MS協会が「医師じゃなくGoogleが頼りか」と自殺幇助ガイドラインを批判

昨日のDPPのガイドラインを受け、
MS協会からのレスポンスが出ています。

ガイドラインによって自殺幇助にGOサインが出たが、
医師による幇助がないのだから、人々の情報源はGoogleだけということになる。

英国社会が自殺幇助を受け入れられるかどうかを決めるのは
DPPや裁判所や要介護状態の人たちの仕事ではない。

MS協会としては、こうなった以上、
自殺幇助の法制化が必要かどうか
Royal Commission(王立委員会)から政府に答申してもらいたい。

Assisted suicide and new DPP guidance
MS, News & Events, September 23, 2009


これを読んで、気づいた。

あのガイドラインは、
身近な人の「自殺幇助」を罪に問わない場合の条件を述べているのだけど、
では、どういう行為が「幇助」に当たるのかは規定されていない。

どこまでが「幇助」で、どこからが「殺人」なのだろう。

その線引きを決めるのは警察の仕事ということなんだろうか。

まさか、本人意思や共感や誘導の不在など、
ガイドラインに挙げられていた条件さえクリアすれば、殺したっていいということ……?

Purdyさんはスイスに付き添って行く行為しか頭にないようなコメントをして
それで済むかもしれないし、

MS協会のいう「Googleだけがリソース」というのも
自殺幇助サービスの利用を前提にしているようだけど、

このガイドラインは海外での自殺幇助だけでなく
イングランドウェールズ国内での自殺幇助にも適用されるとDPPは明言しているわけだから、

そこのところが曖昧でいいんだろうか。

もしも本人意思に共感的にやることなら殺したって無罪放免なのだったら、
医師による自殺幇助の必要などなく、素人が勝手に殺したっていいことにならない……?

なんか、ワケがわかんなくなってきた……。


【追記】
その後、確認したところ、DPPのガイドラインは自殺幇助に関するものであり、安楽死については別。

よって、あくまでも死ぬのは本人。DPPのガイドラインがカバーしているのは、そのお手伝いをした場合。
死にたい人が自分で死ねないからといって、殺したら、それは殺人になる、とのこと。

こちらのサイトの定義によると、
直接的に死を引き起こす最後の行為を誰が行うか、が安楽死と自殺幇助の線引きをするらしい。

だからDignitasでは、毒物を手渡した後、
「これは自分で飲まなければならない」と言って、自分で飲ませている。

でも、そういう線引きで本当にいいのか……?