新・優生思想
英国ロンドンの保護裁判所が 本人の最善の利益だとして知的障害のある男性に精管切除を認めた。 男性はDE。37歳で、 10年来のガールフレンドPQとの間に既に2010年に生まれた息子がある。 DE本人はこれ以上子どもを持ちたくないと考えているが 知的障害のため…
2006年から2010年の間に カリフォルニア州の女性刑務所で州の委嘱医らにより、 少なくとも148例の卵管結紮による不妊手術が行われたことが CIRの調査によって明らかになった。 また1990年代後半にも100例以上が行われた可能性も。 元囚人やアドボケイトに…
フィラデルフィア在住の夫妻の元に5月18日に生まれたのは Connor Levy君。 夫妻(妻Marybeth Scheidts, 36歳、夫David Levy, 41歳)は 米国のクリニックの医師らが染色体に異常のない胚を選べるよう、 IVFで作って5日間培養した13個の胚のそれぞれから細胞を…
これまたBioEdgeネタ。 “Depraved” remarks about disabled cost Cornwall councilor his job BioEdge, March 2, 2013 英国のCornwallの地方議会の議員(無所属)が 1年前に「障害児は自治体にとってカネがかかりすぎるので殺すべき」と発言したことを 今ご…
このニュース、AFPが日本語で2月8日に流していたもの ↓ 避妊手術した女性を次々野外に放置、インドの病院 この「不妊手術キャンプ」について、ちょっと遅ればせだけど、 昨日のBioEdgeが動画入りで取り上げている。 州立病院のガイドラインでは1日25件までと…
米国小児科学会(AAP)と米国臨床遺伝学会(ACMG)から 子どもの遺伝子検査・スクリーニングに関する新たなガイドラインが出ている。 フル・テキストはこちらから読めます(私は読んでいません) ↓ Ethical and Policy Issues in Genetic Testing and Screen…
英国議会は英国における 障害を理由とした中絶の実態調査に乗りだした。 Inquiry into Abortion on the Grounds of Disability UK Parliament Inquiry 調査が行われる理由について The current law permits an abortion to take place up to birth (40 weeks…
ダウン症の大学生、Kさん(21)について 両親から出されていた強制不妊手術の要望を ロンドンの保護裁判所は却下。 Kさんには現在のところ恋人はおらず、 特に交際相手を望んでいるわけではないが、 Kさんを愛情深く献身的にケアし支えてきた両親は 娘が成長…
スウェーデンには1972年から 性転換したい人は、新しい性で法的に登録するまえに不妊手術を受けなければならない という法律があるということに、まず驚く。 強制不妊は決して歴史でも過去でもないのだなぁ、と 改めて痛感させられる記事。 スウェーデンでは…
米国で昨年12月から売り出されている新型出生前遺伝子診断、 販売している企業によれば、すでに何万人もの女性が受けたと言うが、 FDAの規制対象とはなっておらず、 また正確性やどういう役割を果たすことになるかについて疑問視する声もあり、 そのために保…
侵襲度の低い新型出生前診断については、 英語圏で問題になっていた08年、09年を中心に考え書いてきたので、 日本で議論になってからは9月に以下のエントリーを書いたきりですが、 ダウン症の新型検査をめぐって(2012/9/9) 10月末に米国からダウン症の専門医…
8月末に以下のニュースがあった。 胎児のダウン症新型検査「精度99%」に賛否―命の選別につながらないか JCAST, 2012年8月30日 それからずっと、ネット上で様々な議論を目にしながら、 私自身はエントリーに何かを書くという気になれないままでここまできて…
米国で初めて、 公的強制不妊プログラムの犠牲者への補償を決めたNC州の決断については 以下のエントリーで拾ってきましたが、 NC州で、かつての強制不妊事業の犠牲者への補償に向け知事命令(2011/3/21) NC州の強制不妊事業の犠牲者への補償調査委員会から中…
7日の 米・英政府とゲイツ財団とUNPFにより優生施策、7月には国際会議も?のエントリーで 英国政府の資金でインドの貧困層に強制不妊が行われていることを 4月にガーディアン紙がすっぱ抜いたという話があったので、 その記事を読んでみました。 UK aid help…
The American Journal of Bioethics の4月号で Janet Malek (E.Carolina U.) と Judith F. Daar (Whittier Low School)の論文が 最終的には法律によって IVFを利用する親にはあらゆる手段を講じて子孫の福祉を最大化する義務を課すべき、と。 その理由として…
