2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2010年2月25日の補遺

【自殺幇助関連】 MA州の自殺幇助合法化法案の審議で、合法化を求め続けて亡くなった癌患者 Al Lipkinさんの妻が夫の思いを語った。 http://www.milforddailynews.com/news/state/x1487809065/Emotional-testimony-at-State-House-hearing-on-right-to-die-b…

清拭も食事もトイレ介助もなし……の英国NHSの病院ケア

Mid Staffordshire のNHSトラストのStafford Hospitalで、 管理運営側が政府の設置した目標やコスト削減を重視するあまり、 安全なケアを提供することをやめ、 「想像を絶する」苦しみを患者に与えた、 それらの劣悪なケアが患者の死を招いた、と 同病院のス…

公訴局長がTimesに寄稿:“慈悲殺”は自殺幇助と同じではない

公訴局長DPPのKeir Starmer氏が 今日の法解釈のガイドライン発表を前にTimes紙に寄稿し ガイドライン策定についての考えを語っています。 最初に明言されているのは 読んだ人からは、私が法律を変えたという批判も起きるだろうが、 法律そのものは変わってい…

Brown首相、Telegraph紙に寄稿:自殺幇助の合法化はやめよう

明日に公訴局長の法解釈のガイドラインの最終決定を控え、 Brown首相がDaily Telegraph紙に寄稿し、 法解釈のガイドラインで留めて、法改正まではするまい、 法改正よりも、現行法を使いこなしながら、もっと緩和ケアを充実させて、 苦しい死に対する人々の…

マサチューセッツ州議会で自殺幇助合法化法案が審議入り

昨日、火曜日、 マサチューセッツ州議会で自殺幇助合法化法案が審議入り。 元は胃がん患者の Al Lipkind氏が数年前から求め続けていたもの。 同氏が去年10月に亡くなった後、 Louis Kafka 州上院議員が遺志を継ぐ形で運動してきた。 法案は、ターミナルで、…

2010年2月23日の補遺

Brighton とHove という町単位で自殺幇助に関する住民の意識調査が行われている。76%が、耐え難い苦痛のあるターミナルな状態の人と高齢者の自殺幇助合法化に賛成。:町単位で意識調査が行われることそのものが、ちょっと、すごい。 http://www.theargus.…

自殺幇助に関する偏向報道で、BBCチェアマンに大物議員が会談申し入れ

BBCの自殺幇助合法化問題に関する偏向報道については ここしばらく、議員らから批判が起こっていましたが、 ついに自由民主党の大物議員が、その「信じがたいほどの熱心さ」について、 BBCトラストのチェアマンMichael Lyons卿に会談を要求。 要求の手紙を送…

「パリの女は産んでいる」から考えたこと

前のエントリーからの続きです。 ヌヌーとは、元は貴族やブルジョワに雇われていた乳母や「ばあや」のことで 転じて、現在は、個人に雇われるナニー、子守のこと。 ヌヌーばかりでなく、家政婦、ヘルパーなど、家庭雇用を優先する政策は、80年代後半の失業と…

「パリの女は産んでいる」からフランスの生殖医療の周辺メモ

以下の本を読みました。 パリの女は産んでいる 〈恋愛大国フランス〉に子供が増えた理由(中島さおり 2008 ポプラ社) このブログでは英語圏以外の事情がなかなか把握できにくいので、 この本に出ていたフランスの生殖医療やその周辺に関する諸々を、 まず網…

2010年2月22日の補遺

自殺幇助関連 来週発表される英国検察サービスの自殺幇助に関する法解釈のガイドラインでは、暫定案の条件を多少偏向して、いよいよ「裏口」免罪が始まることになるらしい。 http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/politics/lawandorder/7271843/Assis…

教育委員会が生徒にパソコンを配り、カメラでこっそり遠隔監視?

うへぇ。なに、これ? 監視社会もここまで来ているの? ……というニュース。 Philadelphia郊外の富裕な地域のスクール・ディストリクトが 州の助成金を使い、「21世紀型のモバイルな学習環境を」といって、 2300人の高校生にノートパソコンを配った。 生徒た…

2歳で双極性障害診断され3種類もの薬を処方されたRebecca ちゃん死亡事件・続報

1月16日に以下のエントリーで触れたRebecca Rileyちゃん事件の続報。 双極性障害で抗精神病薬を処方される2―5歳児が倍増 2006年に4歳のRebeccaちゃんが安定剤のオーバードースで死亡。 両親が「静かにさせるために」意図的に多量に飲ませたとして 殺人罪に問…

今度は77歳男性がハンチントン病の妻の自殺幇助を“告白”

BBCのRosling氏の“慈悲殺”の告白を受けて、 今度は77歳の男性が、ハンチントン病の妻の自殺を手伝ったと告白。 さぁ、警察は逮捕に来るなら来い! と。 元看護士の妻は病状が悪化してきた時に、 まずは病院での安楽死を望んでいたのだけれど、 警察が介入し…

カナダのIsaiahくんの呼吸器、少なくとも3月11日まで継続

ああ、よかった。 カナダで「無益な治療」訴訟になっているIsaiah Mayくんの呼吸器が Victoria BCのRichard Taylor 医師の診察を受けるため、 少なくとも3月11日までは継続されることになったようです。 (詳細は文末にリンク) 本当に、よかった。 取り外し…

「尿吸飲ロボ」から、“QALY時代の排泄ケア”を想像してしまった……

昨日の朝日新聞の家庭欄に 「機械担う 排泄ケア」という見出しの大きな記事があって、 尿吸引おむつ、「尿吸飲ロボ・ヒューマニー」とか トイレ付きベッド、自動排泄処理装置「エバケアー」が紹介されていた。 こういうものは、前にも、こちらのエントリーで取り…

