2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「患者の医療記録に研究者のマル秘アクセス認めようよ」とLancet

11月18日のエントリーNHSの患者データから研究者が治験参加者を一本釣り?で 紹介しましたが、 英国政府が科学者らにNHSの患者データへのアクセスを解放して 治験の対象となる患者を把握しやすくしようとの目論みに対して、 医療と福祉の情報管理監視団体の…

Ashley父が解決策を提言しそうなRisperdalの副作用

大物児童精神科医Biederman医師との癒着が取りざたされているJ&J社の抗精神病薬Risperdalによって 男児の胸が大きくなる副作用が先週のFDAの会議において話題に。 Risperdalの副作用被害についてJ&J社を相手取って訴訟を起こしている被害者らの弁護士による…

”魔女狩り”で大人に虐待される子どもたち(アフリカ)

今朝の朝日新聞に アフリカのアンゴラで 親を始め大人たちが子どもを悪魔扱いして排斥・虐待しているというニュースがあり、 その記事ではキリスト教会が子どもたちを保護していると書かれているのですが、 去年、ナイジェリアでの同様の事態についてニュー…

NE州、法改正で終わらず支援策を約束

日本での「こうのとりのゆりかご」制度に当たる”安全な隠れ家法”で 10代の子どもまで30人以上が“棄てられる”事態を招いた Nebraska州は先週改正してその対象を乳児に絞りましたが、 同州議会は今回の事態を 追い詰められた家族からのSOSであり、 児童福祉…

Risperdal他、適応外処方にはもっとエビデンスが必要

Pharmacotherapy誌に発表された研究が 適応外処方にはもっとエビデンスが必要だとする薬物として14の名前を挙げています。 Risperdal他、リストには 抗ウツ薬と抗精神病薬が目立っています。 14のうち6つの薬物で使われていた 最も一般的な処方は双極性障害…

Biederman医師に更なる製薬会社との癒着スキャンダル

この話題ばかりを追いかけるつもりはないし、そろそろ食傷気味でもあって、 今朝、拾ってしまった時には、そのまま流そうと思っていたのですが、 その後もあちこちで目に付くので、それなりに大きなニュースらしく、 とりあえず、簡単に。 このところ相次い…

Obama移行チームにWisconsin大・生命倫理・法学教授

R. Alta Charo という女性がその人で クリントン政権下でも生命倫理諮問委員会のメンバーを務めています。 大学サイトのプロフィールページはこちら。 Wisconsin大学と言えば、 Ashley事件以来、米国の医療における急進的な生命倫理を説く要注意人物として …

英国でダウン症児の出生数が増加傾向

スクリーニングが広く行われるようになった1989年以降、 英国でのダウン症児の出生数は毎年減少し、 2000年には594人にまで下がった。 ところが2001年からの6年間で15%増加して 2006年には746人に。 女性の出産年齢が上がったことに加えて、 ダウン症の子…

NE州“安全な隠れ家法”を改正

10月1日のエントリーNE州で「こうのとりのゆりかご」ジレンマで紹介したケースの続報。 ネブラスカ州で 日本で言う「こうのとりのゆりかご」の制度が18歳までの子どもを対象としているために 10代の子どもたちを“捨て”にくる親が相次いで問題になって…

今度はラジオの人気ドクターにスキャンダル

米国ではGrassley上院議員の調査が次々に 精神科医と製薬会社の癒着を暴いていますが、 今度はメジャーなラジオ局NPRの人気番組“the Infinite Mind”のホストで The National Institute of Mental Healthの前所長であるDr. Frederick K. Goodwinに 製薬会社と…

抗ウツ剤巡る研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2

17日のエントリー 抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)で 紹介した報告書、実はPartⅠでした。 Part1だけでもあまりに長文で読みくたびれたので 後半は探してまでは読むまいと考えていたのですが、 19日にPartⅡがアップされ…

出生前診断をショーバイで語るとこうなる

Sequenomとは 出生前診断である“SEQureDx検査”を来年早々に売り出そうとしている San Diegoの遺伝子解析会社。 そのトップHarry Stylli氏がどこかの医療関連の会議で語ったんだそうな。 ダウン症候群のような染色体異常の出生前診断のマーケットは 世界中で3…

マラリア撲滅も新興テクノロジーによる合成薬で

マラリア撲滅といえば、言わずと知れたBill and Melinda Gates 財団の金看板。 Gates夫妻が最も力を注いでいる分野の1つですが、 マラリアの治療に有効とされているのは アーテミシニン(住血吸虫薬)とその他の半合成薬剤との併用によるACTと呼ばれる治療…

自前幹細胞使い気管支移植に成功(欧)

スペイン、バルセロナの30歳の女性 Claudia Castilloさんに 本人の幹細胞で作った気管支の一部が移植された。 Castilloさんは結核で気管を損傷し、 6月の移植手術がなければ肺を摘出しなければならないところだったが 手術の成功で現在は普通の生活を送っ…

子どもへの抗精神病薬でFDAと専門家委員会が責任なすりあい

去年、Risperdalでの治療を受けた子どもは38万9000人で そのうち24万人は12歳以下だった。 また多くのケースでADHDの治療として処方された。 しかし、Risperdalの処方はADHDには認可されておらず それは体重増加、代謝異常、筋チックなどの副作用…

若者の3人に1人が「女への暴行なんか大したことじゃない」(豪)

オーストラリアで行われた10代の若者対象の調査で 全国の10代の少年の3人に1人が 「女性への暴行はたいしたことではない」と考えており、 ほぼ同数が 「ほとんどの暴行は、相手がそういう気になるようなことをするから起こる」と考えている。 こうした…

英国の臓器提供“みなし同意”論争

Brown首相は臓器提供について 現在の提供に同意する人が予め登録しておく“登録制”から 特に「提供しない」との意思を表明していない限り同意とみなす“みなし同意”制へと 法律を改正して移植用臓器を増やしたい考えなのだけれど、 専門家委員会は 実効性が薄…

NHSの患者データから研究者が治験参加者を一本釣り?

