2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2010年10月30日の補遺

米国の遺伝子特許を巡る裁判で、“法廷の友”からヒトについてもヒト以外についても遺伝子は自然の一部なので特許の対象とすべきではない、との見解。:ほえぇぇ。そんなの最初からそういうことだったんじゃないの? そういう転換を今になって??? http://ww…

「障害者の権利とリプロダクティブ・ライツは相互に否定しない」と優生思想に抗議するステートメント

Generations Aheadという団体が 今回のEdwards博士(体外受精技術の確立)のノーベル賞受賞その他を巡って 以下のステートメントを出し、 障害者の権利と生殖の権利(リプロダクティブ・ライツ)の関係を整理しつつ 優生思想的な生殖の意思決定を促す動きを批…

2010年10月28日の補遺

先週、英国のテレビでもWarnockやらPurdyやらが出て、自殺幇助合法化のディベイトがあったとか。「生命それ自体に本来的な価値があるわけではない」とWarnockさんが言ったらしい。 http://www.lifesitenews.com/ldn/2010/oct/10102709.html 先日のOdoneさん…

日本の尊厳死合法化議論を巡る4つの疑問

尊厳死合法化議論に関しては いくつかの疑問がずっと前から頭の中にぐるぐるしている。例えば、 疑問① 「過剰医療はやめよう」という話と「延命はやめよう」という話が 実は混乱しているのではないか。 疑問② 「何が“無駄な延命”で何が“無駄ではない延命”ま…

2010年10月27日の補遺

先日、自殺幇助合法化は弱者を危険にさらすとの報告書をまとめた政策研究所のCrhistina Odoneさんが燃えている。Mailに寄稿し、GuardianでWarnockと激論し、今度はTelegraphに寄稿。「裕福なエリートが弱者を時期尚早な死に追いやる」と。:確かに、自殺幇助…

2010年10月26日の補遺

オレゴン州のCompassion & Choiceの幹部が、モンタナ州で看護学生などを相手に死の自己決定権について、モンタナ最高裁の事実上の合法化判決となったバクスター訴訟について、講演している。具体的な幇助の方法まで語り、尊厳と人生の全体性を守る方法なんだ…

「PAS合法化なら年1000人が死ぬことに」と、英シンクタンクが報告書

このところシンクタンクの報告書が相次いでいます。 こちらも議会に向けて報告されたもの。 オレゴン型の尊厳死法によって医師による自殺幇助を合法化した場合、 英国では毎年1000人が死ぬだろうと試算。 ターミナルな病状の人に限るというセーフガードは 拡…

ハリケーン・カトリーナでの“避難死”とその周辺

2006年10月号の「介護保険情報」で、連載「世界の介護と医療の情報を読む」に ハリケーン・カトリーナでの高齢者の”避難死”とその周辺について書きました。 メモリアル病院での“安楽死”事件について書いたついでに、以下に。 ハリケーン・カトリーナ 被害か…

2010年10月25日の補遺

10月19日、ロンドンのRoyal Geographical Societyにおいて、自殺幇助合法化に関する討論会が開かれ、反対側が、Oxfordの前ビショップのRichard Harris、Alex Carlile 卿と、Patric Paddy Stone 卿、賛成側がロンドン大学経済学部の法学教授Emily Jacksonとお…

ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 5/5: その後・考察

9月11日、カトリーナの上陸から13日後に、 病院から引き上げられたのは45の腐乱した遺体だった。 警察の捜査では、24人に安楽死が行われたと判断されたが、 検察は最終的に立証可能なのは目撃証言がある7階の4人のみと考えた。 約一年後のPou逮捕の翌日、Fo…

ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 4/5: Day 4

Day 4 (9月1日 木曜日) Tenet社が何台ものヘリコプターを手配。 軍のヘリや警察も来て、救助活動が一気に活発化する。 が、ニューオリンズの治安は悪化する一方で、 警察は病院の警備を午後5時で打ち切るとして、 それまでに患者の避難を終えるよう病院に…

ハリケーン・カトリーナ・メモリアル病院での“安楽死”事件 3/5: Day 3

Day 3 (8月31日 水曜日) カトリーナの上陸から48時間。メモリアルの補助発電機が止まる。 7階ではバッテリー作動となった7人の呼吸器のモニターからアラームが鳴り響いた。 約30分後にメモリアルの看護師がやってきて、急いでヘリパッドまで連れてこい…

ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 2/5: Day 1 とDay 2

Day 1 ( 2005年8月29日 月曜日) カトリーナが迫りくるニューオリンズでも最も標高の低い地域に建つメモリアルには、 200人以上の患者と600人の職員を含む2000人近くが避難していた。 午前4:55、電気が断たれ、病院の補助発電機が作動。 医療機器のための…

ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 1/5: 概要

この疑惑に関する05年当時のCNNニュースを翻訳紹介してくださっている方のブログ記事。 カトリーナ直撃の病院で重症患者に安楽死?2005.10.13(2006/9/23) ニューオリンズから、アメリカを学ぶ 当時、私は英語ニュースをチェックし始めたばかりで、 まだ今の…

2010年10月24日の補遺

NZの介護者支援議論で、家族介護者の交通機関利用は無料に、という声が出ている。 http://www.stuff.co.nz/manawatu-standard/news/4267298/Carers-should-get-free-ticketa 英国Backinghamshireには約44000人の介護者がおり、そのうち約500人が5歳から18歳…

