2010年10月25日の補遺

10月19日、ロンドンのRoyal Geographical Societyにおいて、自殺幇助合法化に関する討論会が開かれ、反対側が、Oxfordの前ビショップのRichard Harris、Alex Carlile 卿と、Patric Paddy Stone 卿、賛成側がロンドン大学経済学部の法学教授Emily Jacksonとお馴染みDebbie Purdyさん、それから哲学者のMary Warnock。 
http://www.indcatholicnews.com/news.php?viewStory=16968

WarnockはGuardianでも、この前「弱者へのプレッシャーがかかる」と反対のスタンスで報告書を書いた政策研究所のCristina Odoneと、激しいディベイトを繰り広げている。なにしろ、「認知症患者には死ぬ義務がある」と平気で言う人だから。
http://www.guardian.co.uk/society/2010/oct/23/assisted-dying-mary-warnock-cristina-odone

4月にスイスへ行って自殺した英国の64歳の男性(すい臓がんと糖尿病があった)の件で、警察が自殺幇助容疑の捜査を開始。:Dignitasについて「自殺幇助センター」とこの記事は書いている。Dignitasはよく「クリニック」と書かれているけど、運営しているMinelliは弁護士。提携医は6人いるらしいけれど、常駐の医師はおらず、クリニックではない。Dignitasの公式サイトにもクリニックだとは書かれていない。ただ、そういうところで、どうして毒物を保管したり扱えるのか、私はずっと不思議なんだけど。
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-somerset-11604892

障害のある子どもは、ない子どもに比べて虐待のターゲットとなる可能性が7割も高い。親や養育者への啓発を、と豪の障害者アドボケイト。
http://news.smh.com.au/breaking-news-national/disabled-children-targets-for-abuse-mp-20101025-16zvc.html

Bad CrippleことWilliam Peaceのブログによると、NYで71歳の母親が31歳の脳性マヒの娘を連れて無理心中。自分が末期がんと診断されたことが理由らしい。FENの自殺指南書が見つかったとのこと。FENの直接の関与については不明。「自殺のための情報よりも、必要なのは支援。障害のある人には必要な介護を得る権利がある、という認識」とPeace。
http://badcripple.blogspot.com/

米国医師会新聞の記事で、06年に一時的であれメディケアでナーシング・ホーム等の介護サービスを利用した人は全体の3%の220万人なのだけど、費用でいうと全体の5%になるのだそうな。:でも、先端医療を受けた人の人数と金額のパーセンテージって、一体どういうことになっているのだろう? 3%の人で5%の金額よりも、はるかに圧倒的に少ない人数で金額が圧倒的に多いんじゃないのかな。あ、それとも、そういう医療は自腹の人だけで、メディケアでは最初から受けられないのか。
http://www.ama-assn.org/amednews/2010/10/25/gvbf1025.htm

小山エミさんのブログ、「消極的義務」の倫理――哲学者フィリパ・フットとその影響。:すごく勉強になった。功利主義のいかがわしさって、白人知的エリート男性の傲慢とどこかでつながっているような気が前からしていた。それはTH二ストにも通じる気がするんだけど、ちゃんと説明できない。
http://macska.org/article/280