#倫理学
本当に申し訳ないのですが、 拙著『アシュリー事件』の上梓から2年も経って、 きわめて重大な誤りに気づきました。 116ページの12行目(後ろから4行目)、 病院側に支払われた総額が漢数字で「26万3890ドル15セント」となっていますが、 これは「2万6389ドル…
当ブログでずっと追いかけてきたRasouli訴訟に 18日、カナダ最高裁から判決が出ました。 「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所(2011/5/17) 「患者に選択や同意させてて医療がやってられるか」Razouli裁判続報(2011/5/19) カナダのRaso…
拙著『死の自己決定権のゆくえ』の刊行後に出てきた ベルギーとオランダについての情報をいくつか、簡単に追記。 ① ベルギーの「安楽死後臓器提供」ドナーに精神障害者も ベルギーの安楽死後臓器提供について移植医らが5月に発表したところでは、 DCDの肺提…
迷ったのだけど、 やっぱりこの話題はこちらのブログに書くべきか、と。 ただ、これまでのような詳細情報ではなく、 Spitzibara自身のメモのようなものになります。 米国ウィスコンシン大学が、家族の要望を受け、 14歳の自閉症スペクトラム障害の男児Kade H…
拙著『アシュリー事件』または『死の自己決定権』から当ブログをご訪問くださった方へ。 【2013年10月29日追記】 拙著『アシュリー事件』を読んでくださってご訪問いただいた方へ 116ページのアシュリーの入院時の総額は誤りでした。 大変申し訳ありません。…
しょー凝りもなく(笑) 新しいブログを始めました。 『海やアシュリーのいる風景』といいます。 こちらのブログ『Ashley事件から生命倫理を考える』については、 これまで書いてきたことの関連でどうしても書かずにいられないことも出てくるだろうし、 また…
9月の頭に報道されたところによると、 2012年、米国の富全体の5分の1が わずか1%のスーパーリッチに占められていた、といいます。 新記録更新とのこと。 http://www.usatoday.com/story/money/business/2013/09/10/pay-gap-richest-poorest/2793343/ そん…
8月末にこのブログを休止してからずっと 頭の中にぐるぐると転がり続けている言葉がありました。 スタンフォード大の法・生命科学センターのHank Greely氏が 最新の着床前全ゲノム読解診断検査について言った、次の言葉です。 世界にはざっと200の国があり…
ブログを休止しているところなのですが、 当ブログの起源として、これは資料として残しておきたい……というものが出てきたので。 しばらく前にパソコンの故障で大量のデータが失われたために 紛失したとばかり思い込んでいた大事な資料が なんと目立たないフ…
当ブログは2007年5月に アシュリー事件を追いかけるために立ち上げたものでした。 いつのまにかアシュリー事件からその周辺へと興味関心が広がり、 それから、ざっと6年あまりになります。 元より「世界ではいったい何が起こっているのか」 「こんなことが起…
23日に刊行になった拙著 『死の自己決定権のゆくえ:尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』について シノドスに、新刊著者インタビューが掲載になりました。 http://synodos.jp/newbook/5404 タイトルは 共鳴する「どうせ」で、いのちの選別を行わないために…
カナダ、ケベック州の安楽死法案、議会へ。 http://www.nationalrighttolifenews.org/news/2013/08/quebec-euthanasia-bill-introduced/#.UiFrPD9AHct 【関連エントリー】 ケベックの法案は「医療的自殺幇助」という名の安楽死合法化法案(2013/6/14) ケベッ…
5月にフィラデルフィアで誕生した Connor Levy君については 以下のエントリーで紹介しましたが、 全ゲノム読解で病気チェックした赤ちゃん誕生(米)(2013/7/11) その続報のような形で書かれたWPの記事があり、 こうした次世代シーケンシング(NGS)による着…
メディカル・コントロールと新・優生思想の周辺から出てくるニュースには それまで想像もできなかった形の科学とテクノロジーの応用に仰天すると同時に、 考えてみれば、いろいろ起こっていることの当然の帰結だなぁ、と 改めて納得させられる……ということが…
ショックだ……。 1ヶ月前に何の前触れもなくPCがぶっ壊れて たまたま前の日に3本も書いて寝かせていたエントリーの原稿がオジャンとなる、 という悲惨な体験をした。 もちろん今さら、 その時のショックを書きたいわけではない。 一生懸命に書いたのに消え…
