13歳少女、延命効果なくても心臓移植やりたがる医師にNO(英)

Hannah Jonesさん。 13歳。

5歳の時に白血病にかかり、
その化学療法によって心臓に穴が開いたため
成長と共に心拍が身体に追いつかなくなって
遂にターミナルな状態になった。

そこで医師らは心臓移植を提案。

だたし、手術に命の危険が伴うのはもちろん、
仮に成功したとしても術後の拒絶反応を抑制するために薬を飲み続ける必要があり、
今度はその薬が白血病の再発を招くので所詮は一時的な延命にしかならない。

Hannahは手術をして病院で死を待つよりも
残された時間を家族と過ごしたいと望み、
両親も娘の希望を受け入れて家につれて帰った。

すると病院は
親が子どもの治療のジャマをしているとして児童保護機関へ通報。
裁判所が心臓移植を命じた。

しかし両親が地域のプライマリー・ケア・トラストに苦情を申し立て、
児童保護機関の担当者がHannah本人に面接。
裁判所の命令は適用されないことになった。

プライマリー・ケア・トラストの担当者は
Hannahのことを「勇敢で勇気ある少女」だと。



ターミナルな患者や重症障害者に治療どころか栄養供給も差し止める時には
「無益な治療は医療費の無駄、社会への重荷」だと主張する医師が増えているようですが、
こちらの医師は心臓移植にかかる莫大な費用は気にならなかったわけですね。

延命効果は見込めなくても、
そうまでしても、よほどやってみたい症例だったのでしょうか。

あっぱれ、13歳に拍手を。
Hannahさんの家族との時間が幸せなものでありますように。


         ――――――

常に「無駄」と「コスト」があげつらわれる種類の医療と
そういうことが一切言われない種類の医療とがあって、

それは決して前者の方がコストが大きいというわけではなくて
案外に実は医師・研究者が意欲をもてる種類の医療かどうか、とか
そこに商売としてのウマミがあるかどうか、が分かれ目になっていたりもするのだけれど、

特定の種類の医療だけが「無駄」だの「コストがかかる」だのとあげつらわれているうちに
ただ我々は言われないことは見聞きしないというだけの理由から
本当に医療費を押し上げているのは何かについて実証的な検証など行われないまま
そうした医療だけが医療費を押し上げる元凶であるかのように
いつのまにか思いこまされている……なんてことは?