2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avandiaスキャンダル

糖尿病の治療薬Avandiaをめぐるスキャンダルは 補遺で何度も断片情報を拾ってきたので、気にはなりながらも、 製薬会社と研究者の癒着スキャンダルの構図は結局のところ ずっと同じことが繰り返されているだけだという気がして、 手間をかけてエントリーにす…

医療費削減につながるかどうかの問題? WPの新型遺伝子診断記事

米国で昨年12月から売り出されている新型出生前遺伝子診断、 販売している企業によれば、すでに何万人もの女性が受けたと言うが、 FDAの規制対象とはなっておらず、 また正確性やどういう役割を果たすことになるかについて疑問視する声もあり、 そのために保…

2012年11月28日の補遺

11月13日の日本産科婦人科学会・公開シンポ「出生前診断―母体血を用いた出生前遺伝学的検査を考える」での財団法人日本ダウン症協会 玉井邦夫理事長講演録「何を問うのか 新しい出生前検査・診断とダウン症」必読。「どんなDNAなら生まれてきてもいいのか」…

デンマークで回復事例 不安からドナー登録取り下げる人も

1ケ月前の記事ですが、 またもデンマークで「無益な治療」停止+臓器提供が決められた患者の回復事例。 去年10月、車の事故で大けがを負ったCarina Melchoirさんは Aarhus 病院に運ばれて3日後に脳の活動が消え始めたため、 医師らが治療の停止を家族に相談…

NY法科大学の終末期医療シンポめぐる論争 3

前のエントリーからの続きです。 ビル・ピースが11月17日に書いたエントリーは以下。 Conference Controversy Bad Cripple, November 17, 2012/11/27 ピースはこのシンポについて知った時に、 まずスピーカーのほぼ全員にC&Cとつながりがあることを考えると…

NY法科大学の終末期医療シンポめぐる論争 2

前のエントリーからの続きです。 実際のシンポ当日、 NDYの関係者3人が会場で抗議のビラを配った。 それについて書かれたDrakeの11月19日のエントリーがこちら ↓ NDY Activists Leaflet Justice Action Center (NY Law School) Featuring Opponents Discussi…

NY法科大学の終末期医療シンポめぐる論争 1

11月16日にニューヨーク法科大学のJustice Action Centerのシンポジウム 「終末期の選択の自由―変わりゆく法的・政治的情勢における患者の権利」をめぐって、 Stephen DrakeらNot Dead Yetの関係者らが激烈な批判をし、 Thaddeus PopeやBill Peaceらがブログ…

医師が主導して考えさせ、医師の指示書として書かれる終末期医療の事前指示書POLST

最近ちょこちょこ目にするので気になっていたPOLSTを NYTの社説が取り上げている。 POLSTとは、 Physician Orders for Life Sustaining Treatmentのことで、 生命維持治療に関する医師の指示書。 医師が主導して患者の終末期医療について話し合いをして 終末…

2012年11月25日の補遺

【POLSTについて】 最近あちこちで目にして気になっていたPOLST(Physician Orders for Life Sustaining Treatment)をNYTが取り上げている。事前指示書を患者の判断で書かせようとしてもなかなか普及しないから、医師の主導で話し合いを持って患者から聞き…

2012年11月22日の補遺

英国で問題になっているLCPを家族の同意なく適用されたとして、Alan Boothさん「医師らに妻を殺された。自然死でもないしガンで死んだのでもない。死なすためのLCPにされたんだ。そうしておいて、それを「ケア」だというんだから」。保健相は、LCPは家族の同…

新型出生前遺伝子診断に関する米英の動きと議論

侵襲度の低い新型出生前診断については、 英語圏で問題になっていた08年、09年を中心に考え書いてきたので、 日本で議論になってからは9月に以下のエントリーを書いたきりですが、 ダウン症の新型検査をめぐって(2012/9/9) 10月末に米国からダウン症の専門医…

14歳の5%前後にステロイド使用経験 (米)

Pediatricsに発表されたミネソタ大学の研究者らの調査で、 ミネアポリス地区の14歳前後の高校生2700人以上に 筋肉をつけようと食生活を変えたり、プロテイン粉末を摂取したり ステロイドを使ったり、運動量を増やしたことがあるかをアンケートしたところ、 5…

ホームレスになった統合失調症患者の父親・元議員が振り返る、精神医療「改革」の失敗

コネチカット州の下院議員と市長として、 25歳の時から精神保健医療の「改革」に力を注いできたPaul Gionfriddoさんが、 統合失調症を発症した息子が 医療からも教育からも司法からも適切な支援を受けられずに ホームレスに転落していくまでをWashingon Po…

2012年11月19日の補遺

ここ数日、「エヴァ・キテイとセーシャのこと」エントリーのコメント欄で実りの多いやりとりをさせていただいたhijijikikiさんのまとめなど、メモとして以下に。 「どうして障害児を産むことをそんなに恐れるんだろうか」から始まったやり取り 「自分より得…

2012年11月16日の補遺

ゲイツ財団のGAPP早産・死産撲滅プロジェクトのパートナーMarch of Dimesから州ごとの早産ランキング。 http://www.medicalnewstoday.com/releases/252771.php March of Dimesについては ⇒ 新生児スクリーニングは「精神遅滞のような重大な問題や死」を防ぎ…