英国ロンドンの保護裁判所が 本人の最善の利益だとして知的障害のある男性に精管切除を認めた。 男性はDE。37歳で、 10年来のガールフレンドPQとの間に既に2010年に生まれた息子がある。 DE本人はこれ以上子どもを持ちたくないと考えているが 知的障害のため…
ケンブリッジ大からカナダのウエスタン・オンタリオ大に招聘されたA・オウェン教授が 植物状態と診断された患者と脳スキャンを通じてコミュニケーションをとる方法を 研究していることについては以下のエントリーで触れてきましたが、 (23日に出た拙著『死…
今日はまず、 拙ブログで扱っているテーマに興味をお持ちの方に、ぜひとも訪問していただきたい 米国在住のえりさんのブログ「これからどうしようか」をご紹介。 えりさんには 13歳の重症障害のある娘さんを含め、3人の子どもさんがおありです。 重症障害児…
生命維持続行を指示する患者本人の意思を無視するため、 意思決定能力のある患者に代理決定者を立てようとした ペンシルベニア州Allentownの St. Luke’s病院が敗訴。 裁判所は病院の訴えを認めなったばかりでなく、 こうした主張を行ったことに対して罰則を…
これまで、障害者に対する医療差別の問題はいくつかのエントリーで拾っており(詳細は文末にリンク)、 その内容については今回の拙著『死の自己決定権のゆくえ』の第3章でも 「医療と障害のある人々」というセクションを設けて紹介していますが、 8月10日の…
『死の自己決定権のゆくえ』 注 各章の注に挙げられた URLリンク一覧はこちらです ↓ まえがき 注 第1章 注(1)~(38) 第1章 注(39)~(76) 第2章 注(1)~(36) 第2章 注(37)~(60) 第3章 注 注のURLについては 校正時にリンク切…
先月のエントリーでお知らせした拙著 『死の自己決定権のゆくえ - 尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』が 出来上がり、今日、手元に届きました。 (書店に出回るのは数日先になると思われます) 表紙には木漏れ日の写真が使われています。 キャンドルと水…
数日前から多数の報道がある一方で、 詳細が出てこないので様子見をしていた たいそう気になる英国の事件。 西サセックス州、Chichesterの65歳の女性と25歳の息子が 71歳の夫(父親)をディグニタスへ連れて行こうと計画した容疑で逮捕された。 (その後、保…
日本。福井公子さんの『障害のある子の親である私たち――その解き放ちのために』。生活書院から、まもなく発売。福井さんに関するエントリーは ⇒ 「行動する親」という呪縛(2013/1/9) http://www.seikatsushoin.com/bk/115%20shogainoarukonooya.html カナダ…
米ミシガン州で、末期患者に無用な抗がん剤治療を行ったとして、ガン専門医を起訴。過剰医療でメディケア費用を使わせた容疑。前にも似たような話が出ていたけど、「無益な治療」論の新たな方向性? http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/08/oncologist-…
世界医師会は 今年4月のインドネシア、バリでの第194回委員会セッションにおいて、 2002年10月の米国ワシントンDCでの第53回WMA全体会議で採択された 安楽死に関するWMA決議を再認した。 安楽死については Euthanasia, that is the act of deliberately endi…
昨日、佐々木千津子さんの訃報を聞き、 その直後に久々にこのブログにコメントが入ったと思ったら それがなんと佐々木千津子さんのことを書いたエントリーだったという、 どこをどう押しても単なる偶然とは思えない不思議な出来事があって、 佐々木千津子さ…
『読み解き「般若心経」』 伊藤比呂美 朝日文庫 いや~、めっちゃ面白かった!! 表紙に「エッセイ + お経 + 現代語訳」とあるように、 カリフォルニア在住の詩人が熊本在住の老親の遠距離介護の生活の中から、 死について考え、そうした自分自身の必要か…
Savulescuによる「道徳ピルのすすめ」プレゼンのビデオが BioEdgeのエントリーにあったので、 ざっと聞いてみた。 聞き取りには自信がないので かいつまんで概要のみ。 最初にSavlescuが自問自答してみせるのが 「地球温暖化を起こすのは? 二酸化炭素」 「9…
オランダのフリーゾ王子(現国王の弟)が昨年2月に オーストリアでの休暇中に雪崩に巻き込まれて意識不明となった事件については、 以下のエントリーで拾っていますが、 13日に亡くなったとのこと。 脳損傷で英国に運ばれたオランダの王子めぐり尊厳死議論(2…