2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2009年10月31日の補遺

医師の権威や忙しそうな様子を前にした時に、高齢患者とその家族は受動的になる、とスウェーデンでの調査結果。:日本では、なおさら。 http://www.medicalnewstoday.com/articles/169011.php 11月は米国の介護者月間。家族介護者に向け、10のヒント。:一昨…

ナーシングホーム入所者に症状もICもなく精神病薬投与

先ごろ、ナーシングホームで高齢者と触法精神障害者とが雑居状態になっている問題で 調査を行って行政を動かしたばかりのChicago Tribune紙が そのシリーズの一貫で、40000件のナーシングホーム監査報告書をチェックしたところ、 イリノイ州のナーシングホー…

高齢者ケアへのダイレクトペイメント導入に戸惑いも(英)

ちょっと背景の知識を欠いているので、一部に推測が入ってしまうのですが、 日本の障害者運動が導入を求めてきた 英国の障害者へのダイレクトペイメント・システム (日本の介護保険や自立支援法のようにサービスを直接利用者に給付するのではなく、 現金給…

スイス当局が自殺幇助規制でパブコメ募集

以前からいくつかのエントリーで追いかけているように スイス当局は急増するDignitasへの「自殺ツーリズム」に困惑し、 全面禁止も含めた規制強化策を検討しているところですが、 このたび、①規制強化、②禁止 の2つについて 3月1日までパブコメを募集するこ…

パンデミックで高齢者と障害者は死なせます、ワクチン足りないなら女は男より少量接種で

米国における 新型インフル大流行時に「呼吸器を使わせない患者」基準作りについて9月に書きましたが、 そのNY 市のガイドラインを含め、 「誰を死なせるか」「それを誰が決めるか」 秘密裏に進む各病院でのルール作りをNY Timesが取り上げています。 Worst …

ゲイツ夫人が「妊産婦と子ども守れ」と米国政府と議会にゲキ飛ばす

Melinda Gates氏が議会関連のブログ・インタビューで PEPFAR(the United States President’s Emergency Plan for AIDS Relief)を策定したとして Bush前大統領の功績を讃え、 Obama大統領についても、グローバル・ヘルスへの関与だけでなく、 政権が交代し…

ダウン症胎児急増するも出生数は減少(英)

The British Medical Journalに発表された調査で、 イングランドとウェールズにおいて2008年に 胎児がダウン症と診断されたケースは1843例で 1990年の1075例に比べて48%も増加。 そのまま生まれていれば出生数も48%増加しているはずのところ、 実際に…

米国でも児童買春が深刻

昨日、英国の若者たちのギャングで 少女らが銃隠しのパシリに使われ、レイプされているニュースを紹介したと思ったら、 今度は米国でFBIが3日間に渡って1600人を投入して 全米の児童買春の一斉摘発に乗り出したところ、 逮捕者700人、保護した子ども52人。 …

2009年10月27日の補遺

2009年10月27日の補遺 こりもせず英国上院に出されたAlderdice卿らの自殺幇助合法化法案は否決されたらしい。メディアが全く騒がなかったから、最初から問題外だったみたいだけど。まぁ、よかった。 http://www.indcatholicnews.com/news.php?viewStory=1505…

終末期医療は医師の個人的信条次第

英国ロンドン大学が、GP、病院勤務医、緩和ケアと集中治療の専門医に 自分が担当して亡くなった直近の患者への医療について匿名でアンケートをとったところ、 患者の死を早めると分かっている決定を行ったが 死を早めることを目的としたものではなかった、と…

武器隠しの手先やらされレイプされてもギャングに入りたい少女たち(英)

若者のギャング化が社会問題になっているロンドンで、 そのギャングの一員になりたいがためにメンバーとセックスを引き受け、 そのまま複数のメンバーにレイプされる少女が増えている。 一人の幹部とセックスすれば守ってもらえると思って承知するが、 実際…

「ドナー神話」関連での、いただきもの情報一覧

前のエントリーで触れたように、 「ドナー神話」や男女間の臓器提供の差やドナーの自発性などについて、 このたび、いろんな分野の方々に教えていただきました。 その情報がいずれも大変貴重なものなので、 メモとしてまとめておこうと思います。 まず、その…

「親から子への臓器提供は賞賛する必要もない当たり前の義務」とA事件を擁護したRoss

このところ映画「私の中のあなた」についてあれこれ考えたことから、 生体間の臓器提供はドナーに自己評価の向上をもたらすというのは 「ドナー神話」であり「母性神話」の再生産ではないのかという気がして、 そんなことを素人のお気楽さ、大胆さで某MLに投…

2009年10月25日の補遺

日本語情報。ドイツ人の富裕層から「もっと自分らの税金上げて」との声。:世界人口の1%だけが世界の冨を握りこんでいる世界が出来上がってしまったのなら、その1%が他の99%を直接・間接的に搾取した結果として、そういう世界が出来たのだから、慈善…

「米国の終末期高齢者は英国に比べて手厚い医療を受けすぎ」とコロンビア大の研究

病院で亡くなった高齢者を調査したところ、 米国の高齢者が終末期にICUに入る割合は英国の高齢者の5倍。 85歳以上の高齢者では、ターミナル期にICUを利用する割合が 英国の8倍。 しかも、それだけ集中治療を行ったからといって、 米国の方で死亡率が下が…

