2012年11月22日の補遺

英国で問題になっているLCPを家族の同意なく適用されたとして、Alan Boothさん「医師らに妻を殺された。自然死でもないしガンで死んだのでもない。死なすためのLCPにされたんだ。そうしておいて、それを「ケア」だというんだから」。保健相は、LCPは家族の同意なしには適用されないはず、と。:でも今英国で問題になっているのは、一方的かつ機械的なLCPの適用。ついこの前、NHSが実態調査を約束したばかり。⇒ LCPの機会的適用でNHSが調査に(2012/10/28)
http://medicalfutility.blogspot.jp/2012/11/man-claims-doctors-murdered-my-wife.html


安楽死防止連合のAlex Schadenbergが“Exposing Vulnerable People to Euthanasia and Assisted Suicide”という本を出版。カナダの自殺幇助合法化議論を中心に、ベルギーやオランダのデータも分析し、弱者がいかに危険にさらされることになるか、という内容みたい。
http://www.lifenews.com/2012/11/19/new-book-exposes-how-assisted-suicide-euthanasia-prey-on-people/

11月16日にNYロー・スクールで行われたシンポ「終末期の選択の自由」で「特別な人たち、特別な問題」と題して障害者と囚人に特化したパネルを設定しながら、そこに障害当事者を含んでいないことに対して、Not Dead Yetの活動家3人が抗議のビラを配った。その中で、パネリストの一人Alicia Ouelletteについても、著書“Bioethics and Disability”で障害者に理解のある生命倫理学者を気取ろうとしているが、障害者アドボケイトの主張に対する理解が間違っている、と痛烈に批判。:私はアシュリー事件からのOuelletteの論文など一連の流れの先にあの本を読むと、ある種のナイーブさは鼻につくけど、生命倫理に対して障害者運動の声にもっと誠実に耳を傾けろ、というOuelletteの呼びかけは真摯なものと感じるんだけど。あと、Thaddeus Popeも、Ouellette自身も彼女の所属するAlbany Law Schoolも障害者の権利については多くの仕事を成してきたのに、その批判は本当にフェアなものか、とブログでコメントしている。ウ―レットの本についてはこちらにリンク一覧 ⇒ Ouellette「生命倫理と障害」最終章:障害に配慮した生命倫理に向けて(2012/5/18) 
http://www.notdeadyet.org/2012/11/ndy-activists-leaflet-justice-action-center-ny-law-school-featuring-opponents-discussing-disability-concerns-without-including-disability-rights-activists-to-speak-for-ourselves.html

C&Cの年次報告。:Thaddeus Popeが「C&Cほど終末期の自己決定権と安全を守るための努力を払っている組織はない」と書いているのに、ちょっとびっくりした。
http://viewer.zmags.com/publication/98abaf6f#/98abaf6f/44

日本語。Togetter で「風船も検査もできないヘリウム不足がきた」:C&Cは薬の多剤併用だけど、FENはヘリウムを使う……。
http://togetter.com/li/410671

米国CA州のナーシングホーム入居者の権利擁護団体CANHRによる、NHでの高齢者への抗精神病薬投与防止キャンペーン・サイト。
http://www.canhr.org/stop-drugging/


ハーバードやMITのオンライン授業が地方の小規模大学でも受けられるように、ゲイツ財団の資金で。
http://www.newstrackindia.com/newsdetails/2012/11/20/79-Bill-Gates-foundation-to-fund-new-online-teaching-model-in-US.html

ヨーロッパで医療費が何十年ぶりに縮小。OECD
http://www.oecd.org/newsroom/healthspendingineuropefallsforthefirsttimeindecades.htm

日本。生活保護受給者の受診回数制限 自民検討チームが改正案
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121120-00000044-asahi-pol


2006年にインドネシアで1日に248人の女児に女性器切除が行われた。その場に居合わせたジャーナリストのレポート記事。ハサミでクリトリス切除……。
http://www.guardian.co.uk/society/2012/nov/18/female-genital-mutilation-circumcision-indonesia

世界中で毎日45人の子どもたちが性的搾取を受けている。
http://www.guardian.co.uk/society/2012/nov/21/child-risk-sex-exploitation-gang

タイで浮気した夫のペニスを妻が切り取る事件が続発して、調査に。:タイやベトナムの女性のこういう「強さ」については、近藤紘一さんのベトナムものシリーズで何度も紹介されていたっけな。
http://www.guardian.co.uk/education/2012/nov/19/improbable-research-thai-women-cut-off-penis

世界中の使用者を対象にした、薬物使用に関する大規模調査が今日から始まる。インターネットで。約20分かかるそうな。何を、どういう理由で、どのくらいの頻度で使い、その結果、社会的に医学的に法的に、どういうことが起きたか、について。
http://www.guardian.co.uk/society/2012/nov/22/independent-drug-use-survey-launched

英国NHSの病院とケアホームは今だに質が低く、患者が不当な扱いを受けている、という報告書。
http://www.guardian.co.uk/society/2012/nov/22/shocking-treatment-nhs-hospitals-care-homes

日本。「子どもの予防接種」なぜ必要? 自身と周囲を感染症から守る
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121122-00000519-san-soci

日本。NHKがんワクチン報道がダメな訳(2012年11月18日)
http://togetter.com/li/409474

あの人に会った:乙武洋匡さん 作家:新刊小説『だいじょうぶ3組』について、「この小説は経験をもとにしたフィクション。割とハッピーエンドで終わっていますが、実際はそうでないこともありました。あったことをそのまま書くか、フィクションにするか迷いました」。
http://mainichi.jp/feature/maisho/news/20121014kei00s00s018000c.html

漫画家さかもと未明さんの「再生JALの心意気」騒動と、その続報。:飛行機の中で起こったことの内、書かれてないことがあるよね……というのを最初に思った。「着陸準備中の機内を、出口に向かって走り始めた。その途中で、子供とお母さんにはっきりいった」と「そして私は、陸に降りても、激しくクレームをし続けたのでした」の間で、走り始めた彼女はACによって阻止され、たしなめられたはずなのだけれど、そのことはまったく書かれていない。それは彼女が「私は飛行機で騒ぎを起こして叱られた」という事実を「私は泣きわめく赤ちゃんの迷惑問題に対して、前向きな問題提起をしJALに改善策を要求したのだ」という事実に書き替えるために、「クレームをし続けた」のであり、その事実の書き換えを自分に対して定着させるために、この文章を書かないでいられなかったからなのでは? さかもとさんは、自分がしたこと、その結果起こった出来事に屈辱感を味わい傷ついたのではないか、それ以後の言動はすべて、その自尊感情の傷つきの修復作業だったのではないか、という気がする。そして、最初の文章を書いてゴウゴウの非難を浴びたことからの屈辱感と自尊感情の傷つきを修復するために、また次の文章を書くしかなかったのかな、と。事実を自分の中で無意識に書き替えるというのは誰でもある程度はやることだけれど、事実の書き換えを確認したり定着させるために新たな行動を起こしてまで自分の傷つきを否認しなければならない人は、永遠に事実の書き換えをやり続け、それをどんどん習性にしていくしかなくなるような気がする。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121119-00000002-voice-pol
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121122-00000005-rbb-ent