Dignitasでの自殺者、ドイツ人は500人以上

【9月30日追記】
コメント欄でドイツの安楽死合法化に関する日本の報道は不正確であると教えていただき、
教えていただいた英語情報を確認したうえで、
以下の「ドイツは6月に安楽死を合法化」のリンク先の記事は非公開としました。

         -------

今回のガイドラインを受け、
BBCが世界の自殺幇助合法化議論の概要をまとめている。

その冒頭にグラフが2つ。
その1つに、たまげる。

スイスのDignitasで自殺した英国人が110人を超えただけでも衝撃的な事実なのに、
この1998年から2008年までの国籍別自殺者数のグラフで図抜けているのは
その英国人ではなく、なんとドイツ人で、
2008年時点ですでに500人を超えている。

この記事が「過去1年間に自殺幇助を認めた国や州が3つ増えた」と書いているのは
米国ワシントン州モンタナ州、そしてルクセンブルクのことだと思われます。

また記事によると、2002年に合法化した人口1700万のオランダでは
年間2300人が幇助を受けて自殺しているとのこと。
ただし、耐え難い痛みがあることと回復の見込みがないことを条件とし、
このような経験のある医師を含めた2人の医師の判断が必要。

うつ病患者の場合の判断がよく問題になる、とのこと。

また、そのオランダからも、この11年間に
800人以上がDignitasで自殺しているものと推測される。



また、BBCはこの記事と平行して
「アジアの自殺幇助に対する姿勢」として
中国の全身麻痺の男性を取材した記事を書いている。

男性が
自分としてはこんな状態で生きていたくないし安楽死を望んでいるのだけど、
中国では死について話すことそのものがタブーだし、
世間体や面子を考えるから誰も家族を死なせるなんてできないのだと語るのを、

このような重い障害を持った男性に生きることを強制する
アジアの文化の非情……といったトーンで書いている。



まぁ、BBCといえば、英国のメジャーなメディアの中でも
飛びぬけて科学とテクノのニュースが好きなところだし、

アルツハイマー病の作家へのインタビューでも
インタビュアーがものすごく積極的に誘導していましたが、

中国で、こういう主張をする男性障害者を一人探し出してきてインタビューして
それで「アジアの姿勢」とタイトルを打つというのも、いかがなものか。


また、同じく今朝拾ったニュースで
米国ニューハンプシャー州の下院議会の法務委員会が
自殺幇助合法化法案の提出の検討に入った、とのこと。