イタリアの功利学者Alberto Giubilini とFrancesca Minervaの共著で “出生後中絶”と称して新生児殺しを正当化した論文がネットであっという間に広がり、 著者らに脅迫状まで届く事態になっていることは、以下のエントリーで拾ってきました。 中絶してもいい…
以下のエントリーで紹介した論文著者らに 脅迫状が送られるほどの過激な非難がまきおこっていることから、 掲載誌のブログに著者らからの公開書簡が掲載されました。 中絶してもいいなら“出生後中絶”と称して新生児殺してもOK(2012/2/27) 主に言われているこ…
医療倫理のジャーナルに イタリアの学者さん2人の共著で 乳児の障害の有無を問わず「出生後中絶」を正当化する論文。 After-birth abortion: why should the baby live? Alberto Giubilini, Francesca Minerva Journal of Medical Ethics, February 23, 201…
今月初め、米国マサチューセッツ州ノーフォークの検認裁判所の判事が 32歳の精神障害者Mary Moe (仮名)への強制中絶と不妊手術を命じる判決を出した。 それについては、専門家らからも 近年聞いたこともない、極端すぎるなど批判が相次いでいたが、 17日、上…
The Medical Journal of AustraliaでJulian Savulescuが 医師のconscientious objection(良心的医療拒否:個人的思想信条による医療拒否)は 「危険な道徳的相対主義」であり、現代医学には無用、と主張。 それに対して、アデレイドの小児科医 Brian Conway…
その大半を非常勤講師としてであったにせよ、 大学を卒業して以来、2年前の春にリタイアするまで 30年以上「英語の先生」をやっていた間には、 「忘れ難い学生さん」や「学生さんの忘れ難いセリフ」との出会いがあれこれとあった。 その1つが 「ボクの全身の…
3月に以下のエントリーで紹介した件で、 NC州で、かつての強制不妊事業の犠牲者への補償に向け知事命令(2011/3/21) 知事の命令を受けたタスク・フォースから中間報告が出たらしい。 What Sorts of PeopleのWilson氏がエントリーで紹介している 最終委員会で…
North Carolina州の Bev Perdue知事が知事命令No.83により、 かつて同州の優生委員会の強制不妊事業の被害にあった者に対し、 終結(closure)と補償(compensation)とカウンセリング(counseling)の3つのCを目指す、と。 5人のメンバーからなる対策委員会を作…
たまたま昨日、「これからの『正義』の話をしよう」の 代理出産の契約は市場に馴染むか、という問題の下りを読んだばかりだった。 10月14日に標題の通りのニュースがあったらしい。 Abortion of surrogate fetus with DS sparks ethics debate Disability Ne…
Generations Aheadという団体が 今回のEdwards博士(体外受精技術の確立)のノーベル賞受賞その他を巡って 以下のステートメントを出し、 障害者の権利と生殖の権利(リプロダクティブ・ライツ)の関係を整理しつつ 優生思想的な生殖の意思決定を促す動きを批…
いずれも2月の記事ですが――。 遺伝子検査のコストが下がり、提供する会社も急増し 着床前、出生前遺伝子診断が普及するにつれ、 膵嚢胞繊維症(CF)、テイサック病、鎌状赤血球、筋ジスなど、 「人々に恐れられる病気 dreaded diseases」が減少、中には ほとん…
現在、英国で生まれる年間65万人の新生児のうち 約8万人が37週未満の未熟児で、 そのうち半数が集中ケアを受ける。 先週、1キロ未満の超未熟児が増えているというニュースがあり、 プロライフのアドボケイトからは中絶リミットを24週から20週に 引き上げるべ…
人口密度が中央アジアで最も高い国ウズベキスタンで 貧しい女性が出産時に無断で不妊手術を施されている。 20年間鉄拳独裁を敷いてきたIslam Karimov大統領の命令による大量強制不妊は 2003年に始まり、批判を浴びていったんは2年ほぼ中止されていたが、 今…
ここしばらくの間に、複数の方から タイと日本での障害者への強制的不妊手術関連の情報を教えていただいたので、 前に当ブログで取り上げた 90年代のペルーで「家族計画」の名のもとに行われた強制的不妊手術なども含めて、 まとめてみました。 ① タイ Inclu…
ロシアのジャーナリスト Aleksandr Nikonov氏が 「殺そう。苦しまないように」というタイトルの記事を書き、 “出生後中絶”は慈悲の行為だと主張。 障害児の誕生は多くの家族にとって耐えがたい悲劇であり「地獄」である、 「新生児を殺すのは実際のところ中…