2009年10月18日の補遺

先月、タイでのエイズ・ワクチン実験で希望のもてる結果が出たと華々しく報道された後に、どうも、あの結果、実は“たまたま”だったかも……という話が出て、6年もやってまだ出来ないなら、いい加減にしろという気配に。患者アドボケイトからは、ワクチン研究に費やすゼニを患者の治療に回してくれ、との声も。:そう。こういう発想がどうして出てこないのか、私はずっと不思議だった。こういう研究に回っている費用を「医療費」の中にカウントしたら、今いわれているように「高齢者と障害者の医療費が社会の負担」というのは事実とはちょっと違ってくるんじゃないか……とか。
http://www.nytimes.com/2009/10/19/opinion/19berkley.html?_r=1&th&emc=th

発達段階で自閉症統合失調症の原因となる脳の変成と関係した遺伝子がどうとか……という研究。:いずれ、こういうのもみんな出生前遺伝子診断の対象疾患に入っていくのでしょうか。PGDではじけるものは全部はじいて、ワクチンで予防できるものは全部ワクチン打って、というのが今の科学研究の方向のような気がするのだけど、本当にそういうのが“予防医学”なんだろうか。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/167739.php

1歳半から自閉症を見つけるための研究に米NIHから巨額グラント。:いつかの某学会での議論を思い出した。発達の過程に人間が変わる要素がいろいろ絡まりあっているんじゃなくて、もともとあるものが発現してくるんだから、あるものはある、ないものはない、という英語圏の学問的イデオロギーというヤツ。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/167742.php

こちらも上記と同様のイデオロギー路線で、人間行動の違いを脳科学と遺伝子マッピングで解明しようという研究に巨額のグラント、とのニュース。そういえば、あの学会での英語圏イデオロギーというのは、どうも脳科学の専横のことなんだろうな、と、私は感じたんだった。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/167692.php

デブ差別をするな。肥満を理由に人を苛めるのはヘイト・クライムだ、という肥満差別反対運動が始まりつつあるらしい。:気持ち、分かる気がする。医療費削減コールで、まるで肥満は犯罪扱いだもんね。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8314125.stm

妊娠中の人とか、豚インフル・ワクチンとか、健康情報に特化したSNSのサイトが流行している。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/18/AR2009101801844.html

児童ネグレクトが急増している。早期発見を、と英国のUNISON。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/167708.php

Norman Fost医師が去年1月にNYでステロイドのディベイトでしゃべった内容を今頃になってWashington Timesでエッセイにまとめている。笑わせてくれるのは、子どもを学校へ行かせるのも認知能力の“強化”だと言って、ステロイドバイアグラと同列に論じていること。
http://washingtontimes.com/news/2009/oct/18/solutions-fost-professional-athletes-steroids/

6日に拾って忘れていた記事で、今度はコカインのワクチンだって。中毒者に打てば、使用を半分に減らせたという調査。:そのうち、アル中ワクチン、スモーカー用ワクチン、ペドフィリア(児童異常性愛者)ワクチン、メタボ・ワクチン、皮膚障害(しわ)ワクチン、排尿障害ワクチン……いや、いっそのこと加齢ワクチンとか老化ワクチンとか?
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8291681.stm