ダウン症の新型検査をめぐって

8月末に以下のニュースがあった。


それからずっと、ネット上で様々な議論を目にしながら、
私自身はエントリーに何かを書くという気になれないままでここまできてしまった。

その背景としては、

一つには、この検査そのものについては
英語ニュースでは数年前から何度も話題になっていて、
日本にやってくるのも時間の問題だとずっと思っていたこともあるし、

これまで、この問題では多くのエントリーを書いてきたので、
今さら、それらをまとめ直して書くのも面倒臭いということとか、

この問題に限らず、
科学とテクノの簡単解決文化と、そこに繋がる
グローバル強欲ひとでなしネオリベ記入慈善資本主義による
メディカル・コントロールと新・優生思想にはもはや歯止めがきかないところまできて、
すべり坂どころか既に断崖絶壁……という気分になっているから
ということもあるのだけれど、

ここ数日の間に、
この問題で気になるブログ記事を立てつづけに2つ見つけて、
どちらも、たいへん重要な指摘がされているので、
自分自身のメモとしてもリンクしておきたいと思って。


①なぜかアドレスをコピペすると「登録できない文字列」とされ、リンクが張れません。
以下のエントリータイトルで検索してください。

眠られぬ当直(よる)のために3(2012/9/5)
(ブログ:Heaven’s Door Hospital ヘブンズドアホスピタル

ブログ主は医師。
ユニークな設定の漫画で、
「99%精度のダウン症診断」と母体保護法の問題を
非常に分かりやすく解説してくださっている記事。

障害理由の中絶は現在の日本では違法行為なのだけど? 
というお話です。

ついでながら、このブログ、まだエントリーが12しかないのですが、
これ以外のエントリーも、いずれも爆笑の楽しさです。


私なりに思うこと(2012/9/7)
(ブログ:CSカナリア闘病記―回復を目指して)

こちらは、私も当ブログでずっと一貫して書き続けてきたのと同じことを
元現場職員、現在難病当事者の立場で書いてくださっている、ブログ友の方の記事。

その指摘の1つは、
私もちょうど昨日のエントリーで書いたばかりの点で、
障害当事者の実像は生活を共にして直接的に密接にかかわっていなければ分からない、
多くの議論が、その実像を置き去りにしたステレオタイプで行われている、ということ。

もう一つは、ラジオで荻上チキさんが指摘したとのことなのだけれど、、
遺伝子診断で障害のある子どもを産む・産まないを自己選択にすることは
養育を「自己責任」にしてしまう、という懸念。

私もそれとまったく同じ指摘を
未熟児の話だけど、こちらのエントリーで書いている ↓
「中絶か重症障害か……選ぶのは親のあなた(英)」(2010/5/16)

Art Caplanも、同じようなことをこの頃に書いてくれている ↓
遺伝子診断で激減の遺伝病、それが社会に及ぼす影響とは?(2010/9/10)


その他、これを機に
当ブログでダウン症を中心に出生前遺伝子診断に関連して書いてきた
エントリーの一部を以下に整理してみました。
(ゴチックは特に当該検査をめぐる話題)