「世界作業療法の日」に寄せて

以下の「作業療法研究室」というブログによると、 10月27日は「世界作業療法の日」なんだそうだ。 http://blogs.yahoo.co.jp/editorasiajot/32495371.html 娘を通じて様々な医療の職種の人たちと出会ってきた中で、 OTさんは医療の中で患者の“生活”に最も近…

2010年10月21日の補遺

まだ続いているオーストラリアの介護者週間の記事。「老親の介護をしている人たちは疲れ、孤立し、忘れられている」 http://www.abc.net.au/unleashed/40290.html オーストラリア首都特別区が、介護者憲章を準備するとして、介護者らから意見募集。「介護者…

ゲイツ財団のメディア・コントロール

9月17日の補遺で Guardian紙に Global Development というコーナーが新設され、 そのコーナーがGates財団とのパートナーシップによるものだということについて 「小さな国家並みのお金を動かすことのできる一民間団体が WHOと組み、Lancetと組み、いくつもの…

2010年10月19日の補遺

米国へ行って日本の介護保険を自慢してくる人がいる。:これは、みんなで、どんどん自慢して歩けばいいと思う。それで、本当に世界に誇れるだけの日本独自の医療と介護の連携システムを作り上げようという覚悟を決めればいい。 http://www.valdosta.edu/news…

早朝の公園にて

朝、5時過ぎにパッキリ目が覚めて眠れなくなってしまったので、起きだして 自宅から徒歩10分の公園にウォーキングに行った。 広い公園内には、テニスコートや野球のグランドなどがある。 その周辺をぐるりと遊歩道が巡っていて、 中高年がウォーキングやジョ…

英国のシンクタンクが「自殺幇助合法化は弱者に危険」と報告書

英国の 施策研究所 the Center for Policy Studies から 自殺幇助を合法化すると、弱者が expendable(処分可能) だとみなされ、 家族や官僚から早々と死ななければならないようにプレッシャーがかかる、 との報告書。 タイトルは Assisted Suicide: How th…

「腎臓ペア交換」と「臓器提供安楽死」について書きました

米国で“腎臓ペア交換”登録制度 最初はジェニファーさん(24)だった。5月24日に事故で帰らぬ人となり、母親が臓器提供を決めた。適合するレシピエントが見つかり、死後2日目にジェ ニファーさんの片方の腎臓はブレンダさん(44)に移植された。そこでブレン…

Dignitasの Minelliが「病人だけじゃなく家族にも致死薬を出そうぜい」

愛する人がターミナルになり、 例えばスイスのDignitasなどに連れて行って自殺させると 愛する人を死なせた家族は落ち込むことになります。 そういう家族自身は、もちろんターミナルどころか病気なわけでもありません。 しかし、そういう家族にも致死薬の処…

2010年10月18日の補遺

これは重要。英国の自殺幇助議論に、Purdy, Pretty, Cambellという3人の女性が果たした役割をまとめた記事。:とりあえず、すぐには読めないけど、読みたい。私はDian Prettyについては良く知らないので、特に必読。【21日追記】読んだけど、思ったほどの記…

2010年10月15日の補遺

米国で42歳の女性が20年間凍結していた胚を使って妊娠、健康な赤ちゃんを出産したそうな。:できるからといって、何でもやっていいものか? http://www.medicalnewstoday.com/articles/204658.php オーストラリアの介護者週間 http://www.westernweekender.c…

介護者支援シリーズ 6: NHSの介護者支援サイト Carers Direct

以下は2010年7月号の「介護保険情報」誌に 英国NHSの介護者支援サイト Cares Directについて書いたものです。 英国NHSの介護者支援サイトCares Direct 先月7日、介護者の権利擁護を進める「ケアラー連盟」が日本で誕生した。これまで介護者が「人権」という…

介護者支援シリーズ 5:障害のある子どもを殺す母親たち

以下は2008年12月号の「介護保険情報」誌に 既に当ブログにも掲載している「介護者の権利章典」と同時に書いた文章です。 障害のある子どもを殺す母親たち このところ、母親が障害のある子どもを殺す事件が気にかかっている。今年に入って記憶にあるニュース…

介護者支援シリーズ 4: 米国 家族介護者月間

以下は2008年10月号の「介護保険情報」誌に 「米国 家族介護者月刊」と題して書いた文章です。 家族介護者月間 米国 厚労省は先ごろ11月11日を介護の日とすることを決定した。また、NPO法人全国在宅医療推進協会(神津仁理事長)が介護者とかかりつけ医の双…

介護者支援シリーズ 3: 英国のNHS憲章草案と新・全国介護者戦略

以下は2008年8月号の「介護保険情報」誌に 英国NHS改革と新全国介護者戦略について書いた文章です。 英国政府、今後10年のNHS改革案と初のNHS憲章草案を発表 “世界に冠たる”と英国民が誇る受診時原則無料の国営医療サービスNHS。今年で60歳になるそうだ。Bro…

介護者支援シリーズ 2: 英国の介護者週間

以下は2007年8月号の「介護保険情報」誌の 連載「世界の介護と医療の情報を読む」に書いた 「英国介護者週間」についての文章です。 英国 介護者週間2007 6月号の当欄で触れた英国の「介護者週間2007」が6月11日から17日に行われた。関連の主…