「米国の終末期高齢者は英国に比べて手厚い医療を受けすぎ」とコロンビア大の研究

病院で亡くなった高齢者を調査したところ、
米国の高齢者が終末期にICUに入る割合は英国の高齢者の5倍。

85歳以上の高齢者では、ターミナル期にICUを利用する割合が
英国の8倍。

しかも、それだけ集中治療を行ったからといって、
米国の方で死亡率が下がっているというわけでもない。

……という研究が、コロンビア大学から。

もともと人口比で英国のICUは米国よりもはるかに少ない。

主著者のDr. Hannah Wunschは、
ICUの利用はコストがかかるし、資源を使いまくるし、
特に終末期では患者と家族にもトラウマを残すことが多い。

これが米国でICUを使いすぎているという問題なのか、
英国でICU利用が過度に控えられているという問題なのか、

終末期の高齢者には集中治療を行わないことが配給医療なのか、
それとも案外に本当は患者の利益になっているのか、

今後の研究が求められる、と。



高齢者の終末期の医療を切り捨てる方向での研究が
最近やたら目に付くような気がする。

そういう研究についてニュースを読んでいつも思うのは、

大きな絵だけ見て原理的に是か非かの線を引こうとする研究ばかりで、
なんだか患者不在の議論だな、ということ。

医療って、もっと個別性の高いものなんじゃないかと思っていたのだけど。