2009年9月30日の補遺

日本の独立法人が「先天異常症候群を解析する装置を世界に先駆けて実用化」したそうな。(日本語情報)。「原因不明の先天異常症、精神発達障害自閉症、さらには、がん等の診断。疾患解析ツールを創出し、革新的な医療に貢献いたします」:その「革新的な医療」の倫理性はきちんと検討されるべきだという話は、どこからも出ないのか。日本で怖いのは、こういうことが、まったく表立った議論にもならずに、なし崩しに進行していくことだと、いつも思う。メディアも研究者も、この国では、どこにいるのか分からない。
http://app3.infoc.nedo.go.jp/informations/koubo/press/EK/nedopressplace.2009-01-21.8698110208/nedopress.2009-09-08.3444444824/

働いている母親の子どもは、母親が専業主婦の家庭の子どもに比べて、健康的な生活が出来ていない、という調査結果。:いまだに、こんな研究があるということに驚く。つくづく、研究の前には仮説があって、その仮説は研究者の偏見を含めた価値観からスタートするのだということを思う。それから、所詮は1対1でしか相関関係を確認することが出来ない"科学的研究”の限界について、どうしてあまり言われないのか、ということと。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8278742.stm

スウェーデンで1953年生まれの14000人を30年間追跡調査して、子ども時代に学校で人気がなかった子どもの方が人気があった子どもに比べて、心臓病や糖尿病になったり、ドラッグやアルコールにおぼれたり、精神障害を負うリスクが高い、との結果が出た。:これにもまた、上の調査と同じ感想をもったのだけど、それにしても、世の中、健康に淫している。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8275535.stm

NFLの選手では30-49歳の間にアルツハイマー病になるリスクが通常の19倍も。:これからフットボールだけじゃなくて、ボクシングとか、衝撃の大きなスポーツで研究されていくのでしょう。ステロイド解禁論者のNorman Fostは、もともとスポーツは危険なのだから、ステロイドのリスクなんて高が知れている、とずっと前から主張しているから、こういう研究結果は、さぞかし「してやったり」なんだろうな。
http://www.nytimes.com/2009/09/30/sports/football/30dementia.html?_r=1&th&emc=th

地球温暖化開発途上国の飢餓が深刻化し、2050年までにさらに2500万人の子どもたちが飢える、との報告書。
http://www.guardian.co.uk/environment/2009/sep/30/food-crisis-malnurtrition-climate-change

ダルフールからチャドに逃れた女性たちが、難民キャンプ周辺でレイプ被害にあっている。チャドの男性からも、キャンプ内の男性や、人道支援に入っている団体の職員からも。現地の警察も国連もなんの手も打っていない。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/8282360.stm

アイルランドの高齢者問題関連機関から、人口高齢化に伴い、移民介護労働者が不可欠で貴重な存在となる、との報告書。:これ、既に起こっているけど、貧乏国の国民が金持ち国で介護・家事・子育てを担う奴隷労働者にされていく構図。前にカナダの国を挙げてのプログラムをちょっと調べたけど、本当に酷い実態だった。06年12月の「介護保険情報」に書いた文章をアップしようと思いながら、まだ机の横に転がったままだけど、これ、やっぱり近くアップしよう。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/165431.php

ワクチンに関する情報って、どっちの方向にせよ、出所によっては、いろいろ色がついていて要注意とは思うのだけど、2007年9月にLifeSiteNews.comに、HPVワクチンGardasilの副作用で死亡したと思われるケースが少なくとも5例ある、と。:ここは、自殺幇助合法化への反対スタンスが鮮明で、時々覗いているお馴染みのサイト。ちょっと私の中での位置づけは保留のままではあるけど。
http://www.lifesitenews.com/ldn/2007/sep/07092004.html