2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Dr. Deathの手引きで認知症初期の英国人男性がDignitas死(英)

83歳の英国人男性が 認知症の初期であることを理由にDignitasで自殺。 家族はみんな本人の決定を支持し、 妻がスイス行きの手配をした。 ……と発表したのは、英国のDr. Deathこと、Michael Irwin医師。 Irwin医師によると、 今年1月に家族から接触があり、デ…

美しい文章 8: 池田理代子『ベルサイユのばら』

時間つぶしのためにふらっと入った書店の雑誌コーナーで、 不意打ち的になんとも懐かしい人に出会って、 心の奥の軟らかいところに、ふわっと甘やかなものがそよいだ。 いや、なに、この雑誌なんですけど。 http://www.amazon.co.jp/Pen-%E3%83%9A%E3%83%B3-…

「医師の診察室における障害と差別」NYT

NYTに医師が書いた「医師の診察室における障害と差別」という論考。 中心的な主張は以下の一節によくあらわされていると思う。 It’s been nearly 23 years since the Americans With Disabilities Act, a federal law prohibiting discrimination against pe…

豪、NSW州のPAS合法化法案、否決

23日の補遺で拾った オーストラリアのニュー・サウスウェールズ(NSW)州のPAS合法化法案ですが、 上院の投票で否決されたとのこと。 反対 23 vs 賛成 13 。 棄権 5 。 欠員による無投票が 1 。 Australia State Soundly Rejects Bill to Legalize Assisted …

2013年5月28日の補遺

英国の認知症啓発週間。専門職は家族介護者を本人のアドボケイトとして尊重し、アセスメントや介護計画の立案に参加させるべき。 http://www.guardian.co.uk/social-care-network/2013/may/24/dementia-awareness-week-carers-message 23日のエントリーのコ…

メディアのイメージ操作でアルツハイマー病の”予防的安楽死”へと誘導する「安楽死の政治」

オーストラリアの生命倫理学者 Megan―Jane Johnstoneが “Alzheimer’s disease, media representations and the politics of euthanasia: constructing risk and selling death in an aging society” という本を出し、 メディアによるアルツハイマー病の否定…

Rasouli訴訟のサニーブルック病院でまたも無益な治療事件

カナダの最高裁で審理中のRasouli事件については、以下に。 「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所(2011/5/17) 「患者に選択や同意させてて医療がやってられるか」Razouli裁判続報(2011/5/19) カナダのRasouli事件、最高裁へ(2011/12/2…

誤診から余命宣告されたけど「死ななかった男」(MT)

米国、モンタナ州の男性 Mark Templinさんは 2009年に悪性脳腫瘍で余命6カ月と医師に宣告された。 娘さんの一人が医師にどういう死に方になるかと問うと、 脳腫瘍が「カリフラワーのように」大きくなり、脳出血で死ぬ、との答えだった。 そこでTemplinさんは…

2013年5月23日の補遺

米VT州のPAS合法化でメディアが活気づいている。こういうタイミングで必ず出てくるのが世論調査の結果。米国人の半数が合法化支持だって。 http://www.huffingtonpost.com/2013/05/22/assisted-suicide-legalization_n_3314849.html 片や、ギャラップ調査で…

生命維持の差し控えと中止を決めるのは患者の状態よりも、たまたま運ばれたICUの文化

以下の直前2エントリー、 「ガンで死が差し迫った段階を“診断”するツールは未だ存在しない」として、そこで起こる現象の整理を試みた調査(2013/5/22) 新城拓也医師「現時点では医師による終末期の判定は占いの域」(2013/5/23) に大きく関連しているという気…

新城拓也医師「現時点では医師による終末期の判定は占いの域」

昨日の以下のエントリーで取り上げた論文について、 某MLで神戸の新城拓也医師からご解説をいただき、 いただいた情報をエントリー末尾に追記しました。 「ガンで死が差し迫った段階を“診断”するツールは未だ存在しない」として、そこで起こる現象の整理を試…

「ガンで死が差し迫った段階を“診断”するツールは未だ存在しない」として、そこで起こる現象の整理を試みた調査

16日の補遺のトップに拾った論文を kar*_*n28さんがゲット・シェアしてくださったので、読んでみた。 (ただ使用されているDelphiテクニックなるものがさっぱりわからず メソッドの個所に書かれた詳細はパスしたため、理解できたのは概要のみです) 論文タイ…

2013年5月21日の補遺

女性の人権を尊重する政治を! 橋下発言に抗議する緊急院内集会 5月22日(水)15:00~17:00 参議院議員会館 講堂:協賛団体の数がすごい。 http://ajwrc.org/jp/modules/bulletin2/index.php?page=article&storyid=226 英国でFalconer議員が議会にPAS合法…

VT州の「終末の選択」法、成立・施行

14日に自殺幇助合法化法案が議会を通過したVermont州で Peter Schumlin知事が20日、法案に署名。 即日、施行となった。 (実際には保健局の制度導入の準備に数週間かかる) 名称は the End of Life Choices law。 「終末の選択法」。 同州の医療コミッショナ…

2013年5月16日の補遺

緩和ケアの専門家が死の数日前から数時前に起こる現象を詳細に研究した論文。:尊厳死や平穏死が云々されて、まるで終末期医療そのものが包括的に「無意味な延命」であるかのような言論操作がされているけど、こういう研究によって終末期そのものを理解する…

