資料・周辺情報(米国)

世界医師会が「強制不妊は医療の誤用、医療倫理違反、人権侵害」

9月5日、世界医師会(WMA)と 健康と人権組織国際連盟(?)International Federation of Health and Human Rights Organisationsが 強制不妊は身体的、精神的な健康を甚だしく損ない、 生殖を巡る自己決定権と人権を侵害する暴力であると弾劾。 不妊手術…

知的障害のある子どもへの不妊手術:06年オーストラリアの議論(資料)

昨日アップした英国の知的障害のある女性の不妊手術の件で あれこれ検索していた中で拾ったオーストラリアの情報。 2006年の秋にオーストラリア検察局から 知的障害のある子どもの不妊手術について全国一律に規制する法案草稿が発表され、 それについて広く…

Ashley事件関連リンク集 12: 病院・大学とゲイツ財団との関係

こちらのリンク集は大まかながら以下のエントリーとNO対応しています。 シアトルこども病院・ワシントン大学とゲイツ財団の密接な関係(2011/2/9) ① ゲイツ財団からシアトルこども病院へのグラント(1997-2004) http://www.gatesfoundation.org/Grants-1997…

シアトルこども病院の理事会には相変わらずMicrosoft関係者が少なくとも3人

09年の以下のエントリーで 08年当時のシアトルこども病院理事会メンバーの一覧にリンクを貼ったのですが、 シアトルこども病院の理事会にはビル・ゲイツの妹も(2009/9/15) 今日、調べ物の必要から、そのリンクを開いてみたら 2010-2011年度の理事会メンバー…

Ashley事件リンク集 11: 2010年の動き

AJOB成長抑制論文 http://bioethics.net/journal/j_articles.php?aid=2118 http://whatsortsofpeople.wordpress.com/2010/01/12/ashley-revisited-american-journal-of-bioethics/(Sobsey) http://whatsortsofpeople.wordpress.com/2010/01/13/ashley-effe…

Ashley事件リンク集 10: 2008―2009年の動き

2008年9月 Stonybrook 大学における認知障害に関するシンポでPeter SingerがA事件に言及 http://www.stonybrook.edu/sb/cdconference/podcasts.shtml(シンポ・サイト) http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=ncppXrGFCBA(YouTube) それに対する批…

Ashley父の法解釈とRyan論文

18日のエントリーを書くに当たって、 父親のブログの2007年1月時点でのプリントアウトをざっと読み返していたら、 前には何とも思わずに読み飛ばした部分に 「お? ……なるほどぉ……」という面白い箇所を見つけました。 倫理委から障害者の不妊手術に関し…

“Ashley療法”の費用に関する、ありがちな事実誤認

医療ガバナンス学会のメルマガの Vol.297で ハーバード公衆衛生大学院リサーチ・フェローの細田満和子氏が 「アメリカ社会のふたつの顔」というエッセイを書き、 その中でAshley事件に触れておられます。 その中で、Ashley療法にかかった費用が約3万ドルとさ…

“Ashley療法”認める法的新基準を説くRyan論文に憤りのブログ2つ

先日、以下の2つのエントリーで紹介したChristine Ryan の論文について 憲法が保障する“基本的権利”をパーソン論で否定する“Ashley療法”論文(前半)(20009/10/8) 憲法が保障する“基本的権利”をパーソン論で否定する“Ashley療法”論文(後半)(2009/10/8) 米…

憲法が保障する“基本的権利”をパーソン論で否定する“Ashley療法”論文(後半)

(前のエントリーの続きです) このように、この論文は冒頭で、 personの定義次第だとして、重度知的障害者の基本的人権を崩してしまうのですから、 この後でプライバシー権、生殖権、親が子どもを育てる権利を次々に論じたり これまで当ブログでもまとめて…

憲法が保障する“基本的権利”をパーソン論で否定する“Ashley療法”論文(前半)

「成長抑制は障害児の尊厳を侵すものだ」との批判に対して、 Ashley事件の立役者であるDiekema、Fost両医師が今年6月に書いた成長抑制論文で 「“尊厳”は定義なく使っても“無益な概念”だ」と一蹴していることから、 このところ“尊厳”が、ずっと気になってい…

Ashley事件リンク集9:CNN両親インタビュー(2008)

CNN記事 'Pillow angel' parents answer CNN's questions CNN, March 12, 2008 Disabled girl's parents defend growth-stunning treatment CNN, March 12, 2008 その他メディア Parents: ‘Ashley treatment’ successful UPI, March 12, 2008 Parents Defend…

Links 8: Diekema医師のAshley講演(2008年1月)

2008年1月18日のCalvin大学での講演 “Live, Jusitce, & Humility: A Bioethicist Meets the ‘Pillow Angel’" Calvin大学サイトのDiekema講演ページ (音声聴けます) http://www.calvin.edu/january/2008/diekema.htm (RealAudio archive link included) Cal…

英語圏イデオロギーの専横は生命倫理学だけじゃなかった

先日、某所で某学問の議論を聞いた際に その議論の中で、「ぐわぇぇっ???」と仰天して思わず身を乗り出した箇所があった。 その学問でもグローバリゼーションが進んでいて、 英語圏の研究が圧倒的な影響力を持っている、 日本では、特にその影響が著しい…

米国小児科学会が「栄養と水分差し控え・停止は倫理的」:著者はDiekema医師

米国小児科学会の倫理委員会(新会長は、Ashley事件の、あのDiekema医師)が 一定の条件下で、栄養と水分の医療による供給の差し控え・停止は 倫理的に許容される、適切である、との声明として 前会長と現会長の共著論文を学会誌に発表。 Forgoing Medically…

