生命維持を中止するため、自己決定能力ある患者に代理決定者を求めた病院が敗訴(PA州)

生命維持続行を指示する患者本人の意思を無視するため、
意思決定能力のある患者に代理決定者を立てようとした
ペンシルベニア州Allentownの St. Luke’s病院が敗訴。

裁判所は病院の訴えを認めなったばかりでなく、
こうした主張を行ったことに対して罰則を課した。

無益な治療ブログのThaddeus Popeは、
無益な治療をめぐる係争解決で代理決定権者の任命が有効に機能するには
以下の2点が必要だとしており、

・ 患者自身がその治療を特定して求めているときに
代理決定者が生命維持治療の中止に同意することはできない。

・ 患者にまだ意思決定能力がある時には
医療提供者は代理決定者のことは考えるべきではない。


ポウプは今回のPA州の病院は
この両方をないがしろにしていると呆れているけれど、

これまでも家族が続行を求めているのに
家族とは別途、病院が推薦した弁護士が代理決定者に任命されて生命維持が中止されたケースや、

州の保護下に置かれた患者で、
本人の意思とは別に代理決定者が任命されて中止されたケースもあったと記憶するので、

(どちらもエントリーはあると思うのですが、
今ちょっと探すだけの余裕がないので、リンクはパス)

このPA州のケースは怖い話だけど、少なくとも、
「無益な治療」論のゆくえに見え始めている可能性の一つなのでは?