TVで“慈悲殺”告白のGosling氏、続報

テレビでかつての恋人の慈悲殺を告白して逮捕されたBBCのキャスター
Ray Gosling氏(70)の事件の続報。

Guardian誌によると、
10年以上前からGosling氏の友人の数人はその出来事について聞いていた、とのこと。

その恋人とGosling氏の約束は双方向で、
どちらかが辛い状況になった時にもう一方がそうする、というものだった、とか
その恋人がエイズになる前からGosling氏とは知り合いだったとか、
その出来事は20年くらい前のことだとか、
今となると、まぁ、みなさん、メディアに向けて、よくしゃべっておられます。

あるゲイの権利アドボケイトは
「話の流れで、そういうことは聞いたけど、それだけ。
彼も、軽い口調だったし、起こってから何年も経ってたし。
自分としては自殺幇助だと受け止めた。
すごく勇気ある行為だ。
特に病院という公共の場所でやったわけだから。
その相手がとても苦しんでいたのも知っているし、
前から、どちらかがそうなったら、もう一方がやると
約束していたんだとRayも言ってたから」

この人は、
被害者の名前も、それがおこった場所も分からなかったから、
警察に通報することは考えなかったという。

それに
「Rayは生まれついての殺人鬼というわけじゃない
話は聞いても、それが犯罪だということは頭に浮かばなかった

BBCのRadio4のプロデューサーも先月、聞いていた。
「ショックだったけど、自殺幇助として話していたから。
長年Rayを知っているけど、殺人鬼とかいうような人間じゃない
とても人間味のある人だ
普通の人の人生の大切さにとてもこだわっている。
自分の人生を、番組作りに使おうと思ったんだろう。
エピソードの一つとして使えると思ったんだろう」

(ここで2人とも「殺人鬼じゃなかったら、つまり悪意じゃなかったら、殺しても犯罪じゃない」という
無意識の前提に立ってものを言っていることが、今の英国の空気を象徴して、とても興味深い)

BBCは番組でこの告白を放送したことについて

We believe we have handled the report sensitively and appropriately.
We kept him fully informed about our representation of his story in the report and he understood that a revelation of this nature could have a number of consequences.

番組の取り上げ方は配慮もあって適切だった、と思っているんだそうな。
告白することについてはBBCとしてはちゃんと本人に説明もしたし、
こういう告白をすれば、どうなるか本人は分かっていた、と。

でも、ご本人は逮捕されるなんて考えてなかったらしくて、
Radio 4の仕事で出張の予定を入れていたとか。




日本語では、こちらのAFPが17日付で。goo は今日ごく簡単に。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2696671/5343997
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-139487.html

だって、天下のBBCが世論誘導を取り沙汰されている真っ最中の、この事件。
英米では大騒ぎしてますけど、相変わらず日本の主要メディアは鈍い?


【19日追記】
その後、Gosling氏は保釈されました。
今のところ起訴されていませんが、警察は周辺人物に事情を聴いている模様。


【23日追記】
恋人の名前は明かさないと言い張っていたGosling氏ですが、
警察にだけは明かしたようです。それを条件に保釈された模様。


【8月20日追記】
その後、警察の捜査によってもGosling氏の自殺幇助の証拠は出ず、
DPPは警察に無駄な仕事をさせたことに対してGosling氏を訴追する、と。