2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ALS患者のDignitas自殺映像が映画際に(米WA州)

Washington州のGig Harbor映画祭(今年が2回目)に “The Suicide Tourist”というタイトルの作品が出品されている。 監督はカナダ人の John Zaritsky。 Dignitasでの自殺幇助ケースを2つ取り上げており、 最初のケースは英国在住米国人のCraig Ewertさん(59…

久々に Final Exit Network 自殺幇助事件の続報

2月に英米のメディアが(当ブログも)大きな衝撃と共に大騒ぎした 「死の自己決定権」アドボケイト団体 Final Exit Network による一連の自殺幇助事件で (詳細は関連エントリーを文末にリンク) 久々の続報。 Judge side with group The Forsyth News, Octo…

高齢者・触法精神障害者雑居ナーシング・ホーム問題で作業チーム(IL州)

こちらのニュースで初めてその実態を知った時から ナーシング・ホームで高齢者が精神障害の同室者に殴り殺される(2009/4/9) どうして平然とそういう事態を作れるのか、また放置できるのか、さっぱり理解できないし 背筋が凍りっぱなしの事態なのだけれども、…

「精神障害者のアダルト・ホームは米国障害者法違反」と連邦地方裁判所

先月、連邦地方裁判所が 数十年前に州立の精神病院に変わるものとして次々に出来た民営のアダルト・ホームに NY市内の精神障害者約4300人が入れられていることについて、 実質的に入所施設であり、州による差別、米国障害者法に違反している、と判決。 10月…

救済者兄弟に関して、ふっと浮かんだ”今さら”の疑問

仕事の関係で、”救済者兄弟”や映画「私の中のあなた」のことを まだ、あれこれと考え続けている。 そしたら、今日、 ものすごく基本的な疑問が、ふっと頭に浮かんだ。 なんで今まで考えてみなかったんだろうと不思議なくらい、ごく基本的な疑問。 米国ではES…

2009年10月14日の補遺

すごい。Obama大統領の医療改革案が上院の委員会を通過。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/8304375.stm エストロゲンとプロジェストロン併用のホルモン療法では、乳がんだけでなく肺がんのリスクも上がる。:これ、A事件においても重大な情報。 http://…

アフリカに有毒ゴミ撒いた悪徳企業がメディアの“口封じ”狙うも、ネット・ユーザーに敗北

Trafiguraといえば、当ブログでも以下のエントリーで追いかけてきたように、 毒性廃棄物を象牙海岸に打ち捨てて甚大な被害を引き起こした英国の悪徳石油会社ですが 象牙海岸の悲惨(2007/12/15) 「象牙海岸で先進国の有害ゴミによる死傷者多数」事件:続報(20…

肺炎なのに終末期ケアで脱水死(英)

英国で終末期医療のクリティカル・パスとして作られ日本でも翻訳されている Liverpool Care Pathway(LCP)が機械的に適用されて ただ手間をかけずに患者を死なせていくためのプロトコルと成り下がっていると 現場医師らからメディアへの告発があったことを…

本人が顔からラップ外したのに枕で窒息させても“自殺幇助”?

ネブラスカ州 Lincoln の地味なローカルニュースですが、 先日来、時々、目に付いていた事件。 28歳の男性が22歳のルームメイトの自殺を幇助したと 自分で友人にぺらぺらしゃべって、 それで逮捕された、という事件。 当初、自殺幇助の容疑で逮捕されたので…

2009年10月13日の補遺

早稲田大学の岡部耕典氏による、カリフォルニア州の知的障害者の自立支援、調査報告。Supported Living Servicesについてなど。:CA州は財政破綻で教育と福祉の予算を切っていると聞くけど、影響どうなんだろう。 http://www.eft.gr.jp/supported-living/091…

喫煙ドナー肺で癌になった兵士「別の一組を」と要望しつつ死亡(英)

Matthew Millington さん31歳はイラクからの帰還兵。 不治の呼吸器疾患があったため2007年4月に両肺の移植を受けたのだけれど、 そのドナーは一日に30~50本もタバコを吸うヘビー・スモーカーだったため、 6ヶ月後に肺がんになってしまった。 通常なら、移植…

英米の医療スタッフから豚インフル・ワクチン接種に抵抗が出ている

米国で豚インフルエンザ・ワクチンの接種が始まり、 医療の第一線にいる職種の人たちに対しては優先的・強制的に行われることになっているものの、 その医療現場の医師や看護師の間からワクチン拒否が起こっているらしい気配を 先日来のニュースでいくつか拾…

2009年10月12日の補遺

テルアビブ大学の研究で、子どもの命に関わる病気での遺伝子治療はやるのが当たり前のように考えられているが、子どものDNA情報へのアクセスには倫理問題があることを考え、子どもの遺伝子情報に関するプライバシーの問題を慎重に検討すべきだ、と。 http://…

祈りで治そうと糖尿病の娘死なせた夫婦に、年30日ずつ6回分割の懲役刑

これまでに以下の2つのエントリーで取り上げてきた事件で 両親である Neumann夫妻は8月に第2級の過失致死罪で起訴されていましたが、 今後6年間に毎年30日ずつの収監と10年間の保護観察が言い渡されたようです。 祈りで治そうと糖尿病の娘死なせた夫…

小説と映画から“救済者兄弟”についての情報を整理

映画「私の中のあなた」を見るにあたって、 2年前に読んだ原作小説を再読したので、 その両方の中から、今後“救済者兄弟”の問題を考えるに当たって、 参考になるかもしれない情報をメモとして以下に。 ・ まず、サラとブライアンにこのようなテクノロジーの…