2009年10月23日の補遺

英国議会で7月に否決されたあと、また自殺幇助合法化に向けた法案を提出した議員さんたちがあったらしい。月曜日に投票だと。:この前の公訴局長のガイドラインがあるからなぁ……。でも、メディアは割りと静か。 http://www.lifenews.com/bio2985b.html WA州…

2年以内に世界初の子宮移植が出来る、と英国の研究者

世界初の子宮移植というのは実は2000年に26歳のサウジアラビアの女性に行われている。 しかし、失敗し、99日後に摘出された。 だから、このニュースの見出しは「2年以内に初の子宮移植が成功する」という意味。 2000年の移植の失敗は血流が確保…

関節も血管も心臓弁もくたびれたら取り替えてアクティブに100歳まで

10月3日には、英国で過去5年間に生まれた新生児の半数が100歳まで生きる、という研究、 12日には、先進国で生まれている半数以上が100歳まで生きるという研究が出てきたのは、 それぞれ当ブログの補遺でも拾っていますが、 そういう子どもたちが、その100…

NYTもMitchell、Sachsの論文とりあげ認知症を「ターミナルな病気」

18日の以下のエントリーで取り上げた認知症患者の終末期ケアについての論文を NY Timesが取り上げているのだけど、 「認知症患者の緩和ケア向上させ、痛みと不快に対応を」と老年医学専門医 「認知症はターミナルな病気」と、NIH資金の終末期認知症ケア研究 …

2009年10月20日の補遺

英国政府が臓器提供タスクフォースを創設して1年。報告書をまとめている。The Organ Donation Taskforce Implementation Programme’s Annual Report, 2008/09 http://www.dh.gov.uk/prod_consum_dh/groups/dh_digitalassets/documents/digitalasset/dh_1066…

Ashley父の法解釈とRyan論文

18日のエントリーを書くに当たって、 父親のブログの2007年1月時点でのプリントアウトをざっと読み返していたら、 前には何とも思わずに読み飛ばした部分に 「お? ……なるほどぉ……」という面白い箇所を見つけました。 倫理委から障害者の不妊手術に関し…

「無益な治療」事件一覧

かねてから一度まとめておきたいと思っていたので、前のエントリーを機に、 これまで当ブログで拾ってきた「無益な治療」事件を以下に。 なお、今まだ裁判が継続しているBetancourt事件というのがあるのですが、 情報が多いので整理に時間がかかっていて、ま…

医療費払えず「無益な治療」(TX)

テキサスの「無益な治療」法といえば、 このブログでは2007年のGonzales事件が浮かびますが、 2005年に、訴訟にすらならなかったケースがあったようです。 エストニアからの合法的移民女性、Tirhas Habtegirisさん(27歳)が 末期がんで延命治療を…

2009年10月18日の補遺

先月、タイでのエイズ・ワクチン実験で希望のもてる結果が出たと華々しく報道された後に、どうも、あの結果、実は“たまたま”だったかも……という話が出て、6年もやってまだ出来ないなら、いい加減にしろという気配に。患者アドボケイトからは、ワクチン研究…

「認知症はターミナルな病気」と、NIH資金の終末期認知症ケア研究

前のエントリーで触れた NEJMの認知症終末期ケア関連論文の1。 米国NIHが資金を出している、この研究 その名称からして、なにやら臭うのだけれども、 The Choices, Attitudes, and Strategies for Care of Advanced Dementia at the End-of-Life (CASCADE)…

「認知症患者の緩和ケア向上させ、痛みと不快に対応を」と老年医学専門医

The New England Journal of Medicineの10月号に認知症終末期ケア関連論文が2本。 そのうちの1について。 Death By Dementia The Medical News Today, October 15, 2009 近年、認知症で死亡する成人が増えているにもかかわらず、 認知症患者の終末期ケアは…

“Ashley療法”の費用に関する、ありがちな事実誤認

医療ガバナンス学会のメルマガの Vol.297で ハーバード公衆衛生大学院リサーチ・フェローの細田満和子氏が 「アメリカ社会のふたつの顔」というエッセイを書き、 その中でAshley事件に触れておられます。 その中で、Ashley療法にかかった費用が約3万ドルとさ…

“Ashley療法”認める法的新基準を説くRyan論文に憤りのブログ2つ

先日、以下の2つのエントリーで紹介したChristine Ryan の論文について 憲法が保障する“基本的権利”をパーソン論で否定する“Ashley療法”論文(前半)(20009/10/8) 憲法が保障する“基本的権利”をパーソン論で否定する“Ashley療法”論文(後半)(2009/10/8) 米…

”ドナー神話”とは”母性神話”の再生産ではないのか?

相変わらず、映画「私の中のあなた」と”救済者兄弟”のことを考えている。 私がピコーの小説を知ったのは2007年のシアトル子ども病院生命倫理カンファでの 兄弟間の骨髄移植についての Dr. Pentz の講演を Webcast で聞いた時。 その講演でも紹介されてい…

2009年10月16日の補遺

ケボキアン医師の半生を題材にした映画“You Don’t Know Jack”の撮影が始まっている、という話題がここ数日あちこちから出てきている。主演がアル・パチーノというのは知っていたけど、助演がスーザン・サランドンだとは知らなかった。いったい、どういう作り…