緩和ケア専門医から自殺幇助ガイドライン批判

20年間、緩和ケアをやってきたという専門医が
Timesで、DPPのガイドラインへの強い懸念を書いている。

2年ほど前、癌を告知されたばかりで激しい痛みのある女性から
殺してくれと迫られた日のことを思うと、今でも身震いするという。

それほど「殺してくれないなら、どんなことをしてでも死んでやる」と迫る
女性の感情は激しかった。

しかし、その後、痛みをコントロールできると、
その女性はあちこちへ出歩き、人と会うことに喜びを見出し、
気持ちのアップダウンを繰り返しつつも生きようとするようになった。
そして、死の恐怖を潜り抜けて、より深いところへ到達した。

そして「先生が私よりも頑固だったから、私たちはここまで来たのですね」と。

(ここで、患者さんが we と言っていることの重みを考えたい、と私は思う)

共感とは、この医師に言わせれば死なせることではなく
「ともに荷を背負い、苦しみを共にすること、
その道をともに歩むことであり、苦しみを目撃する重荷を引き受けること」。

それは病気や障害を負った人だけではなく、
誰にとっても、人である以上、苦しむだけでなく希望も持てるということなのだから。
命は簡単に脱ぎ捨てられる衣服以上のものなのだから。

たとえ本人がそれを最善の利益だと考えたとしても誰かを殺すことに加担するのは間違いだと
明確に定めた法律がセーフガードになってこそ患者も医師も守られて、
このような緩和ケアが実現できるのであり、

今回のガイドライン
一定の条件さえ満たせば自殺幇助が罪に問われないとされてしまえば、
本当なら見出せるはずの希望にたどり着くまもなく、
死を急ぐ人たちが出てきてしまう。

このガイドラインはセーフガードを危うくするものである。



2番目にこの記事に寄せられたコメントが鋭くて、
この素晴らしい記事が、どうして健康欄に隠しこまれているの?

今回のガイドラインをめぐる報道を見ていると、
明らかに英国のメディアは偏向している──。