欧州人権裁判所、スイスの自殺幇助に法の明確化求める

80代前半のスイスの女性Alda Grossさんが、 医師による自殺幇助を希望したものの、何の病気もないために 致死薬を処方してくれる医師を見つけることができず、 このまま老いて弱っていくよりも死ぬことを選ぶ権利があると訴えていたケースで、 欧州人権裁判…

オランダの地方自治体が「要介護になったら、まず家族と友人を頼れ」

オランダ政府が、入所型介護支援を最重度者に限定し、 約3万人のリストラを含め介護予算を40%カットして 介護提供責任を地方自治体に移し、 10億ユーロの支出削減を予定していることを受け、 オランダの地方自治体連合から、 それなら介護を必要とする人は…

VT州の“尊厳死法”成立へ

先ごろ上院が尊厳死法案を可決したVermont州で、 下院も賛成75 vs 反対65で可決し、 Schumlin知事は署名を明言しているため、成立することに。 (もともとこの人はPAS合法化を選挙公約にして当選した方で) PASの合法化では米国で3番目の州となるものの、 こ…

「健康な人への無用な検診やめて、資源をケアラーの健康チェックに回せ」と英GP学会

英国のGP学会(RCGP)から、 自分自身のニーズを後回しにし、自分の健康のことを忘れがちなケアラーに 医療資源を回すべき、との声が上がっている。 記事のタイトルと冒頭の1文だけを見ると、 まるで介護者のメンタル・ヘルスの定期チェックだけが言われてい…

Vermont州の自殺幇助合法化法案が上院を通過

標題の件について多くの記事が出ているものの、 ちゃんと読めていないのですが、 なんでもオレゴン州の尊厳死法と類似の法案でありながら、 オレゴンの尊厳死法の規制が全て盛り込まれておらず、 緩やかな内容になっているとか。 http://guardianlv.com/2013…

「訴える言葉を持たない人の痛みに気付く」書きました

これもまた、09年10月に書いたものなのですが、 ここしばらく集中的に考えていることに関連するので、発掘してきました。 訴える言葉を持たない人の痛みに気づく もう何年も前のことだけど、重症重複障害のために言葉を持たない娘が腸ねん転の手術を受けたこ…

へイスティング・センターが生命維持と終末期医療のガイドラインを改定

へイスティング・センターのガイドラインについては、 どこかで言及されているのを読んだ記憶があるかなぁ……という程度だし、 Ashley事件からこちらのあれこれから、へースティング・センター自体に対しても、 思うことはいろいろあるのだけれど、 Thaddeus …

未知なものの不確かさに耐えて目の前の現実を生きることの希望について

以下の昨日のエントリーに、 今朝Moritaさんからコメントをいただき、 そのコメントに誘発されてお返事を書いていたら、 頭のグルグルが止まらなくなったので、 【論文】研修医は<説得の儀式>や<希望つぶし>で誘導する(2013/5/6) いま一つ、きちんと整理…

2013年5月6日の補遺

日本。「胃ろう=悪」というイメージの果てに起きていること http://apital.asahi.com/article/kasama/2013042600011.html 日本。地域包括ケアのコスト 猪飼周平の細々と間違いを直すブログ http://ikai-hosoboso.blogspot.jp/ 自殺幇助合法化を訴えて最高裁…

「ペースメーカーを切ってほしい」と希望する患者が増えている(米)

またまた医師による自殺幇助(PAS)に、 新たなパターンが登場。 ペースメーカー、ICD(埋め込み型除細動機)、LVAD(左室補助装置)を埋め込んでいる患者さんが、 それらがまだ機能しているのにスイッチを切ってほしいと 医師に要望するケースが増えている…

【論文】研修医は<説得の儀式>や<希望つぶし>で誘導する

ある方から、大変興味深い論文をお知らせいただきました。 (Mさん、ありがとうございました) 研修医は医療行為をすべきか悩み、誘導する - ポートフォリオ相談事例の質的分析から 福士元春、名郷直樹 日本プライマリ・ケア連合学会誌 2012, vol. 35, no. …

「アルツハイマーで死ぬよりも尊厳がある」と、ヘビに噛まれた父親の解毒剤を娘らが拒否(米)

Daily Mailがソースみたいなのだけれど、 どこのサイトからもMailのリンクが効かなくなっているので、 こちらのサイトから。 アルツハイマー病を患っていたフロリダ在住のRichard Floraさん(76)。 娘のEllen Wilsonさんの家でガラガラヘビ(Eastern Diamon…

2013年5月2日の補遺

アイルランドのMarie Fleming訴訟の上訴審で、Flemingさん敗訴。「自殺する明示的な権利などというものは存在しない」。 http://www.upi.com/Top_News/World-News/2013/04/29/Irish-court-rules-woman-has-no-right-to-be-assisted-in-ending-her-life/UPI-6…

「NHSでまともな終末期ケア受けられそうもないから」自殺幇助合法化を支持、35%

インターネットを通じた4000人以上への世論調査で、 10人に7人が「不治」の病気の人への近親者の自殺幇助は許されるべきだ、として 英国の法改正に賛成、と答えた。 反対したのは16%で どちらとも分からないと答えた人が14%。 宗教など個人的な信条による…

生命維持の中止に同意しないなら、裁判所に訴えて法定代理人を交代

Russel Border さんは12年3月に Reading Hospital and Medical CenterのICUに入院。 ICUの患者として人工呼吸器その他の延命治療が施されたが、 担当医らはその間に法廷代理人のSharon Grayさんに連絡し、 Borderさんの状態はターミナルで無益なので、 生命…