2012年11月28日の補遺

11月13日の日本産科婦人科学会・公開シンポ「出生前診断―母体血を用いた出生前遺伝学的検査を考える」での財団法人日本ダウン症協会 玉井邦夫理事長講演録「何を問うのか 新しい出生前検査・診断とダウン症必読。「どんなDNAなら生まれてきてもいいのか」:何故ダウン症なのか、という点について前にエントリーを書いたことがある。⇒ 「ダウン症だから選別的中絶」のコワさ(2007/11/12)  2007年にこのエントリーを書いた時にはまだそこまで考えられなかったので私も同じことを書いているのだけれど、玉井氏の講演録を読んでいると、ダウン症で線引きされていくことに対して抵抗するために「介護負担が大きいわけじゃない」「当たり前に元気に生きている」と言わなければならなくなることの悩ましさというものもある。決して、介護負担が大きな障害があるなら中絶してもよいと言いたいわけでも、当たり前に元気に暮らせるんだから受容される範囲の障害だと言いたいわけでもないはずなのに。
http://www.jdss.or.jp/info/201211/symposium.pdf

また、この問題で「ハイリスク」な女の声を届ける会(HRW)立ち上げ。
http://hrwomen2012.blogspot.jp/

当ブログでこの問題について書いてきたことは沢山あるので、以下のエントリーにリンクしました ↓
新型出生前遺伝子診断に関する米英の動きと議論(2012/11/22)

その新型出生前遺伝子診断の米国での事情を昨日のWPが記事にしている。:なんせ高価。なので、これを導入した時のコスト・パフォーマンスはどうなのか、などなど。明日、できたらエントリーに。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/a-new-prenatal-test-for-spotting-genetic-issues-is-less-invasive-but-its-pricey/2012/11/26/8dd799de-2780-11e2-b4f2-8320a9f00869_story.html?wpisrc=nl_cuzheads


日本国憲法改正草案』がヤバすぎだ、と話題に…:これも絶対必読。ヤバいことこの上ない。これを読まずに自民党に投票する人、後からでは責任とれないんでは……?
http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm



LCPの機会的適用でNHSが調査に(2012/10/28)問題の続報。いよいよ独立の委員会に調査が命じられた。
http://www.bbc.co.uk/news/health-20503932

26日のエントリーでとりあげた医師が主導して考えさせ、医師の指示書として書かれる終末期医療の事前指示書POLSTが、VT州では「治療が無益」な場合には患者本人や代理決定者の同意なしに一方的なDNR指定に使われている、とのこと。:私みたいな素人でも26日のエントリーで「無益な治療」論との整合性は?と疑問に思ったというのに、Thaddeus PopeはPOLSTを本当に患者の選択権の保障だと信じていたみたい。C&Cを絶賛してみたり、この人、なんか、ナイーブ過ぎない?
http://medicalfutility.blogspot.jp/2012/11/polst-dnar-without-consent.html

VT州のShumlin知事は10年の選挙公約にも自殺幇助合法化を謳っていた人物。Wesley Smithによると、次の議会に合法化法案が出る模様とか。Smithは医療費削減策として提案されるのだと批判している。
http://www.nationalreview.com/corner/334223/vermont-governor-pushes-assisted-suicide-wesley-j-smith

NJ州議会に自殺幇助合法化法案が提出されている
http://www.app.com/article/20121125/NJOPINION06/311250028/Hospice-care-offers-death-dignity

このところ相次いでいる各国の安楽死・自殺幇助に関する報告書のデータが偏っている、と安楽死防止連合のSchadenberg。……と思ったら、自著の宣伝も兼ねているか。
http://www.nationalrighttolifenews.org/news/2012/11/one-sided-reports-in-canada-and-the-uk-ignore-data-concerning-euthanasia-in-belgium-and-the-netherlands/

英国の自殺幇助合法化提唱者で作家のTerry Pratchettがプレゼンターを務めたBBCのドキュメンタリーが英国ドキュメンタリー賞に続いて、国際エミー賞も受賞
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10323



10代の女子に、予防手段として緊急避妊薬を処方しておくことを米国小児科学会が提唱。いざという時に間に合わなくては意味がないから、と。10代の女の子の妊娠率はこれまでになく下がっているというのに。:米国小児科学会は、ビタミンDサプリを勧めたり、栄養と水分の補給の中止を認めるガイドラインを出したり、女性器切除を容認してみたり、男児の包皮切除でも積極的に利益を認めてみたり……。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/253175.php

ナイジェリアでゲイツ財団と連邦政府、Kano州政府などが、ポリオ撲滅のためのワクチン普及で提携。
http://allafrica.com/stories/201211270823.html

NJ州で、同性愛転換療法を信じて行ったが効果がなかったとして、消費者詐欺法違反で男性3人が訴えた裁判。
http://www.nytimes.com/2012/11/28/us/gay-conversion-therapy-faces-tests-in-courts.html?_r=0


小島慶子角田光代も母がしんどかった!:角田さんの小説にはAC問題が色濃いものが多い。
http://ddnavi.com/news/87245/