ロシアのジャーナリストが「知的障害のある新生児は”出生後中絶”で」

ロシアのジャーナリスト Aleksandr Nikonov氏が
殺そう。苦しまないように」というタイトルの記事を書き、
“出生後中絶”は慈悲の行為だと主張。

障害児の誕生は多くの家族にとって耐えがたい悲劇であり「地獄」である、
「新生児を殺すのは実際のところ中絶と同じ」、
自立することのない障害児を殺すのは「真のヒューマニズムである」と述べて、
高齢者が安楽死で殺されているのと同じように、
新生児を安楽死させる権利を親に与えよう、と主張した。

また、ロシアでは非常に非礼であるとされる debil という言葉を
発達障害のある子どもたちに使用しており、

障害のある子どもの母親2人がNikonov氏を相手取った訴訟を起こした。

同氏を罰するというよりも、社会が障害児に対して冷たくなりつつあることへの懸念から。
障害児をケアすることについて問題提起をしたいから、とも。

その一人 Svetlana Shtarkovaさんは
「このような意見は決してNikonov氏に限ったものではなく、
統計でもロシア人の4人に1人が同様の意見を持っているとされています。

通りすがりの人から障害児がいるのは自業自得だといわれたこともあるし、
障害が重いと医師もソーシャルワーカーもちゃんと対応してくれない」と。

彼女らの弁護士がヒットラーに例えたことを受け、
Nikonov氏はRadio Free Europeのインタビューで

自己紹介しましょう。私はアドルフ・ヒットラーです。
どうも、そうふうに言われているらしいんでね。

しかし、本当にひどいのはそう言っている連中の方です。
私に向かって『人が苦しむのはいいことで、フェアなことだ、
人間らしさという机上の概念さえ影響されない限り
苦しむ人はそのまま放置しておけばいい』といっているわけだから。

そんな連中はくそくらえだ。

人を苦しませるべきじゃない。私はそう思う。
黙らせようったって私は黙らないよ。


当然ながら記事は最後にPeter Singerを引き合いに出しています。

そして、Singer や Nikonovの言っていることが、ただの思想でとどまらず
実際に社会もそのように考え始めていることを懸念しています。

Peter Singerの価値観の勝利という
2008年7月のWesley Smithの記事を引用して、
オランダで新生児の死亡例の8%は医師が殺したケースで
そういうケースが年間90例もある、

さらにオランダの医師会までが、それを支持している、と。



どうして障害児・者切り捨て論を説く人というのは
こんなふうに揃いも揃って、上から目線で
押しつけがましく攻撃的な物言いになるんだろう?

なぜ、冷静に誠実に議論をしようという姿勢でないのだろう。

Peter Singer も Norman Fost も この人もそうなんだけれども、
揃いも揃って2チャンネル的なものの言い方をする。

そういう姿勢に、
私はそれこそ知性の欠落を感じてしまうのだけど……?