英国の保護裁判所、ダウン症の女性の強制不妊手術を認めず
Kさんには現在のところ恋人はおらず、
特に交際相手を望んでいるわけではないが、
特に交際相手を望んでいるわけではないが、
Kさんを愛情深く献身的にケアし支えてきた両親は
娘が成長するにつれて異性を意識するようになり、
時に人に対して過剰に親密にふるまうことがあることから、
今後、親から独立していくことを思うと、
障害のある弱みにつけ込まれることもあるだろうと案じての要望。
娘が成長するにつれて異性を意識するようになり、
時に人に対して過剰に親密にふるまうことがあることから、
今後、親から独立していくことを思うと、
障害のある弱みにつけ込まれることもあるだろうと案じての要望。
両親が相談した最初の医師は両親の強い要望に、同意したが、
「弱者である成人に対する特別な責任のある立場の女性」が知るところとなり、
セカンド・オピニオンが求められることになった。
「弱者である成人に対する特別な責任のある立場の女性」が知るところとなり、
セカンド・オピニオンが求められることになった。
2人目の医師は手術には同意せず、
非侵襲的な避妊方法をとるべきだ、との意見だった。
非侵襲的な避妊方法をとるべきだ、との意見だった。
その際には、両親は、手術が認められないなら
Kさんを外国に連れて行ってでも受けさせる、とまで言っていたが、
裁判の進行の中では、国外に連れていくことはしないと同意。
Kさんを外国に連れて行ってでも受けさせる、とまで言っていたが、
裁判の進行の中では、国外に連れていくことはしないと同意。
判事は、
Kさんが地域の Community Nurse Learning Disabilityで
人と付き合う時に身を守るための支援を受けていることを考え、
Kさんが地域の Community Nurse Learning Disabilityで
人と付き合う時に身を守るための支援を受けていることを考え、
本人の環境に大きな変化がない限り、
将来のKの避妊手段として現時点で手術を行うのは
行き過ぎ(disproportionate)であり、
つまり制約が最小の方法というわけでない、として、
将来のKの避妊手段として現時点で手術を行うのは
行き過ぎ(disproportionate)であり、
つまり制約が最小の方法というわけでない、として、
(それなのに彼は何故6歳時のアシュリーの手術をあんなに熱心に正当化するのか、
事件の最大のナゾの一つでもあるわけですが)
事件の最大のナゾの一つでもあるわけですが)
最近の関連エントリーとしては ↓
英国で知的障害女性に強制不妊手術か、保護裁判所が今日にも判決(2011/2/15)
世界医師会が「強制不妊は医療の誤用。医療倫理違反、人権侵害」(2011/9/12)
精神障害者への強制中絶・不妊手術命令を、上訴裁判所が破棄(米)(2012/1/23)
スウェーデンでトランスセクシャルへの強制不妊に違憲判決(2013/2/4)
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その他、大きな事件については ↓
【イリノイのK.E.J.事件:知的障害者への強制不妊を却下】
イリノイの上訴裁判所 知的障害女性の不妊術認めず(2008/4/19)
IL不妊手術却下の上訴裁判所意見書(2008/5/1)
ILの裁判からAshley事件を振り返る(2008/5/1)
ILの裁判から後見制度とお金の素朴な疑問(2008/5/1)
IL州、障害者への不妊手術で裁判所の命令を必須に(2009/5/29)
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【昨年の障害者人権擁護ネット報告書から】
障害者人権擁護ネットから報告書「“A療法”・強制不妊・生命維持停止は人権侵害」(2012/6/20)
NDRN報告書:カルメンの強制不妊ケース(2012/7/14)
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【オーストラリアのAngela事件関連】
豪で11歳重症児の子宮摘出、裁判所が認める(2010/3/10)
Angela事件(豪):事実関係の整理(2010/3/10)
Angela事件の判決文を読む 1(2010/3/11)
Angela事件の判決文を読む 2(2010/3/11)
重症児の子宮摘出承認でダウン症協会前会長・上院議員が検察に行動を求める(豪)(2010/3/13)
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ナミビアでHIV感染女性への強制不妊手術に抗議デモ(2010/6/2)
コンドーム生産国日本の家族計画国際協力がペルーの強制不妊に繋がった?(2010/8/17)
ウズベキスタンで強制不妊:人口抑制と周産期死亡率を落とす手段として(2012/4/23)
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