障害児の親」が読んだらどう思うのだろう、というのは個人的な興味とし…

MA州医師会が11月住民投票のPAS合法化を巡る質問に反対を表明

11月にマサチューセッツ中で予定されている住民投票の 質問2は、医師による自殺幇助(PAS)合法化の賛否を問うもの。 MA州医師会から、この質問に対して反対のスタンスを取ることが表明された。 反対の理由は、 ・PASは癒すものとしての医師の役割に根本的…

「3人の親を持つ子ども」IVF技術で遺伝病回避……パブコメ(英)

どこかで拾っているはずなのに、 すぐには探しだせないのだけど、 英国で遺伝病を回避する手段として研究開発中の技術について、 生まれてくる子どもが遺伝的な親を3人もつことになる倫理問題が ちょっと前から問題になっていた。 それについて、 英国のヒト…

商業的自殺幇助禁止でドイツの自殺幇助機関がスイスへ

スイス式の自殺幇助合法化を求めてきた団体 Verein Sterbehilfe Deutschland(StHD)は、 ドイツで商業的自殺幇助を禁止する法改正が起こなわれる見込みとなったことを受け、 スイスに事務所を移すことを決めた。 関係者がメディアに語ったところでは StHDは30…

2012年9月17日の補遺

9月14日の毎日新聞の「小児移植 課題重く 検証 6歳児未満 脳死臓器提供」という記事の最後の辺りで、聖隷三方原病院院長補佐の岡田真人氏が「終末期を迎えた患者の家族の精神的なケアに対応できる体制を全国的に整えるべきだ」「臓器提供は、あくまでも終末…

英国議員6割がPAS合法化に反対「不況で、弱者に圧力かかる」

150人以上の議員への新たな調査で 医師による自殺幇助(PAS)合法化を支持すると回答したのは29%。 59%が反対で、12%は未定。 (スコットランドでは議員の86%が反対) また72%が 医師が患者の求めによって致死薬を処方できることになったら 弱者に自…

「安楽死後臓器提供」のベルギーで、今度は囚人に安楽死

監獄の外で安楽死したとされるのは 強姦殺人2件で20年間収監されていた囚人、Frank V. D.B. 死んだ日は明らかになっていない。 そもそも、囚人に安楽死が行われていたこと自体が 公式に発表されていない。 この人については、 もともと監獄での福祉の欠落…

2012年9月14日の補遺

日本語。報道ステーション(2012. 9.11)全文書き http://matome.naver.jp/odai/2134737448507517001 日本。石原伸晃氏がテレビ番組でネットスラングを――。ツイッターで物議を醸す。 http://news.livedoor.com/article/detail/6944489/ 日本。石原幹事長、汚…

「ダウン症だから」と本人にも家族にも無断でDNR指定(英)

英国で、50代と見られるダウン症の男性AWAさん(仮名)が、 入院した2つの病院で立てつづけに、障害を理由に、 本人にも家族にも無断で、DNR(蘇生無用)指定にされて、 男性の親族が、 2つ目の病院を訴えている。 AWAさんは両親が50年間世話をした後に 2010…

父親を殺し損ねた娘が事前指示書を偽造? (米)

事件が起きたのは2010年10月2日。 カンザス州 Libertyで会計士事務所の前経営者 William Van Noteさん(67)と女友達(内縁の妻?)Sharon Dicksonさん(59)が、 自宅に侵入した何者かに銃で撃たれた。刺されてもいた。 Sharon Dicksonさんはその場で死亡。…

2012年9月12日の補遺

日本。この文脈で何がどう「誤解」なのか? (ブログ Lessorの日記) 報ステ石原伸晃ナマポ尊厳死発言―2012年9月11日:昨夜リアルタイムで見て、開いた口がふさがらなかった。「社会保障費を削減するために、年寄りは尊厳死でどんどん死んでください、あ、も…

美しい文章 3: 清水義範「苦労判官大変記」

去年、 あまりに希望のない話題ばかり拾うこのブログの空気の入れ替えにと、 「美しい文章」というエントリー・シリーズを思いつき、 2つほど書いて、それきり忘れていたのだけれど、 「短編復活」(集英社文庫)というのを買ってみたら、 前に図書館で借り…

2012年9月10日の補遺

オーストラリアのNSW州で、自殺幇助合法化法案 the Right s of the Terminally Ill Billが提出された。 http://www.onlineopinion.com.au/view.asp?article=14092 8日に英国の新・保健省副大臣がPASに反対しつつ近親者の自殺幇助に「もっと正直な議論を」の…

ダウン症の新型検査をめぐって

8月末に以下のニュースがあった。 胎児のダウン症新型検査「精度99%」に賛否―命の選別につながらないか JCAST, 2012年8月30日 それからずっと、ネット上で様々な議論を目にしながら、 私自身はエントリーに何かを書くという気になれないままでここまできて…

2012年9月9日の補遺

日本。尊厳死法案、臨時国会への提出目指す―超党派議連、役員会で確認 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/38074.html Lancetに、オランダの安楽死法施行以降の、安楽死と自殺幇助の実態について詳細な実証研究が報告されている。 http://www.thela…

「最少意識状態は植物状態よりもマシか? 否。カネかかるだけ」とSavulescuとWilkinson

ここ数年、脳死や植物状態からの回復事例が相次いだり、 実は最少意識状態だったと植物状態の誤診ケースが次々に明らかになっています。 そうした事件それぞれの詳細は、以下のエントリーにリンク一覧があります。 Hassan Rasouliさん、「植物状態」から「最…

英国の新・保健省副大臣がPASに反対しつつ近親者の自殺幇助に「もっと正直な議論を」

今週初めの英国の内閣改造で新たに保健省副大臣に任命されたAnna Soubry氏が 自殺幇助関連法規を「バカげている」と批判。 先ごろ、医師による自殺幇助を求めたTony Nicklinsonさんが 法の明確化の判断は議会の仕事だとして敗訴した直後に 食を断ち、肺炎で…

2012年9月6日の補遺

Planned Parenthoodの幹部だった人が、自殺幇助ロビーC&Cで活動中。:やっぱり繋がったかぁ。ここのところは、つながりがいつか表面化すると思っていました。しかも、他ならぬWA州のPP幹部だった人物。PP―産児制限―中絶―高齢者・重症者への死への圧力……そこ…

「長い心肺蘇生は無益」を否定する調査結果

入院中の患者が心停止になった時に、 どれだけの長さ心肺蘇生(CPR)を続けるべきかについては 明確なエビデンスベースのガイドラインはなく、 これまでは一般に、長く続けることは それで蘇生できても患者が永続的な神経障害を負う確率が高いために無益であ…

脳損傷で英国に運ばれたオランダの王子めぐり尊厳死議論

2月にオーストリアでスキー中に雪崩に巻き込まれて 重症の脳損傷を負い、 英国の病院に運ばれたオランダのFriso王子(43)をめぐって、 オランダの政治家から「連れて帰って、生命維持装置を切るべき」との声が上がり、 「死ぬ権利」議論が再燃している。 王…