ブラウン首相と保健相は 英国の医学研究の国際競争力強化を狙って 研究者らにNHSの患者データへのアクセスを認めて 研究者から患者に直接治験へのお誘いをかけられるようにしようと考えており、 NHS憲章草案と同時に発表されたガイドラインの中に そうした項…

抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)

Scoop というニュージーランドのニュースサイトに 「製薬業界のハスラー Part 1 :SSRI 抗ウツ剤を強引に売り込む人たち」 というタイトルの長文記事があります。 Paxilの副作用被害を巡って訴訟を起こしている法律事務所がまとめた報告書の一部のようです。…

「凍結胚から生まれた子どもの方が健康」だって

フレッシュな(凍結されていない通常の)胚から生まれた子どもの方が 凍結胚から生まれた子どもに比べて 未熟児になる確率が35%高くて、 低体重になる可能性が64%も高い…… というのがフィンランドの研究結果。 フレッシュな胚から生まれる子どもの方が…

Hannahの移植拒否報道に思うこと

前回のエントリーで紹介したケース、 13歳の少女が延命効果が見込めない心臓移植を拒否し 残された時間を家で家族と共に過ごしたいとの望みが受け入れられたケースについて 日本を含めて、あちこちで報道されているようですが、 ちょっと気になるのは Hannah…

13歳少女、延命効果なくても心臓移植やりたがる医師にNO(英)

Hannah Jonesさん。 13歳。 5歳の時に白血病にかかり、 その化学療法によって心臓に穴が開いたため 成長と共に心拍が身体に追いつかなくなって 遂にターミナルな状態になった。 そこで医師らは心臓移植を提案。 だたし、手術に命の危険が伴うのはもちろん、 …

“デジタル・ネイティブ”は慈善資本主義よりもTHニズムよりも怖いかも

こんな言葉があることすら知らなかったのだけど、 初めて聞いた瞬間に、いかにも合点されるネーミングだった。 デジタル・ネイティブ──。 英語を母国語として育った人を英語の「ネイティブ・スピーカー」というように 物心ついた時からネットがあるのが当た…

「なぜ大国アメリカで?」と医師が憤る無保険者の実態

Virginia州Wise郡のカウンティ・フェア用地に年に1度、 800人以上の医療ボランティアが終結し、 テントとトレーラーで、まるで野戦病院のような無料診療所を 3日間だけ開設。 早朝から集まった無保険者は2500人以上。 歯の治療が必要な人から脳腫瘍や癌の患…

携帯で精神障害のある青少年の行動をトラッキング(豪)

オーストラリア&ニュージーランド青少年精神医療カンファレンスにおいて “革新的な”プログラムが報告されたというニュース。 パイロット・スタディとして臨床試験中のプログラムMobiletype. またの名を Mobile Tracking of Young People’s Experiences. (携…

「ダウン症の息子が社会の重荷」とドイツ人医師に永住権を拒否 (豪)

ドイツ人のBernhard Moeller医師が2年前にオーストラリアに来たのは 無医村状態だったビクトリア州の田舎町Horshamの窮状を救うため。 妻と2人の子どもを連れて移り住み、 以来、人口54000人の小さな町で、 ただ1人の内科専門医として診療に当たって…

健康と身体能力改善の主要6テクノ(NBICレポート)

前回のエントリーで読んだNBICレポートの 主要6テーマのひとつ「人類の健康と身体能力の改善」の中で 具体的に項目として挙げられている6テクノロジーとは 1. ナノ・バイオ・プロセッサー NBICのテクノロジーを統合して人類の健康と身体機能の改善に役立…

「人類の健康と身体能力の改善」NBICレポート

米国商務省と国立科学財団の共催で2002年にまとめた ナノ、バイオ、インフォ、コグノの4テクノロジー (NBIC)の統合に関するセミナーのレポートを 少しずつ読んでいるところですが、 今回は、NBIC統合の主要6テーマの2番目、 「人類の健康と身体能力改善」の…

ブタの臓器10年後には人間への移植可能に?

これまた例によって「かもしれない」、「その可能性がある」という話ですが、 3年後には、恐らくは最初は腎臓から、 遺伝子組み換えによるブリーディングで作られたブタの臓器が人間に移植可能となる、 臨床試験さえ上手くいけば、 2018年には広く使わ…

「出生前診断やらないとロングフル・バース訴訟で負けますよ」と加医師会

カナダの医師会雑誌 CMAJの11月号に 気になる論文が「分析」として掲載されています。 簡単に言えば、 2007年の染色体異常の出生前診断に関する診療ガイドラインで 年齢を問わず全ての妊婦に行うよう勧告されているので、 出生前診断を提供しないと訴訟を…