2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

2009年9月30日の補遺

日本の独立法人が「先天異常症候群を解析する装置を世界に先駆けて実用化」したそうな。(日本語情報)。「原因不明の先天異常症、精神発達障害、自閉症、さらには、がん等の診断。疾患解析ツールを創出し、革新的な医療に貢献いたします」:その「革新的な…

新人警察官全員に精神・知的障害に関する研修を実施(英)

イングランドとウェールズの新人警察官全員に メンタルヘルスと知的障害に関する啓発研修が行われることに。 警官が知的障害・精神障害のある人と関わる際のガイドラインを作る過程での 関連機関との相談(英国政府は国民との“相談”の上で施策を決める方針)…

英国の自殺幇助議論関連ニュース2本

英国の自殺幇助議論については、もう、あまり目新しい主張が出てくるわけではないのですが、 今後の議論やニュースをなるべく正しく理解するために、 一応フォローしておきたい動きとして、以下に。 ①Terry Pratchett criticizes assisted suicide guideline…

HPVワクチン接種後に13歳女児が死亡(英)

去年、18歳以下の女児全員にヒト・パピローマ・ウィルスのワクチン無料接種プログラムを開始した英国で、 昨日、死者が出ました。 (当初「義務化」したと書いていましたが、16歳以下では接種前に同意が必要とのことなので訂正しました。 ただ、去年から始ま…

巨大ファーマがかつてのゼネコンなのだとしたら……

前の2つのエントリーでまとめた フランス生命倫理の小出論文とEU議会の「科学とテクノのアセスメント」を読みながら、 科学とテクノロジーの発達で世界中の産業・利権構造が変わったことについて 漫然とあれこれ考えていたら、 ふっと頭に浮かんだ、ちょっ…

EU議会の「科学とテクノの選択肢アセスメント」報告書を読む

今年5月にEU議会から 「科学とテクノ選択肢アセスメント:人間強化研究」という報告書が出ています。 Science and Technology Options Assessment: HUMAN ENHANCEMENT STUDY STOA(Science and Technology Options Assessment), European Parliament, May 200…

2009年9月28日の補遺

この前から大きく報道されているタイでのエイズ・ワクチン実験の続報。具体的な実験方法が書かれている。参加ボランティアに支払われた金額(1回クリニックへいくと9~15ドル)も。米国では危険だから使えないワクチンだとか、意図的にエイズに感染させ…

フランス生命倫理における「連帯性」

フランスでの“救済者兄弟”事情について、先日以下のエントリーで取り上げましたが、 “救済者兄弟”フランスでも2004年に合法化(2009/9/18) その中でアブストラクトのみで触れていた小出泰士氏の論文 「『薬としての赤ちゃん』の倫理問題 - フランス生命倫理…

英国で自殺幇助容疑で元GP逮捕へ

今年6月の48歳のMS女性 Cari Loderさんのヘリウム自殺に関連して、 死ぬ権利ロビー団体のThe Friends at the End (FATE)の創設者である Libby Wilson医師(83歳)が最終的な死に方の指南をしたとの容疑で逮捕される模様。 記事は、先日の公訴局長(DPP)のガ…

2009年9月26日の補遺

米国の医療関係者に豚インフル・ワクチンの強制接種が始まり、一部の職員や組合などから抵抗が出ている。製造を急いだワクチンの安全性には懸念がある、ワクチンの実験に使われたくない、ワクチン接種は個人の選択によるものであるべき、などが理由。:親が…

フランスの自殺幇助事情

ごく短い記事ですが、 英語ニュースではなかなか得がたいフランスの状況がわずかながら書かれているので。 全体の論旨は、 ヨーロッパ諸国で自殺幇助の合法化への圧力が強くなっており、 共感的な理由から誰かの自殺を幇助した医師、看護師、親族に対しては …

2009年9月25日の補遺

ALS患者会の川口有美子さんの「意思伝達不可能は人を死なせる理由になるのか」。「福祉労働」6月号。“違法性なく死なせられるかという議論の前に「伝えたくない人」との信頼を築くための介護技術と支援を確立しなければならない。” http://www.arsvi.com/200…

新型インフル大流行時に「呼吸器を使わせない患者」基準作りが進んでいる(米)

1918年のインフルエンザの大流行では 世界中で5000万人が死んだとされているが、 万が一、新型インフルのウィルスが変異して悪性化し、 当時に匹敵するような世界的な大流行となった場合に、 家族の希望に関わらず人工呼吸器を取り外す患者の基準づくりが 米…

緩和ケア専門医から自殺幇助ガイドライン批判

20年間、緩和ケアをやってきたという専門医が Timesで、DPPのガイドラインへの強い懸念を書いている。 2年ほど前、癌を告知されたばかりで激しい痛みのある女性から 殺してくれと迫られた日のことを思うと、今でも身震いするという。 それほど「殺してくれな…

2009年9月24日の補遺

英国の自殺幇助ガイドラインについてNYTの記事。トップニュースの1つ。法学者のコメントで、このガイドラインは医師による自殺幇助に向けた運動をすべて停止させるもの、自殺幇助は医師やスイスのDignitasの手を借りてやることではなくなる、と。:愛する人…

