Risperdal他、適応外処方にはもっとエビデンスが必要

Pharmacotherapy誌に発表された研究が
適応外処方にはもっとエビデンスが必要だとする薬物として14の名前を挙げています。

Risperdal他、リストには
抗ウツ薬と抗精神病薬が目立っています。

14のうち6つの薬物で使われていた
最も一般的な処方は双極性障害の治療として使われたもの。

去年1年間で17歳以下の子どもへのRisperdalの処方は1割も増加したとのこと。

研究者の1人は
「どんな薬であれ、ここで報告した程度にまで適応外処方が増加するということは
製薬会社が噛んで、そういう使用法を進めているということだろう」と。

名前が挙がったのは以下の14。

Risperdal
Quetiapine
Warfarin
Escitalopram
Montelukast
Bupropion
Setraline
Venlafaxine
Celecoxib
Lisinopril
Duloxetine
Trazodone
Olanzapine
Epoetine alfa

14 drugs that need more study
The Chicago Tribune, November 25, 2008


この記事を読んで思い出したのですが、

つい先ごろ、コレステロールを下げる薬であるStatinについて
コレステロールが高くない人や心臓発作の既往歴がない人にも
心臓病や脳卒中の予防効果があるという目覚しい研究結果が報告されました。

その効果が激賞されて、そんなにいいのなら
すぐにもみんな、こぞって飲もうよといわんばかりの報道が繰り返される中、
NY Timesが「いや、まず飲むべき対象者をしっかり見極めてから」と
ブレーキをかけていたのが印象的でした。



このNY Timesの記事によると、
Statinの目覚しい効果を報告した論文を掲載した
The New England Journal of Medicineのエディトリアルも
何の病気もない人に何十年にも渡って薬物療法をやらせる前に
コレステロールのレベルを大きく下げることの長期の安全性について
確かめることが重要だと強調していたとのこと。

その頃、どの記事だったかに、
「カウチ・ポテト生活をしてもStatinさえ口の放り込んでいれば大丈夫と
考える人が増えるのでは」と懸念する声もあったような……。

昨今の米国の“なんでも薬とテクノで簡単解決”文化を見ていると
確かにそういうノリの人が出ても不思議はないような……。

これをブームにして儲けたい人がまた、そういうコマーシャルを流すのでしょうし。


そしてStatin といえば、
7月のエントリーで取り上げたように、
米ではスタチン8歳からどんどん使おう、と
ここでもまた子どもへの使用が小児科学会によって奨励されていたりも……。