NE州、法改正で終わらず支援策を約束

日本での「こうのとりのゆりかご」制度に当たる”安全な隠れ家法”で
10代の子どもまで30人以上が“棄てられる”事態を招いた
Nebraska州は先週改正してその対象を乳児に絞りましたが、

同州議会は今回の事態を
追い詰められた家族からのSOSであり、
児童福祉制度の欠陥を示す衝撃的なサインだと正しく捉えて、
新たに委員会を設け、40日後に始まる次の議会で支援策を検討する、と。

そこでNY Timesが具体的にまずやるべきこととして提案しているのは
危機カウンセリングと、問題を抱えた子どもの親を支援するレスパイト・ケアの改善。
それから社会福祉制度の構造改革

これまでは、まず子どもの親権を州に移行させてから
精神障害や行動に問題のある子どもたちを持つ親への支援が始まっていたため
多くの子どもたちが家庭から少年拘置所や施設に移されて
予算が使われる割に、子どもたちはそのまま司法制度に留まりがちだった。
今後は地域に根付いた早期介入プログラムを立ち上げて
住んでいる場所で家族に支援が届くようにする必要がある。

また連邦政府助成によるワーキング・プアへの支援も
困っている家族が受けやすいように拡大するほか

これまで資格審査が厳しかった
州の子ども向け健康保険(S-chip:7割を連邦政府が助成)の資格要件を緩めることも必要。

わずかに緩めるだけでも
必要不可欠な精神医療サービスを受けられる子どもたちが増えるだろう、と。

A Promise to Help Nebraska’s Families
The NY Times, November 26, 2008


この問題では日本の報道の論調が
「養育放棄をする親の無責任」にだけ偏っているように思われて
その点がとても気になっていたので
このニュースには明るい気持ちになりました。

どこかの国みたいに
都合のいい数字を並べて「脱施設」だけを唱え、
地域に根付いた在宅支援サービスはとんと整備しないまま
サービスは使えなくなり、事業者もやっていけないし……という法律を作るようなことは
まさか、しないよね、NE州。