MS協会が「医師じゃなくGoogleが頼りか」と自殺幇助ガイドラインを批判

昨日のDPPのガイドラインを受け、 MS協会からのレスポンスが出ています。 ガイドラインによって自殺幇助にGOサインが出たが、 医師による幇助がないのだから、人々の情報源はGoogleだけということになる。 英国社会が自殺幇助を受け入れられるかどうかを決め…

英国のガイドラインはターミナルな人だけでなく重症身体障害者の自殺も許容している

どうも、メディア報道だけを読んでいても判然としないので、 直接、公訴局のサイトに行って以下の当該プレスリリースを読んでみました。 http://www.cps.gov.uk/news/press_releases/144_09/ なお、記者向けのブリーフィングのビデオはこちら。 直接読んでみ…

図書館がDr. Deathワークショップへの場所提供を拒否(カナダ)

Dr. Deathこと、オーストラリアのDr. Nitschkeが創設した組織Exit International が バンクーバーの図書館で9月上旬にワークショップを予定していたらしいのですが、 警察から、その内容が憲法違反に当たる可能性を指摘された図書館が 部屋の利用許可を撤回…

Dignitasでの自殺者、ドイツ人は500人以上

【9月30日追記】 コメント欄でドイツの安楽死合法化に関する日本の報道は不正確であると教えていただき、 教えていただいた英語情報を確認したうえで、 以下の「ドイツは6月に安楽死を合法化」のリンク先の記事は非公開としました。 ------- 今回のガ…

自殺幇助ガイドラインに、MSの科学者とアルツハイマーの作家それぞれの反応

今回のガイドラインと、その前後のメディアの騒ぎを受けて 2005年にPurdyさんと同じMSと診断された 惑星科学者のColin Pillinger氏が 「もう黙っていられない」と声を上げている。 この議論はDebby Purdyというたった一人のMS女性の声だけで進んでいて まる…

英国公訴局長から家族の自殺幇助に関するガイドライン

7月のPurdy 判決を受け、公訴局長(DPP)が検討していた 家族による自殺幇助に関する法を明確化するためのガイドラインが発表されました。 このガイドラインは、どういう場合に誰かの自殺を幇助した友人・家族が罪に問われるかという 条件の明確化を狙ったも…

2009年9月22日は補遺のみ

AFPの日本語ニュース。去年の暮れにこちらのエントリーで取り上げたケースで、韓国の安楽死裁判で初めて呼吸器取り外しが認められた脳死の75歳の女性。今年6月に呼吸器を外された後も自発呼吸で生きている。:「不可逆的な脳死状態」との判断には誤診の可能…

2009年9月21日の補遺

国際育成会連盟から後見人制度に変わるものとして「支援付き意思決定制度」の提言。国連の障害者人権条約の精神にのっとって、本人の権利が誰かに明け渡されるのではなく。まだちゃんと読めないけど。 http://www.inclusion-europe.org/documents/PositionPa…

「老い」は自己責任で予防すべき「病気」であり「異常」であるらしい

ちょっと前に、骨減少症というのは単に歳をとったら骨が減少するという自然現象なのに、 それが骨減少症という名前をつけられて“病気”に仕立て上げられることの怪について 以下のエントリーを書いた。 骨減少症も“作られた病気”?……WHOにも製薬会社との癒着…

またしても著名英国人音楽家がDignitasで自殺

9月9日、著名なクラシックの音楽家で作家でもある Pamela Westonさんが スイスDignitasの幇助を受けて自殺。享年87歳。 Westonさんは慢性疲労症候群に長年苦しんでいたほか、 最近では2年間に4回の心臓麻痺を起こしているが ターミナルな病気だったというわ…

2009年9月19日の補遺

英国の自殺幇助に関する法律の明確化で、来週出される公訴局長のガイドラインは、「身内の自殺を助けた家族が、その人の自殺によって利益を見込んでいたと警察によって証明されない限り罪に問われることはない」という線になるらしい、と Telegraph。 http:/…

沢木耕太郎氏の「私の中のあなた」レビュー

これまた、人に教えてもらった情報で、 朝日新聞に沢木耕太郎氏の「私の中のあなた」レビューが掲載されていたそうだ。 以下のサイトにアップされている。 私の中のあなた ~難病の姉をもつ少女の決断 「銀の街から」沢木耕太郎 2009年9月8日朝日新聞朝刊紙…

先進国の有害廃棄物でアフリカから3万人超える集団訴訟、最近はマフィアが核廃棄物を海に

アフリカの貧困地区が先進国の有害ゴミの捨て場所になった3年前の事件について これまで、以下の2つのエントリーで触れてきましたが、 象牙海岸の悲惨(2007/12/15) 「象牙海岸で先進国の有害ゴミによる死傷者多数」事件:続報(2008/10/24) この事件で、まだ…

2009年9月18日の補遺

米国が自国で購入分の新型インフルのワクチンの1割を低所得国用にWHOに寄付する、と。その他に、オーストラリア、ブラジル、英国、フランス、NZ、スイスも寄付するそうだ。:日本は? http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/09/17/AR20…

“救済者兄弟”フランスでも2004年に合法化

映画「私の中のあなた」との関連で 先日からこことかここのエントリーで問題にしている いわゆる“救済者兄弟”について、 今日、人から教えてもらった情報。 フランスでも2004年の生命倫理法改正で着床前診断の適応が拡張されて、 いわゆる”救済者兄弟”目的で…