2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

去年の安楽死・幇助自殺2300人のオランダで自殺幇助アドボケイトに10ヶ月の禁固刑

以下の2本の記事によると、 自殺幇助合法化がうまくいっているモデルとして引き合いに出されるオランダで 自殺幇助のロビーグループ the SVL 財団のチェアマンが10ヶ月の禁固刑に。 80歳のパーキンソン病の女性が自殺幇助を希望していたが、 主治医も精神科…

2009年5月30日の補遺

アスピリンを常用したからといって心臓麻痺と脳卒中の予防になるのは、既に発作を起こした既往歴のある人だけ。このところ、健康な人もスタチンを飲め、アスピリンを飲め、と姦しかったから。ほら、やっぱり科学者の言うことはコロコロ変わる……というか、仮…

「2つの認知系のせめぎあい」説から「当事者性という溝」を考える

前々回のエントリーで引用した こびと症の人とジャーナリストの論争から 個人的な体験について考えたこと。 ずっと昔、娘がお世話になっている身障センターの整形外科の先生方が 子どもの障害を知ったばかりの親が集まる母子入園での診察で まだ動揺の大きな…

「2つの認知系のせめぎあい」説から「科学とテクノロジー万歳文化の世論誘導」を考える

前のエントリーの続きになります。 もう1つ、スタノヴィッチが挙げた2つの認知系のせめぎあいの例で 「お、面白い」と思ったのは、 進化的に都合がよいように組み込まれた自律的認知系TASSでは 正方向の情報は受け入れやすく、負の方向の情報は受け入れにく…

「2つの認知系のせめぎあい」説から「障害者が異様に見えるのは自然」を考える

「心は遺伝子の論理で決まるのか -二重過程モデルで見るヒトの合理性―」 キース・E・スタノヴィッチ、椋田直子訳 みすず書房、2008 なぜ読もうと思ったのか、もう覚えていないのだけど、 県立図書館にリクエストしておいたのが、すっかり忘れた頃になって届…

2009年5月29日の補遺

自閉症なのに診断されていない子どもがたくさんいる。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8072127.stm マラリアの寄生虫に現在最も有効が薬が効かなくなりつつあると世界初のエビデンス。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8073118.stm 映画「おく…

IL州、障害者への不妊手術で裁判所の命令を必須に

Illinois州で5月18日、 しかるべき手続きなくして ガーディアンの同意により障害のある成人に不妊手術を行うことを禁じる法案が 議会を通過し、知事に送られた、とのこと。 ここでいう「しかるべき手続き」とは 裁判所の命令をとることなどで、 多くの州が障…

WA尊厳死法 第1例は障害のある失業者

第1例目の自殺者が障害のために働けなくなった人だったというのは 前のエントリーを書いた時に初めて出てきた情報だったので 情報源とされる22日のNY Times の記事を読んでみた。 裁判書類と弁護人よると、Linda Flemmingさんは離婚しており、 5900ドルの負…

WA尊厳死法に反対したALS患者、第1例女性と同日死去。

Dying Man Opposes Assisted Suicide こちらのビデオは WA州の尊厳死法が成立する前の去年 6月19日の ALS 患者 John Payton 氏のインタビュー。 (映像下の英文タイトルをクリックするとYouTubeが開きます) 氏は余命数ヶ月とされながら、その数ヶ月を自殺幇…

非侵襲出生前診断テストの倫理問題をJAMAの論文が指摘

いつもお世話になっている Patricia Bauerさんのブログ記事から。 米国医師会ジャーナルJAMAに掲載の論文(Peter A. Benn & Audrey R Chapman)が 一年以内には商業利用がスタートすると思われる非侵襲出生前診断テストについて 重大な倫理問題を懸念。 まず…

ヒスパニックの女性判事に糖尿病差別

Obama大統領が最高裁判事に ヒスパニック系の女性判事 Sonia Sotomayor氏を指名したことは 今朝、日本でもニュースにもなっていましたが、 それに反対する共和党陣営などから Ⅰ型糖尿病患者であるSotomayor氏にそんな要職が勤まるのか、と 疑問の声が出てメ…

小児へのRisperdalの適応外処方で乳房切除術を受ける少年たち

FDAが成人を対象に認可したRisperdal の自閉症やADHDの子どもへの適応外処方が 米国の小児科医療でルーティーン化しており、 特に男児が胸の膨らむ副作用で乳房切除術を受けるに至るケースが続出。 訴訟も起きている。 記事にリンクされている CBS のビデオ…

Susan Boyle さん準決勝で ”メモリー”

HD/HQ Susan Boyle - Memory from Cats - Britains Got Talent 2009 Semi Final Show 1 Season 3 (映像部分のクリックは無効のようですが、映像下の英文タイトルをクリックすると開きます) 曲はミュージカル”キャッツ”から”メモリー”。 最初はちょっと緊張…

2009年5月27日の補遺

糖尿病が爆発的に増加するだろうと懸念されている。特にアジアの若年層で。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8069431.stm マウスのゲノム読解完了。75%まで人間のゲノムに似ていると。(たしかTHニストたち、チンパンジーのゲノムが95%まで人間…

アル・パチーノ主演でKevorkian医師の伝記映画製作か

米国で自殺装置を考案して150人以上の自殺を幇助し、 去年6月から仮釈放中の Jack Kevorkian 医師(81)の生涯を描いた Neal Nicol著の伝記本を元に、 同医師の映画を作ろうという企画がずいぶん前からハリウッドで進行しており、 現在アル・パチーノに出…

