「IVF利用の親には着床前診断の義務付けを」とAJOB論文

The American Journal of Bioethics の4月号で
Janet Malek (E.Carolina U.) と Judith F. Daar (Whittier Low School)の論文が

最終的には法律によって
IVFを利用する親にはあらゆる手段を講じて子孫の福祉を最大化する義務を課すべき、と。

その理由として挙げられているのは
子どもの福祉、子どもの自己決定の拡大、不平等の削減。

より体力があり、より健康で、より知能の高い子どもが生まれるという利点だけでなく、
公平性と自己決定を促進するから、道徳的な善である、との論理。

特に重大な遺伝病があり、そのことを知っている(べき)親が
着床前遺伝子診断を利用せず、その病気の子どもを産まない努力を怠った場合には
法的な責任を問うべきだ、と。

そうして最終的には
IVFによる出産では欠陥のある子どもは生まれなくなれば
病気の子どもに税金が使われることがなくなるので、

Shifting benefit outlays for significant post-birth health care to a far less costly preconception procedure strikes us as a worthy public policy trade-off.

福祉給付のバランスが、多額の出生後の医療費から、それよりもはるかに安価な着床前診断の費用へとシフトするわけだから、政策としては差し引き勘定は良好で意義がある。


BioEdgeのCookによれば、
この論文の著者らは、つい先日、物議をかもした「新生児殺し容認論文」の著者らと同じく、
Savulescu, Guy Kahane、John Harrisらの議論を論拠にしている、とのこと。