2010年2月19日の補遺

自殺幇助関連 BBCの障害者サイトOuch!で、Disability Bitchが自殺幇助議論に参戦。あたしゃ、生きる、と。 http://www.bbc.co.uk/ouch/opinion/b1tch/db_loves_life.shtml Gosling氏の事件を機に、これまでの英国での医師による安楽死事件をまとめたJeremy L…

1度も上映されたことのない「自殺幇助合法化ドキュメンタリー」がオスカー候補……の怪

オスカーには安楽死や自殺幇助を支持する映画がしょっちゅうノーミネイトされる。 今年も “The Last Campaign of Booth Gardner”というドキュメンタリーが候補に入っているらしい。 しかし、とっても摩訶不思議なことに、 この映画、ウェブ・サイトもなけれ…

2010年2月18日の補遺

英国NHSで、大赤字の病院が一つ、民間企業の経営に。英国医療の新時代。:はたして吉の方向なのか、それとも凶なのか。まさか、このまま一気に米国の医療の後を? http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/article7031332.ece?&EMC-Bltn=NKTGW2F 子どもの…

TVで“慈悲殺”告白のGosling氏、続報

テレビでかつての恋人の慈悲殺を告白して逮捕されたBBCのキャスター Ray Gosling氏(70)の事件の続報。 Guardian誌によると、 10年以上前からGosling氏の友人の数人はその出来事について聞いていた、とのこと。 その恋人とGosling氏の約束は双方向で、 どち…

番組で恋人の“慈悲殺”を告白したBBCのキャスター、逮捕される

16日のBBCの司会者が番組で“慈悲殺”を告白の続報。 この記事によると、ご本人はテレビで告白した後、 「これが殺人だとは私は思わない」と語ったらしいですけど、 その番組が放送された当日月曜日の晩、 Ray Gosling氏は警察に逮捕されたそうです。 現在、警…

Adrienne Aschの、かなり醜い言い訳

Dr. Landosのコメンタリーに続き、 AJOBのDiekema&Fost論文に対するAdrienne Asch のコメンタリーを読みました。 批判の論点は主に、 ・Diekema & Fost が用いている功利主義的な検討(利益vs リスク/害)では不十分だが、 彼らの功利主義的な検討そのものも…

Lantosコメンタリー、Ashley事件のデタラメを指摘

AJOBの1月号に掲載されたDikema&FostのAshley論文と、 それに対するコメンタリーの一部を手に入れてくださった方があり、 今、個人的に一番注目しているLantos医師のコメンタリーを、まず読んでみました。 It’s Not the Growth Attenuation, It’s the Steril…

2010年2月16日の補遺

カナダ、ケベック州の州議会委員会が自殺幇助合法化の審議に入った。州として独自に合法化することはできないが、現在カナダの議会に法案が出ているとあって、影響は必至。ちなみに、これ、去年のケベックの医師会提言を受けての動きではないか、と。 http:/…

DALY・QALYと製薬会社の利権との距離についてぐるぐるしてみる Part 2

はたして、前のエントリーで書いた話と、どこまで関係しているのか、していないのか その距離間がしかとは分からないから、ぐるぐるしてみるだけなのだけど、 その不思議な財団法人のサイトを覗いているうちに頭に浮かんできたことを。 巨大製薬会社の、特に…

DALY・QALYと製薬会社の利権との距離についてぐるぐるしてみる Part 1

QALYが「患者立脚型アウトカム」と称して製薬会社のセミナーに(日本)のエントリーで取り上げた エーザイとファイザーの主催によるセミナーの記事を読んだ時に 私が主に考えたのは、 製薬会社が認知症患者への投薬実験の結果をQALYの「効用値」を持ち出して…

BBCの司会者が番組で“慈悲殺”を告白

月曜日の夜放送された BBC East Midland’s Inside Out という番組で、 プレゼンタ―を務めているベテラン司会者の Ray Gosling氏が 何年も前にエイズの恋人を枕で窒息死させた“慈悲殺”を告白。 BBCが自殺幇助合法化問題で 偏向報道を続けているとの批判が過熱…

2010年2月15日の補遺

カナダGazette誌で「自殺幇助合法化法案は医師に殺しのライセンスを与えるに等しい」と。 http://www.montrealgazette.com/news/Suicide+bill+would+give+doctors+licence+kill/2565610/story.html 去年2月にLuisiana州で起きた事件。癌の治療でしゃべること…

2010年2月14日の補遺

自殺幇助関連 街角ごとに高齢者向け“安楽死ブース”を、というMartin Amisの提言に対する、Wesley Smithの批判。 http://thehumanfuture.blogspot.com/2010/02/legalizing-euthanasia-would-interfere.html 2月10日にも同様の記事があったけど、カンタベリー…

4月22日にDiekema医師、またもAshley講演

4月22日から24日にオハイオ州クリーブランドで 以下の小児科倫理に関する会議が開かれます。 Pediatric Ethics 2010: Advancing the Interests of Children Diekema医師が大活躍の予定で、 ①まず、22日の開会式に続く全体講演を8:15から1時間。 タイトル…

知的障害のある友人の自殺幇助で17歳が有罪、ただし8か月の自宅拘留(NZ)

去年9月に公園で自殺したのは Ben Dowdellくん(16)。 母親によると知的障害があった。 学校で毎日のように暴力をふるわれるなどイジメにあっていたが それでも笑顔で(? まぁ、お母さんの証言では)学校には通っていたという。 彼の幇助の罪に問われ有罪…