うつ病患者の自殺幇助でDignitasにスイス当局の捜査

3日ほど前から目に付いているのですが、 なぜかメジャーなメディアが扱わず、大きく報じられずにいるニュース。 スイス在住のルーマニア人でうつ病を患っていた Andrei Haberさんの自殺について 親族からDignitasで死ぬと計画していたと当局への通報があり…

2009年5月26日の補遺

マイク・タイソンの4歳の娘さんがエクササイズ・マシーンで遊んでいる時に付属のコードで首を吊った状態になり、病院に運ばれるも人工呼吸器をつけ重態。 http://blog.taragana.com/n/tysons-daughter-on-life-support-after-found-hanging-65950/ 専門医に…

トランスヒューマニストの「永遠に生きる確率を劇的に向上させる8つのヒント」

前のエントリーのBBC記事 「英国人は科学者から出てくる癌予防アドバイスにいい加減ウンザリ」を読んで思い出したので、 先週、Ashley事件がらみの調べ物で見つけて (英語ブログでは、まだAshley事件をシコシコやっているもので) 「ぶわっ」と笑わせてもら…

「やれ何が癌の原因だ、やれ予防にはどうしろこうしろって、ウザい」と英国民

あはは。まったく、そうだよね……。 このタイトル見ただけで、大笑いしてしまった。 ……といっても、記事を読んでみると、 BBCによってちょっと意訳されたタイトルのようなので、 標題はさらにspitzibaraが懇切丁寧な解釈を加えてみたものですが。 世界癌研究…

2009年5月25日の補遺

オーストラリアで実験的に、高学位のナース・プラクティショナーを責任者として、常勤換算で15人職員を擁する簡易診療所に200万ドル投入。年間3万件の診療を行えるのでは、との見込み。(たしかオーストラリアの診療待ちも英国並みに長かったから、その対策…

「大人なら誰でも基本的な家事・育児・介護ができる社会」というコスト削減策

かなり前のことになりますが、テレビで “日本人初のママさん宇宙飛行士”山崎直子さんの記者会見を見ていたら 「ミッションの間、家事はどなたが?」という質問が飛び出したのには 今の時代にまだこんなバカな質問をする男性記者がいるのかと 食事中の箸が思…

山森亮「ベーシック・インカム入門」

まずは、お知らせ :::::::::::::::::::: 東京大学READ「経済と障害の研究」公開講座 ベーシック・インカムの課題と可能性 :::::::::::::::::::: 日時:7月4日(土)13時―17時 場所:東京大学本郷キャンパス 経済…

2009年5月24日の補遺

妊娠と出産によりアフリカの女性が毎年536000人、女性の半数以上が命を落としている。 http://www.nytimes.com/2009/05/24/health/24birth.html?_r=1&th&emc=th 自閉症の成人への支援の問題。 http://www.nytimes.com/2009/05/24/opinion/24greenfeld.html?t…

「みんなで責任逃れをするための書類整備システム」という非効率

米国の学校での教師による虐待問題について読んでいたら 英国で去年の Baby P事件をきっかけに問題になっている児童保護行政の失態の数々を思い出した。 ずっと前に米国の IDEA (障害のある個人教育法)を ちょろっとだけ読みかじったことがあって、 その時…

5月23日の補遺

英国のBaby P事件で、母親と恋人、家主が収監された。恋人はPeter君の死と2歳の女児レイプの罪で12年の懲役。母親と家主については、社会への危険とみなされなくなるまでということで今のところ未定期。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/london/…

WA州の尊厳死法で初の自殺者をC&Cが報告

英米のメディアがこぞって報じていますが、 さすがに地元紙のこちらが一番詳しいようです。 Sequim woman first known assisted-suicide patient in state The Seattle Post-Intelligencer, May 22, 2009 昨年11月に住民投票で決まり、 今年3月に施行されたW…

米国で障害児教育中心に教師による虐待が問題に

米国の学校、特に障害児教育での教師の体罰・虐待が問題になっているようです。 Patricia Bauerさんのブログなどから以下に。 ①GAO report details school abuse of students with disabilities PatricaEBauer NEWS & COMMENTRY ON DISABILITY ISSUES, May 2…

それでも人は生きている

何日か前に仕事の関係の検索をしていた時にひょっこり出会って、 読むなり、鷲掴みされてしまった文章。 日々の暮らしの中で、人々は、自分ではどうしようもないことに出会う。 選べない親、成育環境、身体条件、容貌、性格、経済状態、人間関係、失恋、自己…

「裁判所は親の決定に介入して子どもを守る」とDiekema医師

抗がん剤治療を拒否している13歳のDaniel君母子のニュースを 19日にNewsweekも取り上げていました。 Parents’ Rights, Judges’ Rules Newsweek, May 19, 2009 宗教上の信条が関わるこのようなケースで 「親の決定権」や「子の最善の利益」をどう考えるか…

2009年5月21日の補遺

アイルランドのカトリック教会運営の学校、児童施設で1930年代から聖職者である職員による性的・身体的・心理的虐待が常習化していた件について、9年にわたる調査の報告書。虐待行為があったと特定された人物は800人にも上る。さらにアイルランド政府が…