映画「私の中のあなた」を見てきました

昨日、映画「私の中のあなた」を見てきました。 それで、いろんなことを考えているうちに、なんとなく 自分がとても強い予断を持って見たような釈然としない後味が残ったので、 今日もう一度いって見てきました。 まだ、いろんなものが未整理で混沌としたま…

映画「私の中のあなた」を見る前に原作小説を再読

(このエントリー、一部ネタバレを含みます) このところ何度かエントリーで取り上げてきた映画「私の中のあなた」が いよいよ明日封切りになります。 明日できれば見に行こうと思っているのですが、 原作小説を読んだのは2年も前のことで、 正直なところ、…

憲法が保障する“基本的権利”をパーソン論で否定する“Ashley療法”論文(後半)

(前のエントリーの続きです) このように、この論文は冒頭で、 personの定義次第だとして、重度知的障害者の基本的人権を崩してしまうのですから、 この後でプライバシー権、生殖権、親が子どもを育てる権利を次々に論じたり これまで当ブログでもまとめて…

憲法が保障する“基本的権利”をパーソン論で否定する“Ashley療法”論文(前半)

「成長抑制は障害児の尊厳を侵すものだ」との批判に対して、 Ashley事件の立役者であるDiekema、Fost両医師が今年6月に書いた成長抑制論文で 「“尊厳”は定義なく使っても“無益な概念”だ」と一蹴していることから、 このところ“尊厳”が、ずっと気になってい…

コネチカット州の医師らが自殺幇助に法の明確化を求める

自殺に使われると知りながら 医師がターミナルな患者に毒物を渡したら犯罪になるのかどうか 法の明確化を求めて、コネチカット州の医師らが裁判所に提訴。 代表者の Dr. Gary Blickは 「これは自殺の話じゃない、思いやり・共感の話だ」と。 検察側は CT州の…

リビング・ウィルを逆手にとった治療拒否で安楽ケア受けて自殺(英)

リビング・ウィル(事前指示)が、まさか、こんな使われ方をするとは……。 Kerrie Wooltortonさん26歳は 子どもができないことに悩んでウツ状態となり、 これまでに9回も自殺未遂を繰り返してきた。 (人格障害があったとする記事も) 9月に、今回は、自…

デンマークでも幇助自殺映像をTV放送

今月の始め(というのは、ここ数日のことになりますね) 53歳のデンマーク人男性Kaj Guldbechさんが スイスのDignitasで医師の幇助を受けて自殺。 その模様が録画され、日曜日にデンマークのテレビで放送されています。 デンマークでは自殺幇助は違法行為…

2009年10月5日の補遺

WHOの「早産の負担」研究。毎年、世界中で生まれる新生児の10人に1人は早産で、生後1ヶ月以内に死亡するケースの4分の1が早産に関連した原因によるもの。:早産撲滅はなんといってもゲイツ財団とシアトル子ども病院の最重要課題の1つですから。 http://www…

セーフティネットの必要が“科学とテクノ”の国際競争力に繋がることの怪

昨日の夜、NHKの番組 「セーフティネット・クライシス Vol.3 社会保障は子どもを救えるか」を後半だけ見た。 親の貧困によって満足に教育を受けられないどころか 将来の生活のメドさえ覚束ない子どもたちが増えて、 セーフティネットが十分でないために親の…

2009年10月3日の補遺

Obama政権の医療制度改革案を潰すために、保険会社、製薬会社、病院などの利権がらみの抵抗勢力がここ数ヶ月にロビー活動に費やした資金は3億8000万ドル。下院議員一人に3人のロビー担当者が付いて、せっせと献金している。:米国の医療費を吊り上げて…

英国内務省から「ヘイト・クライム政府横断行動計画」

9月14日、英国内務省から「ヘイト・クライム行動計画」が発表されています。 政府内の部局をまたいで、こうした行動計画が策定されたのは初めてとのこと。 計画の表紙にも、わざわざ cross governmentと銘打たれています。 この計画について報じたMencapのサ…

2009年10月2日の補遺

米国のナーシングホームで、高齢者と一緒に犯罪歴のある精神障害者が入所させられていて、その暴力によって高齢者が死亡するという事件が相次いでいる。:この話題は前にもエントリー立てたけど、平気で同室にできる神経が分からない。 http://www.chicagotr…

Ashley事件リンク集9:CNN両親インタビュー(2008)

CNN記事 'Pillow angel' parents answer CNN's questions CNN, March 12, 2008 Disabled girl's parents defend growth-stunning treatment CNN, March 12, 2008 その他メディア Parents: ‘Ashley treatment’ successful UPI, March 12, 2008 Parents Defend…

スイスの医療制度

米国の医療制度改革論争に絡んで、 NY Timesにスイスの医療制度が取り上げられていたので、 ちょっと貴重な情報だと思って読んでみた。 Swiss Health Care Thrives Without Public Option The NYT, September 30, 2009 スイスの医療は、英国をはじめ多くのヨ…

カナダの議会で自殺幇助合法化法案が審議入り

カナダの自殺幇助合法化議論については、 当ブログでも最近、以下のエントリーがありますが、 カナダの議会でも自殺幇助合法化法案、9月に審議(2009/7/10) カナダ・ケベック州医師会が自殺幇助合法化を提言(2009/7/17) 図書館がDr. Death ワークショップへの…