Obama大統領、今日、国連障害者権利条約に署名

以下の The United States International Council on Disabilities(USICD) のリリースによると、 Obama大統領は大統領選挙での公約どおり、 24日にホワイトハウスで国連障害者権利条約(DRPD)に署名すると 月曜日に発表したとのこと。 大統領の署名後、上…

生命倫理が「治外法権的な聖域なき議論の土俵」に思えてきた

6月30日のエントリーで 米国大統領生命倫理評議会の論考集「人間の尊厳と生命倫理」の第1章の概要をまとめましたが、 実は、その第1章を読んだ時に、何が、とはっきり分からないけど小さな違和感を覚えました。 その違和感が時間とともに大きくなっていき、…

大統領生命倫理評議会の「人間の尊厳と生命倫理」と「おくりびと」

去年3月に米国大統領生命倫理評議会がまとめた論考集「人間の尊厳と生命倫理」。 Human Dignity and Bioethics: Essays Commissioned by the President’s Council on Bioethics The President’s Council on Bioethics Washington, D.C. March 2008 とりあえ…

「尊厳は定義なしに使っても無益な概念」を、ぐるぐる考えてみる

Diekema & Fost成長抑制論文が 障害学や障害当事者らからの「尊厳を侵す」との批判を 「尊厳は定義なしに使っても無益な概念」だと一蹴していることが ずっと気持ちに引っかかっていて、ぐるぐる考えている。 ここ数日いろんな人から教えてもらったり助けて…

見過ごしていたAshley論文の補遺

私の情報収集はインターネット上のメディア情報が中心になっているため、 何かの弾みに引っかかってこなければ、なかなか学術論文は目に付かないのですが、 どうやら、いろいろ書かれていたようです。 よかった、ちょっと安心した。 ブクマしておくだけでは…

Links 7: Norman Fost

成長抑制療法の一般化で大きな動きがあり、 当ブログでAshley事件の重要人物とみなしてきたNorman Fostがついに表に出てきました。 そこで、取り急ぎ、Norman Fost に関する情報をまとめてみたのですが、 英語ブログの方でのアップを急いだため、こちらも英…

IL州、障害者への不妊手術で裁判所の命令を必須に

Illinois州で5月18日、 しかるべき手続きなくして ガーディアンの同意により障害のある成人に不妊手術を行うことを禁じる法案が 議会を通過し、知事に送られた、とのこと。 ここでいう「しかるべき手続き」とは 裁判所の命令をとることなどで、 多くの州が障…

認知症が進んだ人の胃ろう、利益と害の検証が不十分

認知症が進行した人への胃ろうは 果たして利益と害のいずれが大きいのか、 この問題について書かれた医学論文を広範に検証した Cochrane レビューによると、 「認知症の進行した患者への経管栄養の 延命効果についてもQOLの改善効果についても 研究エビデン…

食事介助の時間短縮策としてのみ語られる胃ろう(Wilfond論文)4

シアトル子ども病院のBenjamin Wilfond医師は Hastings Center Report, 1―2月号に発表した論文で 医療上の必要やメリットが明らかでない重症児への手術を 親が社会心理的な理由で、または自分たちへのメリットのために望んだ場合には 親の選択権を尊重して親…

サイケヴィッチ裁判

意思決定能力を欠いている人の医療における代理決定の判例として 名前だけは聞きかじっていたサイケヴィッチ裁判(1976年)の詳細について、 星野一正氏がまとめられたサイトを見つけたので、 自分自身のメモとして、以下に。 重症の知的障害がある高齢者の…

Ashley事件リンク集 6:Gunther医師の自殺

ニュース記事 Oct. 10, 2007 http://seattlepi.nwsource.com/local/335019_gunther11.html?source=rss (SP-I, the title says his death is “ruled a suicide”) http://seattletimes.nwsource.com/html/localnews/2003940574_webgunther10m.html (Seattle Ti…

Ashley事件リンク集 4 :2007年5月WPAS調査報告・病院が違法性を認める

5月8日:病院とWPASの合同記者会見 病院側のプレスリリース Growth Attenuation Press Conference WPAS調査報告書フルテキスト Investigative Report Regarding the “Ashley Treatment” May 8, 2007 英文サマリー http://www.katrinadisability.info/Inves…

Ashley事件リンク集 5:英国Katie Thorpeケース

2007年1月“Ashley療法”論争時にAlisonがメディアに露出した際のもの I want my girl to have the ‘Ashley Treatment’ The Telegraph, January 8, 2007 If only we could have stopped our child growing up, as well Echo, January 10, 2007 2007年…

Ashley事件リンク集 3 : 2006年から2007年論争当時のブログ記事(Singerへの反応含む)

2006年 Helping families care for the helpless TH George Dvorsky, Sentient Developments, November 6, 2006 (父親のブログに引用された「グロテスク」発言) 2007年1ー2月 公共性のあるサイト A Disability Community's Response to the Ashley…

Ashley事件リンク集 2 :論争当時のメディア報道(当事者発言を含まないもの)

2007年論争当時のメジャー報道 1月4日 http://www.cbsnews.com/stories/2007/01/04/health/main2332076.shtml?source=RSSattr=Health_2332076 (AP記事:Frader, Caplanコメント) http://archives.cnn.com/TRANSCRIPTS/0701/04/ng.01.html (CNN, Nancy…