米TV番組”The Suicide Plan” FEN事件を詳細に

1時間23分41秒の番組を以下から全編、視聴することができます。 The Suicide Plan PBS, Frontline, November 13, 2012 前半は主に Compassion & Choiceの活動。 C&Cからの情報提供を受け、薬物を手に入れた肺ガン末期の女性が 夫の負担になりたくないからと…

Owen教授の研究で、12年以上「植物状態」だった患者に意識があることが判明

当ブログでも何度か取り上げてきた英国の神経科医Adrian Owen教授が BBCの番組Panoramaに出演して、 植物状態とされたカナダの患者が、脳スキャンを使ったやりとりで、 意識があり、苦痛を感じてはいないことを告げた、と報告。 重症の脳損傷を受けた患者が …

2012年11月12日の補遺

BBCがTerry Pratchettをプレゼンターに作成した自殺幇助のドキュメンタリー Choosing to DieがGrierson英国ドキュメンタリー賞を受賞。:「BBCは合法化のチアリーダーだ」との批判が出ていた、あのドキュメンタリー。 http://www.telegraph.co.uk/culture/fi…

成人した脳死状態の息子の精子、両親には採取の権限なく(米)

ヴァージニア州のRufus McGillさん(19)は 10月14日に交通事故を起こして危篤状態となり、 医師らは脳死である可能性が濃厚だと両親に告げた。 離婚しているが良好な関係にあるRufusさんの両親は 息子の回復を祈りつつ、万が一回復不能な場合には 息子の精…

MA州の自殺幇助住民投票結果の分析

6日のMA州の自殺幇助合法化が阻止されたことの要因を 7日からいろいろなところが分析しているのですが、ほとんど読めていません。 さっきたまたま目についた保守・プロライフのサイトLifeSiteNewsの分析で、 障害者運動からの反対運動が要因の最初に挙げられ…

今週のミュウ 11

園との連絡ノートから。 今日、(隣接の養護学校での)文化祭の展示見学に行ってきました。 始めは学齢児さんの教室へ。 「どこ? 何?」という表情で少し緊張気味。 (一応しっかりお伝えして行ったつもりだったのですが……) 次に、保育&成人グル―プの部屋…

2012年11月7日の補遺

Obama大統領の受諾演説の全文トランスクリプトが出ています。 http://www.washingtonpost.com/politics/decision2012/president-obamas-acceptance-speech-full-transcript/2012/11/07/ae133e44-28a5-11e2-96b6-8e6a7524553f_story.html?wpisrc=nl_cuzheads …

「認知症高齢者への抗精神病薬をめぐる動き」を書きました

認知症高齢者への抗精神病薬をめぐる動き 英国で衝撃的な裁判のニュースがあった。 ミドル・サセックス州ヘイズのナーシング・ホーム(以下ホーム)の看護師で主任職員のMirela Aionoaei(37)は、夜勤の際に(自分が)眠りたいために、認知症の入所者に抗精…

MA州の自殺幇助めぐる住民投票 合法化ならず

【8日追記】 今日の報道によると、最終的に 反対51% vs 賛成49% だったとのこと。 【20:40 追記】 以下の通り、 安楽死防止連合のAlex Schadenbergが祝勝記事を書きました。 (最終結果は書いてありませんが) Boston Globe紙の読み通り、MA州のPAS合法化…

2012年11月6日の補遺

英国Janet Traceyさんの一方的DNR指定問題の訴訟で、Addenbrook病院の方針に調査。 http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-cambridgeshire-20205925 Grassley上院議員と言えば、ビッグファーマ関連スキャンダルを暴きまくってきた立役者なんだけど、今度は他…

Dr. Emanuel「PASに関する4つの神話」

6日(明日ですね)のMA州のPAS合法化に関する住民投票を前に 10月27日に生命倫理学者のEzekiel J. EmanuelがNYTに 「医師による自殺幇助に関する4つの神話」と題した論考を寄稿。 Four Myths About Doctor-Assisted Suicide NYT, October 27, 2012 Emanuel医…

エヴァ・キテイとセーシャのこと

「ケアの倫理からはじめる正義論 支えあう平等」を読んで、 これまで、同じ重症障害のある娘をもつ親の立場で、 エヴァ・キテイの個人的な事情や思いについて知りたかったことが いくらかはっきりしたので、整理してみる。 まず、キテイも私と同様に障害者運…

2012年11月4日の補遺

MA州の自殺幇助合法化住民投票関連 生命倫理学者のEzekiel J. Emanuelが10月27日にNYTに自殺幇助合法化反対の論考「自殺幇助に関する4つの神話」。:これは近くエントリーに。以下の2009年9月のエントリでも拾っているように、Emanuel医師は1997年にもOR州の…

2012年11月2日の補遺

米国看護師協会が自殺幇助・安楽死反対のステートメント草案を発表。 http://www.lifesitenews.com/news/american-nurses-association-issues-draft-statement-opposing-assisted-suicid/ 6日にPAS合法化の住民投票が行われるMA州のWaltham市で、市長と市議…

今週のミュウ 10

昨日、園に行かれた保護者の方が、以下のように 昼食時のミュウの様子を知らせてくださった。 今日、ミュウちゃんが昼食時に、ほかの人をしっかり拒否して、 ちょっとハンサムな H大の男子実習生を大きな声で呼んでいる光景を すごく楽しくみせていただきま…